表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/32

第4話 困惑 前編

「状況は?」

「司令遅いですよ!取り敢えずまだ誕生したばかりなので、あまり活発ではありませんが近い内に餌を求めて地上に降りるでしょうね」

「そう…それじゃ動き出す前に此方から叩きに行くしかないわね」

「しかし新しい魔法少女はまだ…」

「なんじゃこりゃぁあああ‼︎」


第4話 困惑 前編


魔獣出現の報せを受けて司令室まできた楓に何となくついてきた輝であったが、そこで見た本物の司令室に興奮を隠せずにいた。


「スッゲェなこれ!マジの司令室じゃん!よくアニメとかである奴じゃん!モニターデカっ!オペレーター何人居るんだよこれ!あとあの意味深なゲートも何だよ‼︎」

「えぇと…この娘は一体どちら様ですか?もしかして…司令の隠し子⁉︎」

「はっ倒すわよ?この子こそが新しい魔法少女バーニングハートこと火野輝くんよ」

「え、くん?珍しいですね司令が女の子をくん付けで呼ぶなんて」

「貴方、報告書見てないの?見た目はこんなだけど中身は男…らしいわよ」


そう言って改めて輝を見た楓であったが、どこからどう見ても男口調の女の子にしか見えなかった。


(実際に男の時の姿を見てないから未だに信じられないわね…)


楓はそう思いながらも、今は魔獣をどうにかすることに思考を切り替える事にした。


「輝くん、突然で悪いんだけど今から魔獣と戦ってきてくれないかしら」

「待って下さい司令!いくら強力な魔力を持っているとしてもまだ素人なんですよ⁉︎幾ら何でも無謀過ぎます‼︎」

「あら?そんな素人があれだけ強力な魔獣をたったの二発で仕留めたのよ?」

「そ、それは…そうですが…」

「え?あの魔獣そんな強かったんすか?」


先程まで初めて見る司令室に目を輝かせていた輝は、強力な魔獣と言う単語に反応してようやく素の状態に戻った。


「えぇ、美月ちゃんがほぼ手も足も出ずにやられそうになるくらいにはね」

「ふーん。ってかその美月ちゃんってのがあんま強くなかったてぇ事はねぇんですか?」

「残念だけどそれは無いわね。現時点でM.G.S.Cが発見した魔法少女候補の中では最高の魔力を持っていたし、戦闘のセンスもかなりの物だったわ。これまでも10体以上の魔獣を倒しているし経験不足と言う訳でも無いのよね。それくらいあの魔獣は規格外の強さだったのだけど…」

「あ、もう大丈夫です。何となくわかったんで。でもそんだけ強いなら今出ている魔獣を倒しに行くのは俺じゃなくても良いんじゃないっすか?」

「今回の魔獣も前回に出てきた魔獣に匹敵する程の魔力を持っているの。それに美月ちゃんは前回の戦いで負傷しているわ…本来ならまだ、殆ど訓練も積んでいない輝くんに行ってもらうのは気が進まないんだけどね」

「成る程…わかりました。但し条件が二つ程あります」

「何かしら?私達に出来る事なら何でもするわよ」

「一つは報酬について、幾ら俺が強いって言ってもあんな化け物と戦うんだ。それなりの金額は貰いますよ。そしてもう一つは…」

「男に戻せ、でしょ?その点はご心配なくフレイの中にあるデータを読み込んだ結果一度男から魔法少女になった場合3時間のインターバルを開ければ男に戻れる、らしいわよ試しに戻ってみる?」

「いや今から戦いに行くのにわざわざ戻る必要はねぇでしょ…ま、戻れるってんなら一先ずはそれを信じときますかね。さーてそんじゃ…あっフレイ病室に置きっぱだったわ」

「探しているのはこちらですか?」


と、フレイを持って美月が司令室に入ってきた。


「ん?おぉ悪い悪いわざわざ持ってきてくれるなんてな…フレイも悪かったな忘れてきちまって」


そう言って美月からフレイを受け取ろうとする輝であったが、なぜか美月は差し出した手を払いのけた。


「痛っ!何しやがんだよ‼︎」

「貴方は魔法少女に相応しくない…私が変身します。守銭奴はすっこんでて下さい」

「ちょっと美月ちゃん⁉︎急にどうしたの⁉︎」


美月に一体何が起きたのか…そしてなぜフレイは一言も喋らないのか…


後編へ続く。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ