2品目 港町から屋台まで
次回投稿まで長くなりますので気長に御待ちください。
ドォーム港港町バースク
この町は水産資源が豊富なこの近海に漁をしにくる漁師たちの補給地点だった。
だが一部の漁師たちがふざけて補給地点で市場を開いたところ冒険者や商人たちのキャラバン相手に大当たり。味を占めた漁師たちは家族を伴い移り住み、他の漁師たちも真似をして移り住んだため港町となった。
今では貴族御用達の港町として重宝されているうえに、異国の窓口として貿易を行い多大な利益をあげている大陸有数の漁師町として知られている。その漁師町の大通りは飲食店や屋台が建ち並び、取れたての海産物を色んな料理として味わうことができる。
そんな大通りで一際長い行列が出来ている屋台がある。屋台ののれんには“THE 屋台”と書かれている。冗談だと思ったがそれが店名で店主曰く名前が決まらなかったから仮でつけた名前らしい。
「フェルミ〜 海鮮丼あがったわよ!」
「ああ 今行く」
私はフェルムアーデ・C・セントブラッド。訳あってTHE屋台で働いかせてもらっているがセントブラッドの三番姫だ。
「フェルミ〜 この黒虎海老の塩焼きは向こうのオジサマに」
「オジサマって いったいどのオジサマのことを言っているんだ?」
ピンクの帽子の初老の人よ!と助けてもらいながら私は料理を運んで行く。
「客はまだまだたくさんいるんだからね! 速く来なさいな!」
彼女の名前はディバイン・グローリー。さすらい屋台“THE屋台”の店主で私の命の恩人だったりする。しかも救われるきっかけがディバのハンドルの操作ミスで、もうちょっとひねってたら私も臨終。そんな危険極まりないきっかけで助けられた?私は梅肉チャーハンをいただき、その恩に返す為に彼女の屋台の手伝いをしている。とりあえず
「此方の紳士殿はあいなめ丼を頼んだそうなんだがどうなっているんだ?」
「えっ?あいなめ?間違えちゃった?嘘?痛っ えっ ちょっ イヤァァァァァァァ!」
彼女は面白い。
食器に埋もれるディバを見て私はそう思った。
とある場所での会話
「こちらアイズ5 アイズ2応答せよ」
「こちらアイズ2 どうした?」
「姫君を発見した」
「おお!ようやく発見したか で、姫君は何処に?」
「バースク町のドォーム港市場の大通りだが」
「ん?どうした姫君が商いでもやっているのか?」
「そのとおりだ」
「ぶはっっ」
「だが問題はソコではなく、姫君を雇っている店主のほうだ」
「何?店主が問題?どういうことだ?」
「俺の方を向いて笑ってやがるんだ あっ手を振りやがった!?」
「アイズ5 その店の名前はなんだ?」
「THE屋台だ」
「……なんだ その名前は?」
「俺が知るか」
「まぁいい 早急にその屋台と店主のことを調べろ」
「了解 本当に私に気付いていたら厄介ですからね」
「アイズ1には俺から連絡しておく」
「お願いしますアイズ2 では交信終わります」
「アイズ5 神眼の加護とともに」
簡単登場人物プロフィール
ディバイン グローリー
謎多き店主(女)
北の国々では味と服装と店名で有名だが今は南西の国々をまわっているので知名度低し。
服装は巫女服と神父服を足して2で割ったようなデザイン。スタイルは良くチャイナ服がとても似合うらしい。
実は屋台の名前を決めるために旅をしている。フェルムアーデが入ってちょっと楽しくなったようだ。過去に秘密がある。