異世界生活?1日目
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俺は今部屋の少し硬いベッドの上で寝転んでいる。
あれからおじさんに、今日は1日休むようにと言われ、用意されていた1人部屋に案内された。
''よし、ちょうどいい機会だ。少し知識の整理をしよう''
慌ただしくことが進み、無理やり大量の知識が入ってきたことで、正直頭の中はごちゃごちゃしている。
''とにかく、このファウンドは魔法があって、魔とかいう、魔物みたいな存在がいて、でも今はそことの対立はあまり激しくなくて…えーっと…んー、まあ世界に関してはこんな感じか''
ファウンドは俗にいう、ファンタジーみたいな世界らしい。魔法もある、魔物もいる、あっ、あと冒険者とかもいるらしいな。へぇ、学校もあるのか。
世界的には…んー、のどかな田舎レベルが一般的で王都は中世ヨーロッパの城西都市みたいな感じか。
''すごいな…見たこともないのに、まるで一度目にしたようにわかるぞ…''
そんなこんなでファウンドの現状については大方理解することができた。
『にしても、魔法か…俺にも使えるのか…少し楽しそうだ』
日本で、一度は夢見た魔法が使えると知った今、正直興奮してしまう。まあでも、魔法に関してはおじさんが言うには後日授業があるらしいので、それまで我慢しておこう。
''よし、まず1番の問題を片付けなきゃな。''
ここまで、現状把握で精一杯だったものの、それがひと段落したとなれば、やはりまず気になるのは、なぜ日本にいたはずの自分が、このファウンドにいるのかと言うことだ。
''他の子供たち、あの様子からすると俺とは違って普通に”生まれた”存在なんだろうしな…''
そう、この部屋に来るまでの間に、他の子供たちの会話や状況を観察して見たのだが、やはり明らかに年齢そのままの、何も知らない子供だと言うことがわかった。しかし疑問なのは、皆日本語を話していることだ。知識を植えつけられる前から、子供たちは日本語で「ここどこだろー」「こわい…」など、話していたのだ。
''もしかして、少なからずなにか日本と関係があるのか…''
この時の俺は、この程度の疑問しか持つことはなかったのであった。
・・・・・・
そんな怒涛の1日から翌日。
俺たちは教室のような部屋に集められていた。
部屋の前、壇上のようなところには知らない淑女…もといおばさんが立っている。
なんだか、ほわほわしたおばさんだな。ステ◯おばさんみたい。なんて思いながら、おばさんの話を聞く。
『みんなこんにちは、私の名前はステラ。この教会でシスターというお仕事をしています。今日からはみんなにこの世界の知識で知ったであろうこと以外の必要なことを教えて行きます。あ、ビルダーさんはここのシスターをまとめている人なのよ。今日はいないけど、不安がらないで大丈夫よ』
おばさん…ではなくステラさんはそうい言った。
''………俺は何もつっこまないぞ。。。
というか、あのおじさん、ビルダーっていうのか…細いのに…''
ステラさんは、日本でいう先生のような扱いになるらしい。優しそうだし、これは少し安心したな。
『じゃあ今日は、まずみんなに自己紹介をしてもらおうかな。昨日はみんな驚いて、できていないでしょう?』
確かに、周りの子供たちのこと話を観察してはいたが、まだよく知らないな。
『よし、それじゃあ、前の君から順番にやっていこうね』
ステラさんに指名された少年は一瞬ビクッとしながらもゆっくりと立ち上がり、皆の方を向いて話し始めた
『僕の名前はアランです。えっと、よくわからないけどなんとなく釣りが好きなような気がします。ユニークスキルはメモリーっていうやつらしいです。よろしくお願いします』
おぉ、昨日おじさ…じゃなかった、ビルダーさんに質問してた少年はアランと言うらしい。てか、釣りが好きなような気がしますってなんだよ…ユニークスキルも教えちゃってるし…。5歳の割にしっかりと自己紹介していたと思ったが、やはりまだ子供だな。
おっと、次の子か
『私の…名前は、、レ、レイラって言います…
その…ユニークスキルは…影っていう、隠れるやつ…です…そ、その……あぁっもう無理っ』
ガタンッうぅー…
レイラちゃん…は恥ずかしがり屋らしい…最後は恥ずかしさからか焦って座って顔を伏せてしまった。
にしても影とは…なんか、性格にあったスキルになるのかな…
・・・・・・
そんなこんなで、自己紹介は順調に進んで行った。
はじめの2人以外で印象に残ったのは、とにかく早口なハヤトというか少年と、まるで西洋の美人さんをそのままちっちゃくした感じの、お人形さんみたいな女の子、ルーシーぐらいか。
ちなみにハヤトのユニークスキルはスピードで、ルーシーのユニークスキルは魅了らしい。
そして、一番最後に俺の紹介の出番がやってきた。
''ふっ、俺は就職活動で何度もくじけずにアピールをしてきた経験があるんだ。こんなの余裕だせ''
おい、これ、フラグじゃないか。。なんて思ったのは1日が終わって寝る前のことだったが…そうなること知らず、俺は立ち上がった。
『みなさんこんにちは、僕の名前は…………』
''俺の名前…?そういえばステータスウィンドウみたいなのには設定してないってなってたな…''
や、やばい。考えてなかった。みんな見てる。これはやばいぞ。
『お、俺の名前はえ、えーっとエル…だ。そ、その…よろしく頼む…ユニークスキルは、創造だ。』
''あぁっ、恥ずかしすぎる。穴があったら入りたい……なんだよエルって…咄嗟に出てきた名前がこれなのか…まあでも…ユニークスキルを偽ったのはまあ、いい判断だったな…でも、あの焦り方で変な奴って思われてそうだ''
『よし!みんなの自己紹介は終わりね!これから5年間、みんなで仲良くやっていきましょうね』
ステラさんはそういって、今日の授業?を締めくくった。
ステラさんの言葉の後、子供たちは互いにお話を始めた。やはり俺の周りには誰もこない。
''そ、そりゃそうだよな…あんな様子じゃ、誰も来るわけないか…''
そんなふうに思い、さっさと部屋へ戻ろうと立ち上がろうとすると…
『おい!トエル!だっけ!よろしく!俺ハヤト!とにかくよろしく!うん!よろしく!』
嵐のような勢いで急に話しかけてきてまくしたててきたのは、早口ハヤトである。
『う、うん、よろしくねハヤト君』
ハヤトは足早に次の子供へと向かっていった…
''元気だなぁ…さすが子供…''
これは…なんともおっさん発言である。自分の歳を思いだし少し気分が落ちる。
『あ…あの…トエル…君?だよね…その…よろしく…あの…その…トエル君とは、同じものを感じるの…よろしくね…』
また急に後ろから話しかけられ、振り向くとピューッとレイラちゃんは走っていってしまった。
''急に話しかけられてびっくりした…ていうか同じものって…もしかして、緊張しやすいとか思われたのかな…面倒な。''
なんだかんだ言いながらも、俺は他の人に話しかけられて少し安心していた。
''……その…これもスルーしていたが、、ハヤトのは早口だから聞き間違えかと思ったが…今のレイラちゃんので確信した。
俺の名前…エルじゃなくてトエルだと思われてる…''
ま、まじかよ…まあ大して変わらないけど…
そんなこんなしているうちに、教室からはまた1人、また1人と部屋へと向かうのか教室から出て聞く。今女の子が出ていったことで、教室には俺だけが残っていた。
よし、遠慮なく言葉を口に出せるな。そう思いだから、独り言をブツブツと言い始める。
『はぁ。名前間違えられた…まず焦って名前のつけかたも間違えたな…』
先ほどの反省をしながら、俺は右手に力を入れて念じる。
『おお、出てきた出てきた。名前を登録したから多分更新されているだろう!』
・・・・・・
俺は焦っていた。いや、困惑していた。
そう、俺の名前がなんとも、エルからトエルになり、そしてステータスゥンドウのようなやつでは、なんと「とエル」となっていた。
うわぁ…これ、変更できそうにないぞ…
そんことを思いながら、ファウンドでの生活1日目が終わろう出していた。
ご覧いただきましてありがとうございます!
眠いです!^_^