新たな協力者と不敵な笑み
「そうでしたね。心に留めておきます。」
『その方がいいよ。君心の中では結構考えてるみたいだから』
「それって常に読めるんです?」
『んー注意してればずっと聞こえてるよ』
厄介な。
『それも聞こえてるからね』
わざとです。この方が楽なんで。
『いやいや、それだと私が喋らない相手に1人で喋ってる変な人って思われちゃうじゃない!』
そっか、そうですね
「じゃあ、ちゃんと声に出します」
『うん。そうして』
「わかりました。ところで、美希さんはなんでも1つ願いが叶うと言われたら何を願いますか?」
『それは…』
「あっ回数増やすとかはなしですからね」
『わ、分かってるよ!』
「それならいいんですけど。」
『願いか……』
「まぁ、次会う時までに考えておいてください」
『何か用事?』
「はい。ちょっと野暮用がありまして。そういえば美希さんの能力って…………いえ、なんでもないです」
『何ー?気になるやん』
「今度あった時にします。そんなに重要な事でもないんで」
『そ?ならいいか。気になるけど。じゃあまたね』
「はい。また今度。」
能力について聞きすぎるのは良くないからな。能力者同士の戦いの時美希さんと戦わないという保証はないんだ。聞きすぎるのはフェアじゃない。
今度あった時に覚えてたら聞くとしよう。
『ばっかだなー聞こえてるって言ってんじゃん。ちゃんと脳みそ頭に入ってんのかよ』
「あなたもあまり関わりすぎるのは良くないですよ」
『誰だお前』
「通りすがりの能力者です。能力はあなたみたいに教えたりはしませんが。」
『んだと!?』
「ま、あなたに指図する義理は僕にもないので助言を聞く聞かないはあなた次第です。その選択であなたの首が締まっても僕にとっては好都合でしかないので」
『(なんだコイツ心も読めねぇし気色悪ぃな)そうかよとっととどっか行けばいいだろ』
「あははキツイですね~ま、邪魔者は早々に退散しますか」
早くしろよ顔だけ良い奴は信用ならねぇなやっぱり。
よし、早く飲んでこの鬱憤をアイツらで晴らすか。
???「変なやつが近づいたと思ったら離れた瞬間狂気な顔になりましたけど…」
??「あいつのあの顔はやべぇ。あの顔は俺らをいたぶる時のだ!早く逃げるぞ」
???「はい!」
こんなやり取りがなされていたとは店から出たあとの僕には知る由もなかった。