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迷いに迷う

今回は二日続けて更新ですよ!

私にしては頑張った方なのです。


「うーん……どうしようかなぁ。」


「ラピス、どうしたんだ?」

 

部活の勧誘書を見ながら迷っていると、カイルが話しかけてきた。

 

「うーん…どこに行くか迷ってるんだ。」


「あぁ、部活か。まだ決めてなかったのか。」


「そっ。三つまで絞ったのはいいんだけど、どれにするか迷ってて。」


「ふむ…どれにしたんだ?」


「んーとね…残ったのは魔術部に賢者部、魔術開発部。」


「中々変わった部活だなぁ……」


「だから決めかねてるんだよー。」


「魔術開発と魔術部って一緒じゃないか?」


「違うよ、カイル。魔術部は魔法を極める部活なの。とにかく練習してしまくって、威力あげてどうすれば効率よく発動させられるか、とかね。反対に魔術開発部はその名の通り新たな魔術を開発する部活。現存されている魔法の上位版や新たな魔術。魔力の少ない者でも使える生活魔法等々。それらを試行錯誤し、見つけるのが魔術開発部。」


「つまり、魔術を作るやつと魔術を極める部活ってことか?」


「まぁ、簡単に言えばそうだね。」


「じゃあ、賢者部っていうのは?」


「賢者部には世界各国から集めた書物を読む所だよ。とにかく本を読みまくって知識を増やす。賢者育成部活って名前にすればいいのにね。」


「なるほど、本好きや賢者を目指すものが集まる部活か。」


 「まぁ、僕は既に賢者の称号貰ってるけどさ。まだまだ気になる事があるんだよね。成績優秀者はこの学園の禁書も見せてもらえるし。」


「あー、確かにラピスが興味持ちそうな部活だなぁ。」


「 魔術は殆ど極めてるけど、それ以上を目指すのも悪くないし。自分だけのオリジナル魔法も増やしたいしね。何より、魔力の無いものでも使える魔法を作ってみたいし。」


「……ラピスは目標が沢山あるんだな。」


「……カイル?」

 

 カイルは窓の外をじっと見ている。

 

「ちょっと羨ましいな。俺は、俺自身のやりたいことが分からない。目標がハッキリしてないんだ。冒険者になるのも、俺の夢って訳でもねぇ。」


「……僕も以前はそうだったよ。ただ、平凡に生きてればそれでよかった。でも、初めて町へ視察にいった時、思ったんだ。この国はまだましだけど、他国には沢山の孤児がいる。僕は王にならないけど、微力ながらでもいいからそういう子達の力になりたい。それは皇子として生まれた僕の義務であり、僕の夢でもある。


僕は誰もが幸せな世界にしたいとは思わない。だって、そんなの無理だから。だから、千分の一でもいい。僕は誰かを救いたい。誰かの為に僕は強くなって、この国の為に強くなる。カイルも気付いてないだけで、既にやりたいことがあるんじゃないかな?自分では気付きにくいけど、沢山の人を見てきた僕には分かるよ。……ただ、他人に教えられた所で自分自身が理解してないと、そんなの意味ない。だから、カイル。君はそれを自分で見つけて、掴むんだ。世の中には悪と正義が存在している。でも、僕は全てが悪じゃないと思ってる。皆、何らかの意思を持ってるんだ。それを否定するような人間に、僕はなりたくない。」


カイルは目を見開く。


「っ……ラピスは、本当に変わってるな。確かに、ラピスの言う通りだ。俺は自分では気づかなくちゃならねぇ。なのに、それをずっと否定してきた。ありがとな、ラピス。お前のお陰で

心のモヤが取れた。今なら、確固たる自分の役目がわかるかも知れねぇ。明日からの休暇、俺は実家に一度戻る。その時に、家族と向き合ってみようと思うんだ。休暇明けまでに俺は俺のやりたいことを見つけて見せる。」


「その意気だよ、カイル。でさ、今から見学に行こうと思うんだけど、ついてきてくれない?ちょっと不安で。」


「ぷっ……しょうがねぇな、ラピスは。あぁ、いいぜ。どこにでもついていってやる。」


その時のカイルの顔は、どこか吹っ切れた感じだった。力になれて、何よりである。


「ふっ、持つべきものは友達ってことだね!!」


「あーぁ、ほんと…髪が残念だ。」


顔が見えてればラピスの笑顔を見れたのに、とカイルは心の中で呟く。


「なんかいった?」


「いーや、何も。ほれ、早く行こうぜ。明日からは短期休暇だ。」


「うん、そうだね。じゃあ、まずは魔術部にレッツゴー!!」


「おう。」

誤字報告ありがとうごさまいます。(*^^*)評価などもよろしくおねがいします。そこら辺は私もよく知らないんですけど…誰かが読んでる、って目に見えるとうれしい。

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