やたらと令嬢方に追いかけられる
2話更新しちゃいました☆
感想が嬉しすぎてー。まだ、作者ってば単純?
「ラピス殿下!わたくし、リジェール公爵の娘、リーリアと申しますの!わたくしと、お話しませんこと?」
「えーと……ごめんね。僕、これからカイルと用事があるから。」
「まぁ…侯爵家の三男なんて放っておけばよろしいのに……。」
「カイルは僕の大切な友達。それを貶すような子と話はしたくない。」
「なっ……!!」
「リーリアさんだっけ?折角綺麗な顔をしてるんだから、僕みたいな奴には似合わないよ。」
「まっ……まぁ。綺麗だなんて……」
頬を赤く染めながら、俯いている。
「それじゃあ、またね。」
「えっ?あっ、まっ……!」
僕はその場から早足で逃げ出した。
しかし、その後も他の令嬢達に追いかけられる。目が怖い!!喰われる、補食されるっ!!
「ん?ラピス、どうしたんだ?」
「カイル…!ちょうど良かった!ちょっと隠して!」
「うぉっ!?何だ??…なるほど」
角から現れたカイルの背中に隠れる。
すると、カイルもすぐに察してくれたのか見えないように隠してくれた。
カイルは体が大きいからね。
僕を四人位合わせた感じ。令嬢達が立ち去ると、溜め息をはく。
「大変だなぁ…ラピス。」
同情するような目で見ないでくれ。
「全くだよ。学園に入るからには予想してたけど、そんなに王族って魅力的なの?」
地位さえあれば例え醜くてもいいみたいな?野心にあふれてるねー…。
「いや、それもあるだろうが殆どはラピス目当てじゃないか?」
「僕??魔術に関しては多少優れてると思うけど、容姿なんて全くだよ?目は血みたいに赤いし、髪は真っ黒。」
ほんと、悪魔みたいな見た目だよね。
「前々から感じてたが、ラピスの自己評価おかしくないか??」
「えっ、そう?」
カイルは心底不思議そうにしている。
「あぁ。血みたい、っていっても角度によって虹色になるし…髪はふわふわしてていいと思うぞ?」
「それは友達贔負じゃない?」
少なくとも、赤い瞳が虹色になるなんて、この世界の原理ヤバすぎだよ。
「いや…そんな事はないと思うが」
「そうだよ、ラピス皇子。君はもっと自信を持っていいと思う。嫌、この私が見惚れるほどだし。」
突然、会話に入ってきた人物……。
「何で、君がいるの??」
「やだなぁ、エディスと呼んでくれたまえ。ついでに私もラピスってよんでいい?いいよね?」
そこにいたのは、褐色の肌に金髪に髪と同じ瞳をしたイケメンが。
「……どうぞ。」
「うんうん。では、ラピス。その前髪切らない??」
「えっ?何で。」
いや、急に何?
「折角可愛い顔してるのに、隠すなんて勿体無くない??」
「いや、かわいくないし。」
まず、男だし。確かに背は低いけど可愛いとはいえないと思う。
「嫌々、それが可愛いんだって。自分の視点とわ周りの視点は違うものだよ、ラピス。てことで、切ろうね。」
「いや、だから何で。やだよ」
何か、ハサミ用意してるし切る気満々じゃん。てか、皇子って他人の髪切れるの?
「そんなこと言わずにー……」
「絶対にやだね。そもそも、何で僕にまとわりつくのさ。暇なの?」
これ、ほんとにしつこいんだ。教室にまで来るし、昼食時間には一緒に食べよう!とかいって引っ付いてきている。いい加減、目障りだし邪魔。
「中々毒舌気味だねぇ。」
「これが素だからね。」
「おや、残念。折角情報を持ってきてあげたのに。」
「情報??」
情報って、何の?下らないことじゃないよね。
「エミュリタス男爵の娘についてね」
「あぁ…ヒロイン。」
「なにいってるんだい??」
あぶねっ。つい口がすべった。
「別に。それで、なんなの?」
「君のお兄さん…ロイド殿下の周りを最近、彷徨いてるみたいだよ。その他の兄君達にもね。他にも有力な権力者の側にいったり来たり…。最近は僕の所にも現れ始めたね。ラピスの所にもいずれ来そうだから、気を付けなよ。」
いや、お前も攻略対象だよ。うーん、よくある奴かな?ヒロインが転生者的な。
それだと、かなりめんどくさい。
逆ハーを目指してるのか……?
でも、生憎僕はゲームに関しての知識がないからね。ストーリー通りに進める事は不可能。まぁ、ラピスを攻略しようとする人なんていないだろうけど。ヒロインは試験の時休んでたみたいだし。
「とにかく、気を付けろよ。あの子、絶対計算高いよ。令嬢達からかなり恨みを買ってて、虐められてるみたい」
「ふーん……。わかった。」
まぁまぁ有意義な時間だったか。
「じゃ、私はそろそろ行くよ。また後でね、ラピス。」
「ばいばーい。」
エディスが去ると、カイルが口を開く。僕達が話している間は立場を弁えていたのか、ジッと待っていた。
「ラピス、その令嬢はそんなにヤバイのか??」
「さぁね。ただ、大分男好きみたいだね。そんなのに引かれる奴の気が知れないね。」
「中々、言うなぁ。そういえば、ラピスの女性の好みって何なんだ?」
「女性の好み??うーん。難しいね。でも、あえて言うなら僕の存在を普通の人として肯定してくれる人とか?容姿は特に気にしない。まぁ、適度な距離を保ってくれて束縛がなくて。後は…しっかりした人だね。心優しいとかじゃダメ。聡明でハッキリとした女性。それが理想像。少し悪っぽかったら尚更いい。」
「ほぉー。大分現実的だな。もうちょっと夢見ていい気がするが」
「カイルはどうなのさ。」
「俺か?うーん。可愛くて静かなら別にいいな。特に求めない。」
「それこそ、カイルが攻略されそう。」
「なんのことだ???」
「気にしなくていいよ。」
「おう?」
君は純粋なままでいてくれ、カイル。
「あっ、やっと見つけましたわ!」
「ラピス様、わたくしとお話してくださいませ!!」
「殿下、どうか私と!!」
「げっ…!カイル、ごめん!!また、後でね!」
先程まいた筈の令嬢達が戻ってきてしまった。
「おっ…おう。頑張れ……?」
「「ラピス様、お待ちくださーい!」」
凄い数の令嬢に追いかけられてるんですけどぉーーー!?
……その後、どうなったか。
何と、たまたま通り掛かったリア姉が助けてくれました。
「ラピスちゃんに手を出したらどうなるか、知らないのよ……。」
そう一言呟くと顔色をかえて令嬢達は逃げていった。
本当にありがとう、リア姉。
無論、その後はリア姉にずっと撫でられてました。
逃げ場がない……!
これからもよろしくなのですー。質問受け付けてますよ?