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噂とは違う皇子

久しぶりの更新ですー!

感想、ありがとうございます!!

俺はカイル・シュダディス。侯爵家の三男では

あるが、家督を継ぐのは長男のリゲルだ。


 次男については商人として各地を転々としているのであまり会わない。リゲルとも仲がいいとはいえない。親父は真っ当な人間ではあるが、そこが弱味でもある。借金などは抱えていないが、領地経営も大分困難を極めた。故に俺は学園を卒業し、騎士か冒険者になろうかと思った。


しかも、その学園は王族が全員通っているらしい。第四皇子殿下も今年入学するそうだ。


 そして、その第四皇子殿下に関しての噂は様々だ。一般的な噂は体が弱く、醜い。寂しさ故に、使用人に喚き散らす王族の恥さらし。


曰く、顔はみただけで気絶するほど醜い。


曰く、かなりの暴君で気に入らなければ使用人をすぐに解雇する。


曰く、王族としての誇りと義務を果たさない。噂だけをきけば、見るに絶えない容姿に中身め醜い、価値があるかどうかも分からない要らない皇子だ。社交界へ出ていないというのも、その噂が流れた原因だろう。


 だが、俺はそう思っちゃいない。


親は同じなんだぜ?国王と王妃は傾国の美男美女だったからな。


他の皇子たちも皆、類い希なる才能と容姿の持ち主だ。そんな血縁の中に醜い者など混ざるはずがない。性格は捨て置き、容姿は大層美しいことだろう。本人に会ったことはないが、兄殿下達の溺愛っぷりも噂だ。特に、アメリア皇女は常軌を逸した溺愛ぶり。第四皇子殿下が関わると人殺しも厭わない。それこそ、王族らしい姿だ。時に優しく、時に残酷に。まさしく王族の鏡である。


で、そんな噂の渦中にある第四皇子殿下が今年、学園に入学するという。


俺も興味半分で探してみたがそれらしき人物は見つからなかった。


 そして、入学式。


俺は王族席から少し離れた場所で観察していた。まだ殿下達は来ていないようだ。

そして、騒ぎが起こった。

王族席に一人の少年が近付いたのだ。


何か、こう…モフッとした小さくて可愛い何かが…。いや、あれは人間…?話は聞こえないが、教師と揉めているようだ。どうやら、自分は第四皇子だと名乗っているらしい。


周りはヒソヒソと悪口言いたい放題。

 確かに、パッと見は下級貴族の常識知らずの嘘つきであろうが、俺には分かる。野性的な勘が告げている。


 (あれは、普通の人間じゃない)


今まで対峙してきた奴等を遥かに越えている。魔力と強者のオーラ。


 あれは、王族特有の虹色。


間違いなく、第四皇子殿下だとしか考えられない。すると、どうなるか。それはもう分かりきったことだ。第二皇女まで登場した所で未来は分かる。第四皇子に無礼を働いた教師は兵士に連れていかれた。その時のアメリア皇女の目は分かる人には分かる。


 瞳の奥に隠された紛れもない殺気。

普通なら気づかないが、冒険者として魔物と戦ってきた自分には分かる。あの教師は裏で消されるだろう。それは確実で、決定されている。

アメリア皇女を敵に回した時点で終わりなのだ。アメリア皇女はブラコンを通り越して、ヤバイ異常者だ。(ラピスは弟ですのでシスターでなくブラザーとなります。)


そして、筆記試験の結果が発表された。第三と第二学年はほぼ王族が主席近くを埋め尽くした。


 兄のリゲルはギリギリ四席。


俺は第三席。主席は第四皇子殿下だ。


点数みたか??満点を通り越してた。五百点中、五百九十九点。


んだよ、それ。オーバーしてんじゃねーか!周りも不正を疑ったようだが、教師達が絶賛していたらしい。


新しい考え方で是非教えて欲しいものだ、と。うん、もう勉学において才能があるってことは分かったよ。どうやったらそんな点数とれるんだろうな??


俺と同じ年だぞ?王族怖えぇぇ。


 んまぁ、興味を持っちまってさ。

つい、いつもの口調で話しかけてしまった……俺、首飛ばねぇかな?


 うん、何かトモダチって何?って

聞かれたけど。何か、変な子だ。


 おっと…不敬罪だな、これ。


うーん。思ったよりおおらかというか…一言で言えばちょっと、王族っぽくない。喋り方に関しては素のようだ。声、ちょー可愛い。男か、本当に。中性的な声だな、これ。


しかも、ちょー小さい。髪の毛ふわふわしてそう。触りたい。小動物感が凄いんだ。

これは、第一皇女が天然の淑女キラーと言っただけのことはある。


 庇護欲と共に見ているだけで幸福な気持ちになる。


 母性を擽られるんだろうなぁ。


顔は隠れてるので分からないが、声からして美少年っていうのは絶対だ。


まぁ、俺の予想通りというか、予想以上だった。ラピスは戦力差があるにも関わらず、ズバズバと俺のチームを倒していく。最後には俺とエディス王子だけ。てか、魔術師すげぇ。何か、合間にアドバイスくれるし、中々的確だ。

ヘルファイヤなんかを使ってるときは、物凄くご機嫌だった。血染めにされた氷は怖かったがな。殺される勢いだったぞ、あれ。生きてるのが奇跡だ。そんな中、事は起こった。


エディス王子がラピスを引き付けているうちに、吹き飛ばされた俺が気づかれないように気配を消し、後ろに回り込む。そして、背中を捉えた…が、最後の最後で殿下と俺の足元にデカイ魔方陣が現れた。詠唱もなかったはず。いや、殆ど無詠唱だったけど……今回は確実に声を発しなかった。


 水に押し流され、叩きつけられる。


しかし、ちゃんと怪我をしないようにと考慮してくれたのか、下から緩やかな噴水が吹き出し、俺達はゆっくりと地面に足をつけた。しかし、ダメージはおおきい。先程の水には体力等を奪う効果があったのか、体が動かない。

 口は動くが、体は全くだ。


んで、会場は一気に盛り上がった。


すぐに静寂に包まれたけどな。


何たって、ラピスが素顔を晒したから。髪をかきあげて出てきたのは醜い顔ではなく絶世の美少女…美少年だ。


 真っ白な肌はマシュマロのようにふっくらとしていて美味そうだし、目はクリクリしていてパッチリ。


赤い瞳は一見恐ろしく見えるが、この容姿の前ではそうは捉えられない。


アメリア皇女と同じく、透き通っていて、不思議な事に角度をかえれば


オレンジ、ピンクと虹色に輝く。

顔は小さいし、唇は男なのにさくらんぼのようにぷっくりしていて、目元のホクロは色気を逆立てる。


 黒の髪は魔力の強さを表す。

少しくるくるとしていて癖があるが、

それも愛らしい。長い髪は後でハーフアップにしていてどこからどうみても美少女。


天使かっていうくらいショックを受けた。会場では失神したり、黄色い悲鳴をあげている者、呆然としている者と沢山だ。いや、司会は役目果たせよ。


 なるほど、あの噂……ラピスの容姿は見ただけで失神する、等という噂はこうゆうことか。素顔を見れたものが独り占めしたくて、偽の情報を流した……と。まぁ、何だかんだあってラピスとは友達になり、色々と騒ぎがあったがこれはもう、作者の癖というかご愛嬌?って奴だろう。


≪やめんか、カイルぅぅぅ!!≫


 謎の声が頭に響いたのだった。


≪登場シーン減らすぞ、こら。≫


「……なんのことだ。」


 ≪あ゛ぁ゛??≫


 「…………すんません。」

今日は2話投稿更新しちゃおうかなぁー……

更新不定期です!でも、作者はちゃんと生きてるですよ?

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