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第16話 家族

「そっちいったぞ、決めろ雷葉‼︎」

「了解兄ちゃん!おりゃぁぁぁあ‼︎」


第16話 家族


シャドウハートツヴァイとの戦いから1カ月程の時間が経った。

一度は生死の境を彷徨った輝であったが、蓮の作った装置のお陰で特に後遺症もなく今日も元気に魔獣退治に勤しんでいた。

そして今日も現れた魔獣に対し雷葉と2人で出撃し、あと一歩まで魔獣を追い込みトドメを雷葉に任せた。


「雷光…電滅撃‼︎…ふぅ、一仕事終わりだね」

「あぁ…それにしても今回は久々に手こずったな」

「そうかな?むしろ2人掛りだったから何時もより楽だった気もするけど…まあ、そんな事より早く帰ろうよ、今日は家に帰れる日なんだよね?」

「ん?そういやそうだったな。よし、楓さんに報告してちゃっちゃと帰るか」


今日が土曜日で自分が家に帰れるのをすっかり忘れていた輝は思い出したような仕草をしてから家に帰る為、転送された地点に足を運んだ。

転送地点から本部に戻った輝は、楓に報告をした後帰る支度と美月などの一部の人物に挨拶を済ませてから雷葉と合流した。


「も〜遅いよ兄ちゃん。早くしないと響子ママに色々言われるよ?」

「なんだよ色々って…あぁうん、そうだな色々だな…」


輝は自らの母親の面倒くささを思い出し、突っ込むのをやめた。その事をこの短い期間で嫌でも叩き込まれた雷葉も新しい母親の面倒くささを思い浮かべていた。


(ちょっと遅くなるとなんで遅くなったの?とか、なんで連絡しないの?とかしつこいんだよな〜心配してくれるのは嬉しいんだけど…)

(一つの事で十個くれぇお小言が来るんだよな…いやはや本当に…)

「面倒くさい母親 (ママ)だよ(ね)…」


そこで言葉が被った2人は何方からと言わずに揃って笑い出していた。それだけ雷葉も火野家の一員として馴染んでいっていた。


「そういや親父とは上手くやってるよな?ま、あれに対して気を使うなんてこたぁ無いと思うがな…」

「あれって…勝頼パパが聞いたら泣いちゃうよ?でも…うん、仲良くしてるよ。顔は恐いけどすっごく優しいんだもん。昔からあんなに優しかったの?」

「うーん…優しいってか、甘いってか…ま、母さんよりゃ優しいんじゃねぇのか?」

「そだね〜響子ママ怒るとすっごく恐いもんね…まさかあの家に行って3日目で怒られる事になるとは思わなかったよ…」


雷葉は自分が火野家に行ってから3日も経たず怒鳴り散らされた事を思い出していた。


「それは初耳だな…ってか何やったんだよお前…怒られるの好きだな本当…もしかしてドM?」

「違うよ‼︎…確かこんな感じだったかな…」


そうして雷葉は初めて響子に本気で怒られた事を話し始めた。

ーーーーー

あれはあたしがまだ来たばかりだった頃…なんかね、どうしても気を使っちゃって、どっかぎこちなくなっちゃって…勝頼パパはね?ゆっくり慣れていけばいいって言ってくれてたんだけど…響子ママは違ったみたいで…いつまで他人の家の子のつもりだって、そんな緊張させる為に家に連れて来たわけじゃないって…すんごい恐かった。そして間に入った勝頼パパとも大喧嘩。思わずこの家に来たの失敗だったかな…って思っちゃうくらい恐かった。でもね、それくらいこの人達は本気であたしに向かい会ってくれてるって、そうも思えて来ちゃって。なんか気を使うのが逆に失礼だなって。で、変身して喧嘩を止めた後気を使ってた事を誤って、その後みんなで楽しくご飯を食べました。おいしかったです。おわり

ーーーー

「うん…うん…どうしよう…うん、もういいや。考えるのは止めよう」


突っ込みどころの多過ぎる雷葉の回想に、輝は取り敢えず考えるのを放棄した。

そんな感じのやり取りをしていたらいつの間にか家の付近まで来ていた。


「さーて、そろそろ着きそうだな。こういう時、車でもありゃ楽なんだがな…」

「え?車ならあるじゃん。あの…ほら、トラックみたいなの」

「トラックであってんぞ。それ以前に免許持ってねぇんだけどな。まあ金も貯まったしぼちぼち取りに行くかね…」

「…免許取りに行く時どっちで行くの?」

「どっちて、そりゃあ…どうすっかな…取れっかなこのまんまで…」

「最近あんま男に戻んないよね。そのまま生きてく事に決めたの?」

「違ぇよ…単純にこのままいりゃあ、いざって時にいつでも戻れるからな…でもな…フレイ、いつでも戻れるようにならねぇのか?」

[無理です。諦めて下さい]


即答された輝は溜息を吐きながらも、現状がそこまで悪くないと思っている自分がいる事に気付き再び溜息を吐いた。


「溜息ばっか吐いて〜幸せが逃げちゃうよ?」

「安心しろ…現在進行形で逃げまくってるからな…ああ…このまんまじゃ結婚はおろか彼女だってできねぇまんま一生を終えるな…はぁ…」

「…いっそ彼氏を作れば?」

「埋めるぞ、この馬鹿」


冗談にならない冗談を言われた輝は若干、強めに突っ込んだ。

そんなこんなでようやっと家にたどり着いた輝と雷葉だったが、家の中から両親の怒声が聞こえて来た為、一気に引き返したくなった。


「…なんで、喧嘩してんだよ…やだよ面倒くせぇよ…帰りてぇってここ自分家だよ…ふざけんなよ…」

「…どうする、外食でもする?それとも…」

「…はぁ、しょうがねぇ…止めるぞ。覚悟はいいな、雷葉!」

「…まぁそれが一番いいよね…行こう兄ちゃん‼︎」

「変…身‼︎」「電着‼︎」


2人の声が重なった。今、ある意味魔獣よりも手強い相手と戦う為に金と赤、2人の魔法少女が並び立つのであった……

すっかりM.G.S.Cに慣れた輝の前に新たなる魔法少女候補が登場する。しかしそんな彼女の使う予定のデバイスは一癖も二癖もある代物だった。


次回 「覚悟」


弱さを乗り越え、強くなれ‼︎

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