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三品目 シリアス半分 料理はだめ

「………?」


「ディバ…さっきから何を見ているんだ?ニコニコ笑って気持ち悪いし」


「気持ち悪いってひどいじゃない 鳥さんと太陽に0円スマイルをご奉仕しただけ!」


「それが気持ち悪いのだけど」


そう言われヘコむディバ。指摘されたことで客観的に考えて見たのだろうか、どう考えたのかは知らないがウンウン唸っているところを見ると何か葛藤があるのだろう。

だが今は勤務中。昼飯時とは比べ物にならないくらい客が減ったがそこそこ来てくれている。ちなみに今も客を待たせていたりする。しかし店主兼コックのディバはトリップ中。このまま客を待たせることになれば屋台の評判も悪くなってしまい食べに来なくなってしまう。着いて早々、町を出て行くのは流石に嫌だ。で、どうすれば出て行かなくてもすむか考えた結果。


自分が料理を作ればいい


という結論に至った。例え不味くて評判が落ちても、まだ来たばかりなので大丈夫なはず。

彼女は悩み抜いた結果、遂に“料理もできるお姫様”という本人にとっては未知のジャンルを開拓し始め、料理人の聖域キッチンへと歩み始めた。






「アハハ 今日は面白かったわねぇ」


「わ…笑い事じゃないぞ ディバがトリップしなければこんなことにはならなかった」


「それにしても明日から大変ねぇ フェルミが媚びた分変なお客様が来るかも知れないし」


「う…五月蝿い」


「馴れないことするから」


今日あった出来事を肴に飲みあうフェルミとディバ。

フェルミは地ビールをディバはカクテルを飲みほす。

机の上には屋台で余った食材で作った賄い飯が置いてあり、すでに半分以上なくなっていたりする。


「それにしてもお姫様がビール好きとは… 時代は変わったのねぇ」


「私はワインは渋いから好きではない それに私は庶民派なのでな、貴族を夢想させるせいで嫌いなんだ」


「ふーんそうなの」


今日はいい日…ディバは心からそう思う。

話し相手としてはバッチリだし仕事に関してもそつなくこなしている。

まぁ料理は良いとはいえないけど…。

そういえばお姫様と露骨に読んだのに何の反応も示さなかった。てっきり殺気や敵意を向けられると思っていたのに。

もしかしたら酒に弱いのかも知れない。


「ディバ私と魔神退治に行かないか」


やっぱり酔っているのねと思ったがその考えはすぐ振り払った。真剣な目付き、まるでこれから死地へ赴かんという目付きをしていた。


「何よ 唐突に」


「さっき私をお姫様と読んだじゃないか」


「あれ?気付いていたの?」


「気付かないと思ったのか?これでも私は密偵隊長の任を賜っていたのだ これくらいは簡単だ」


「へぇ…(やばっ知らなかった)」


「…気付いているならわかるはずだ 私があの森にいた理由がな」


「…セントブラット魔神抗争ね」


「そうだ協力してもらえるな?」


この時点で私はもう引き返せないところまで関わってしまっていることにちょっと後悔した。

断ってもきっと

愚問だな。

駄目に決まっているだろう。

とか言いそうだ。絶対言いそうだ。

非常にやる気が起こらないが


「……協力します」

こう返事するしかなかった。




先ほどとはうって代わり緊張した空気が辺りを包み始める。


「了承もえられたからな まずは詳しく話さなければならないか…」


こほんっ


「現在、セントブラット王国は我が父セントブラット王の王民派と宰相ベリトの魔神派との抗争に入っている。」


「確か王民派は王と民が協力して対話により繁栄を促す派閥で魔神派は魔神の威光の元に武力を用いる戦争好きの派閥だったわよね?」


「そのとおりだ。宰相パフテマス・カーンは報酬や役職を餌に自らの派閥にたくさんの人員引き込んでいて、我ら王民派では歯がたたないくらい強大な派閥となっている。素行も悪く、権威をかさにきて民から財産を巻き上げる。それに私も狙われたのだ。時が満ちれば我がセントブラットは魔神派にとってかわられてしまうだろう。そうなる前に私は姉妹国であるラクイリスに援軍を要請しなければならないのだ」

フェルミは血が出るくらいに拳を握り先を見つめる。眼には闘志と決意が見え隠れしている。

しかし、その闘志と決意は何かうすら寒いもの感じられ、危うい雰囲気を醸し出していた。

(こういう娘は後で何か起こしそうな雰囲気をいかにもって感じね。この場合見てて上げた方がいいか)



(こういう娘は後で何か起こしそうな雰囲気をいかにもって感じね。この場合見てて上げた方がいいかも)



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