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賢者部3

ふぅー…やっと出来たですよ!更新、遅れてごめんなさいです。

「てな訳で、魔術部では爆発に見舞われ、魔術開発部では資金源扱い…ここにきて、やっとまともだと思えたよ…」

 

「それは…大変でしたね。ここもあまりいい所とは言えませんが……」

 

「ううん……ここはまだマシだよ。静か?だし雰囲気もいいし。天井に張り付いてさえなければ、即入部してたかも。」

 

「まぁ!それは惜しいことをしてしまいました。全てはこの馬鹿…じゃなくて、部長のせいですわ。貴重な人材が失われたのですよ!分かってるんです?」

 

「いま、馬鹿といいかけたな!?」

 

「あらあら。本当に地獄耳ですね!悪口が聞き取れるならば、他の言葉も理解してほしいものです。どうしようもない、頭パンパカパンのポンコツですね!!」

 

「おまっ……!仮にも、令嬢がそんな言葉使うなよ!?」

 

「これが私なのですよ。どうしようもないおバカさんに言われる筋合いはありませんよ?」


「またバカといったなぁ!?」

 

「何度だって申しあげますよ?バカは何をしてもバカなのです。貴方はどうしようもない人間なので、治りっこありませんね。もしまともになれたのなら、今までの態度を改めてあげますよ。」

 

「言質、確かに受け取ったぞ!!」

 

「ええ、ご勝手に。まぁ、期待はしていませんけど。」

 

 睨みあう二人…。いや、何でこんなことになってるの?

 

「あのー…二人とも…」

 

「はい、なんでしょうか?」

 

「なんですか。」

 

「えっ……いや、その…」

 

 二人して鋭い目を向けてくるので、

ちょっと怖い。

 

「あれ……?そういえば、カイルは?」

 

「殿下のお連れの方ですか?あぁ…あそこにいらっしゃいますね。」

 

 僕はローレンス嬢が指を指した方向を見る。


「……え?カイル、何してるの?」

 

 そこには、見知らぬ人(賢者部の人達)と真剣に何かを語り合いながら本を読んでいるカイルの姿が……。

 えっ。君、本読めたの?てっきり、騎士になりたいとか言ってたから、本には興味ない(脳筋)かと思ってたよ……。

 

「ん?あぁ…ちょっとな。」

 

「何か気になる本でもあった?」

 

「んー…そうだな。」

 

 僕はカイルが見ている本を覗き混んでみる。

 

「魔物図鑑?へー…結構細かく書いてあるね。まって、この絵上手すぎない?凄い観察眼をした人なんだね。説明文も初心者でも分かりやすいように纏められてる……ねぇ、作者は?」

 

「えーと…フォラ…っ!?」

 

「なに?なんなの?」


著者名を確認しようとしたカイルが、目を見開く。え、なに。何があったの!!

 

「ふぉ、フォラン・フォアード…」

 

「は…?ごめん、よく聞こえなかった。もう一回いってくれる?」

 

「フォラン・フォアード、だ。」

 

「……見間違えじゃない?ほら、同じ名前の人なんてそこら中に……」

 

「いや、フォアードは家名だから同一人物だろう。」

 

「……じゃあ、書き間違えたんだよ。」

 

「いや、書院が認めてんだから間違えるはずないだろ?現実逃避はやめるといい、ラピス。」

 

「カイルが冷たいっ…!」

 

 少なくとも、五つまであった僕のライフは二つに減ったよ…。なんて弱い心をしてるんだ、僕は。

 

「その本は、確かに部長が書いたものですよ。」

 

 ぴょこっと本を覗き込んできたのはローレンス嬢である。

 

 …ちょっとビックリしてしまったのは内緒だ。

 

「本当だったの?」

 

「はい。」

 

「へー…他にも本を書いてたりする?僕の記憶の中にはなかったと思うんだけど…」

 

「ここにある本の一部は部長が書いたもので、賢者部限定なのです。入部すれば見れますよ。」

 

「え、なにその魅力的な話。」

 

 然り気無く入部を促すローレンス嬢…中々のやり手に違いない。即決してしまうところだった。


元々、僕は賢者の称号を賜っている。

 こういう【書物】は僕の興味を引くの一番の手でもある。本の虫というのは、新しい書物や珍しいものに興味を引かれる。つまり、賢者部は僕の探求心を擽るのに充分であった。

 

「あー、どうしようっ!!」

 

「因みに、入部していただければ…こんなものもついてきますよ?」

 

「ええっ!?これって、アルヴィス・レイトンの新作!?しかも、こっちは限定版で世界に三冊しか存在しないと言われる激レアもの!!これ、どうやって手に入れたの!?皇子である僕でも難しいのに…」

 

 アルヴィス・レイトンという者は、様々な書物を手掛けている偉大な人である。アルヴィス・レイトンの作品は千冊以上で、そのどれもが人気が衰える事はない。中でも、ローレンス嬢が見せてくれた一冊は世界に三冊しか存在しない、アルヴィス・レイトンのもてる知識全てが閉じ込められている為、本の虫にとっては極上の餌である。

 

「実は、アルヴィス様とは親交がありまして。何度かお会いした時に頂いた物なのです。」

 

「へー…凄いね。羨ましいっ…」

 

「ええ、光栄な事に。部員のみが観覧できるのですよ。この他にもアルヴィス様の作品はたくさんありますよ?」


うわぁ、揺さぶりをかけてくるね!!

うぅ…どうしよう。悩む!アルヴィス・レイトンの作品は特に魅力的だ…。


うぅーん…でも、まだ早いよね?


「決めた!保留にする!」


「……」


「……」


「……」


カイル、ローレンス嬢、フォランが可哀想なものを見るような目でみてくる。

失礼じゃない!?仮にも、皇子だよ!!?


「まぁ、いいんじゃないか?」


「えぇ。悩むのは仕方ないこと。」


「優柔不断ではあるがな。」


「んぐぅぅぅ!!!」


僕は奇妙な声で叫んだ後、その場から抜け出した。あんな、あんな目でみなくてもいいのに!!

楽しんで頂けてるです?ブクマ及び、その他の評価よろしくです。


次回からは紹介話がズラッと出てくるので、

一気に二話ほど更新する予定ではあります。


読まなくても大丈夫ですが、紹介文にはちょっとしたネタバレや紹介でしか出てこない人物や設定なども出てくるので、見るに越したことはないです。

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