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第4話 困惑 後編

話は少し前に遡る………


第4話 困惑 後編


二人が慌ただしく出て行った音で美月は目を覚ました。


(ん?あの人フレイを忘れて行ってる…楓さんがあれだけ慌てて出て行ったって事は魔獣が出たんだよね。そうなったら多分、必要になるよね…まぁ私が戦う訳では無いんだろうけど…)


はぁ、と溜め息を吐きながら美月はフレイを手にして司令室に向かう事にした。

魔法少女として戦ってきて何体もの魔獣を倒してきた彼女にとって先の戦闘での初の敗北は心に深い傷を残していた。


(あの魔獣…凄く強かったなぁ。本当に死んじゃうかと思ったくらい…でもあの人はたったの二回の攻撃で倒しちゃうなんて…)

「なんか自信なくしちゃうなぁ」

[なんの自信がなくなるのですか?]


突然フレイが語りかけてきてちょっとびっくりしながら、フレイが話しかけてきてくれた事に内心で嬉しく思う美月であった。


「いや、なんかさ…あんな強い人が魔法少女になったならさ、私とかもう要らなくなっちゃうんじゃないかとか思えてきちゃって…ちょっと落ち込んじゃってたんだよね」

[確かに、輝の魔力は凄まじいですが、貴女の魔力も相当な物なんですよ。私とは相性の問題で本来の力を発揮出来ませんでしたがもう間も無く完成する貴女専用のデバイスを使えば、きっと良い活躍ができますよ]

「そう…かな。うん…そうかも!ありがとフレイ。お陰で元気出てきたよ」

[それは何よりです。美月には元気な笑顔が一番似合ってますからね]


そうこうしている内に司令室の前に到着した美月は入室の為の電子ロックを解除しようとしてると中からこんな声が聞こえてきた。


「それなりの金額は貰いますよ」


何時もの美月であれば然程気にしない言葉であったが何故か今だけはやたらと心に引っかかってきた。


(え?何を言ってるの?お金を貰いますよって…え?なんで?あの人はまさかお金の為に戦おうって言うの?そんなの許されるの?魔法少女は皆の平和の為に戦うものじゃないの?)

[美月?どうしたのですか?顔色が悪いですよ?]


突然、険しい顔になった美月に対して心配そうにフレイは尋ねた。


「ねぇフレイ?魔法少女ってさ…皆の平和の為に…正義の為に戦うものなんだよね?」

[いきなりどうしたのですか?まぁ美月の言う通り魔法少女は正義の為に戦う戦士ですが…]

「じゃあ、あの人は魔法少女じゃないね…お金の為に戦うなんて間違ってるもの」

[いや、間違いでは無いと思いますよ?人が生きる上でお金も大切な物ですから。それに美月だって報酬は貰っているでしょう?]

「フレイは黙ってて‼︎私はあくまでも人を守る為に戦ってるの‼︎お金の為なんかじゃ無い‼︎お金を稼ぐ為に戦うような人に魔法少女をやる資格は無いのよ‼︎」

[それは言い過ぎだと思]


ガンッ 地面に思い切り叩きつけられたフレイは一時的に機能を停止してしまった。


「黙っててって言ったでしょ?そうよあんな人になんか任せられない。私が戦う。そして正義の魔法少女になるんだ」


言っている事が段々と滅茶苦茶になってきた美月は司令室のドアを開けて中に入っていった。

美月が居なくなり静寂に包まれた廊下に黒い影が現れてこう呟いた。


「こうも簡単にいくとは…さてこれから面白くなりそうだ…ククク…」


ピエロの様な不気味な仮面をした黒ずくめの男?は音も無く誰にも気付かれずに姿を消した。


「魔法少女は、私だけでいい‼︎貴方なんか必要ない‼︎マジカルッチェーンジ‼︎」


司令室で輝に言い放ち、変身の掛け声をあげた美月であったが…。



突如、暴走しだした美月に困惑する一同。

しかし美月は変身出来ないでいた。そんな美月の胸元から、本来聞こえるはずのない声が聞こえてくるのであった。


次回 「雷光」


絶望をかき消す雷鳴が鳴り響く‼︎

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