04_魔王様、友好に悩む
私は魔王だ。
・・・いい加減しつこいと言われそうだが大事なことなのでな。
とにかく私は魔王なのだ。
最近、各地の鍛冶屋や村長たちが私に立ち向かおうとする気力を無くしてしまったのでな。
新しく各地に訓練所や闘技場を設けることにした。
これで武器や鎧の需要も上がって鍛冶屋の転職も防げるし、我が部下の中には武器や武術に長けた者も多いからな。
部下の運動不足対策になる上に人間の戦力も上がるという良い事ずくめだ。
「魔王様」
ん?・・・おお!待っていたぞ!
どうだ?新たな政策は順調か?
戦士や武闘家の転職希望者とか、欲を言えば勇者候補なんか出てきたりはしてないか?
「それがですね魔王様。
統治された村の中から魔物との戦いを望む人間たちが徐々に出はじめまして・・・」
おお。
「我々の中にも久々に人間と戦いたいという者も多いですし丁度良いかと思います」
なんと素晴らしい!
「ということで魔王様。
近々、人間と魔物の親善試合を行えるように場を設けようかと思っております」
・・・ん?
親善?
「はい。
訓練用に派遣した魔物たちが人間たちと親しくなったようでして、魔物を恐れていた一部の人間たちも考えを改めたようです。
村に魔物の住居権を与えたいという所もちらほらでてきていたので、その記念として友好試合をと。」
・・・・・・・・・ぐすん。