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試験の始りだぁー!

ちょっと複雑です。

「さぁ、始まりました!シルバ学園新入生実技試験っ!司会は私、ルディアスが務めさせていただきますっ!そして!今年はなんと、滅多に社交界へお出になられない、第四皇子様が入学されるようです!しかも!筆記試験、実技試験両方を受けるとのことです!」


司会の声が、実技会場に響き渡る。とうとうやってきた、試験日。

筆記試験に関しては前日に終わっている。


 「いやぁー、王族は免除されるものですが、何やら不手際により参加申請が出されてしまったとか!第四皇子様といえば、沢山の噂がありますが、実際はどうなのでしょうか? そして!今回は試験官役として皇太子殿下、第二皇子、第三皇子、第一皇女様、第二皇女様が来ていらっしゃいます!なんと、第四皇子ラピス様を応援しに来たとか!!皇族勢揃いですね!いやはや、緊張してしまいます…!さぁ、何か、コメントを頂けますか!?」


司会者はシリウスにマイクを渡す。まぁ、電気なんていう概念はないから、マイクといっても現実世界にあったようなものではない。魔法で声を反響させているのだ。だが、性質は殆ど変わらない。


「では、私から…。こんばんは、諸君。私、シリウスがラピスについて詳しく語ろうではないか!まず、ラピスはとにかく可愛い!謙虚さを持ちながらも、才色兼備という完璧さを持ち合わせている!まさしく、私の自慢の弟だ!

が、何やら色々と誤解されがちでな…可哀想に…。だから、私はラピスを守るため、日々特訓をしている!王となった暁には、才能あるラピスを側近にでも加えたいものだ!」


得意気に、どや顔をしている。

くそ、イケメンは何しても許されるとはこの事か。


「おぉー!第四皇子殿下はとてつもなく優秀なようです!これは期待できそうですね!ではでは、ロイド様。見極め役としてコメントを!」


 「お前、もう少し静かに喋れないのか。」


ジロリ……と司会者を睨み付けるロイド。


「えっ?あっ、すみません。」


「まったく、これは遊びではないのだ。私は役員として、例え弟だろうが公平に行く。以上だ。」


 会場を静寂が包む。


「…ロイド様は相変わらずですね…。ユリウス様、今の心境は?」


 「うん、物凄くドキドキするよ。何たって愛しい我が弟の晴れ舞台だからね。それに、こんなに沢山の美しいレディ達に囲まれて私は幸せだよ。大輪の花々がこんなにいては、変な輩に摘まれてしまいそうだ…。いっそのこと、全て僕が攫ってしまおうかな。(そうすれば、ラピスに近付く女はいなくなるよね?)」


 主に、女子生徒から歓声が。そして、僕にはユリウスの心の声が聞こえた気がする。


「おぉっーと!会場で倒れた方が数名!!流石、薔薇の貴公子とも称されるユリウス様です!一瞬でノックアウトですね!!」


「当たり前さ。女の子は皆可愛いところがあるさ。どんなに黒い部分があろうともね。私はそんな女性たちも素敵にみえてしょうがない。」


よくも、まぁ…そんなキザで恥ずかしい個と言えるな……。


 「おーっと!またもや歓声が!さて、次は第一皇女エリザ様に!第四皇子ラピス様について、何かお願いします!」


 「そうね…。ラピスはね、見た目が幼いの。いわゆる、美少年というやつね!母性を擽られるというか、天然の淑女キラーよ!お風呂に突入したときは、林檎のように可愛らしく赤くなってたわ。でもね、それは見られたのが恥ずかしいのであって、私には何の反応もなかったわ…ラピスはきっと、女性を大事にしてくれるわ!と言っても、誰にもあげないけどね?」


色気たっぷりのエリザ姉は、とんだ爆弾発言をしやがった……本気で、ほんとにやめてっ!


「爆弾発言ですっ!男子生徒が倒れました!何と、羨ましいっ!成る程、傾国の美女でも相手にならないほど、鋼の精神の持ち主なんですね!」


いや、ただ単に血縁だったからだし。


「なんと、羨ましい状況だったのでしょうか…!では、アメリア皇女。ラピス様への愛はどれくらいありますか?アメリア様と言えば、第四皇子様を溺愛していることで有名ですし!」


 えっ、それ初耳。


 「………」


「…アメリア様?」


一向に口を開かないリア姉に司会は困惑する。


 「………ラピスちゃんは、誰にも渡さない。」


 「……あっ、そうですか…。」


やっと出てきた言葉がそれか、リア姉……。


「愛の大きさ…?そんなものないわ。」


 「どういうことでしょうか?」


うへぇ……何か、嫌な予感がする……。


「ラピスちゃんとの愛が入る入れ物なんて、この世に存在しないの。神よりも、ラピスちゃんは神聖なの。世界の全ては、ラピスちゃんで始まって終わらなくちゃダメなの。」


 「あれ…?えっ、ちょっ……まっ……」


「つまり、ラピスちゃんは神よりも稀少な存在なの…。私の生き甲斐、全てはラピスちゃんだけなの…。ラピスちゃんの事なら何でも知ってるわ…。寝顔も、変な顔も…私のコレクションルームに沢山…。まだまだ足りないくらい。宝石よりラピスちゃん。自分より、ラピスちゃん。私の生きてる意味はラピスちゃんがいるか、いないか…。ラピスちゃんが死んだら、犯人を死んだ方がマシと思うほど苦しめて、ラピスちゃんの後を追うわ。」


早口でよく、噛まずに言えたね……。流石に僕も引くよ…。てか、リア姉が一番ヤバイヤンデレじゃん!?


 「あっ…愛が、強い…ですね…」


ほら、司会者ことルディアスも引いてるじゃないか…!何か、皆視線そらしてますけどぉ!?


「さっ、さて!取り直して…。ここで、第四皇子ルフェニタリ・ラピス殿下に登場してもらいましょう!」


絶っっっ対に、嫌だっ!!!!前置きがダメなんだよ!!!何で最後をリア姉にするの!?


 軽くって言うか、ストーカーだよね!?


恥ずかしいエピソードを人前で語らないで!


何か、凄い盛ってあるし!!!


 出にくい…物凄く出にくいっ!!


「あれー?ラピス様ー?ルフェニタリ・ラピス様ー?あれ、いないのでしょうか??ラーピースーさーまー?」


マジでやめて、司会!!逃げようかと考えていた頃、悪魔の声が聞こえた。振り返ると、かなり離れた位置にいるのに目線があった。


 「ラピスちゃん…いらっしゃい?お姉ちゃんのいうことが聞けないの…?悪い子…そんな所も可愛いけど…早く出てこないと、ラピスちゃんの恥ずかしいお話を皆に聞かせちゃうよ?いいの?」


 「はい、はいっ!ここです!!」


心の中で、静かに涙を流した。

 あぁ…本当に姉には敵わない…っ!


「いい子ね、ラピスちゃん…まるで、子兎ね。」


リア姉の席の隣に、僕はちょこんと座る。隣からのラブコールが凄い。


 「えーと…ラピス様…ですか?」


「…そーだよ。皆の想像と違うでしょ。」


もう、どうとでもなれ。貶すなら貶せ!


「えっ…?そんな事は…」


「別に、慣れてるからいいよ。」


「そんなつもりでは…すみません。」


 「別に、いいよ。」


「ラピスちゃん…自信もって?ラピスちゃんは凄く可愛いよ。モフモフポワポワで可愛いよ…?」


リア姉は黙っててよ!?


 「アメリア様、仮にも男であるラピス様に可愛い、はダメなのでは…」


 「…ラピスちゃんは可愛いの。」


有無を言わさぬ雰囲気に司会者は押されている。


「あっ、ハイ。もう、何も言いません。さて…では、実技試験の前に事前に受けていただいていた筆記試験の結果を発表いたします!!ロイド様、お願いします。」


やっとか。う〜自信はあるけど、心配だ……。


「シルバ学園筆記試験。まず、第三学年の結果を発表する。首席シールフェニカリ・シリウス。」


「ふむ…私か。」


「第二席、クラウディス・リゲル。第三席、エルディアル・ララフォイ。

主席末席、ルディアス・ビリー。以上の者は表彰台へ。首席には国王陛下から可能な限りの願いが叶えられます。


続いて、第二学年筆記試験。首席サークシェアリ・ロイド。第二席クリュニタス・エリザ。第三席ユークエリ・ユリウス。

主席末席エミュリタス・リリー。主席末席リゲル・シュダディス。以上の者は表彰台へ。なお、第2学年の末席は同点で2名。」


あれ、エミュリタス・リリーって主人公じゃ…?第四席がヒロインか。しかも、第四席が今回は二人。


「続いて、第一学年新入生筆記試験首席はルフェニタリ・ラピス。

第二席ルフェニカリ・アメリア。第三席サラダイル・エディス

主席末席シュダディス・カイル。以上の者は表彰台へ。」


えっ、僕が、首席…????

 混乱しながらも首席へ座る。


「以上を持ちまして、筆記試験結果発表を終了とする。尚、第五席からは教室前に結果を張り出す為、そこで確認するように。成績上位に入らなかったものも、入ったものも今よりも精進し、勉学を怠ることのないように。次は、実技試験だ。判定は去年よりも厳しくなっており、反則やズルに関して厳しくする。即退学と思いなさい。実技に関しては騎士団長であるユリウスが執り行う。」


それにしても、筆記試験は殆ど王族が上位に入ってるな…。しかも、第1学年の首席か…。自信ないなぁ。凄い注目されてるし。


 「なぁ、お前。第四皇子だっけ?」


 突然、後ろから声をかけられた。

筋肉ムキムキの怖い顔をした男が。


「えっ?あっ、うん。そうだけど?」


「俺と友達にならないか?」


「…………えっ?」


「ダメなのか?」


「ええぇぇぇーー!?」


僕は周りに人がいるにも関わらず、つい叫んでしまった。


仕方ないよね…?

読みにくかったら、教えてください。

もう少し話を短めにして、話を増やしたりするので。

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