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僕と美人の召使い・・・と異星人  作者: shimaumatousagi
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第3話 不時着    (呑気な青年)


ここは太陽系第三惑星、地球。

しかも日本。


その日本にならどこにでもありそうな1000m位の山の中、七合目あたり。

一人の青年が肉体改造の一環で呑気に山登りを楽しんでいた。

年は21歳のこの青年は、今年の4月から大学4年生となる。

大学では工学部を専攻しており、部活やサークルには入っていない。

ちょっとオタク臭も感じなくはないが、どちらかといえばイケメンで真面目な良い青年だ。

本人はオタクではないと思っているようだが、アニメがとても大好きだ。


「やっぱり山はいいよなー」

「解放感が全く違うね!」

「景色も良いし、いつもは味気ないコンビニおにぎりがめちゃくちゃ美味い!」

「これが彼女の手作りだったら本当、最高だろうな。デヘヘへ」

(ちなみにこの青年、生まれてから今まで彼女は出来たことが無い。)


ドドドドドドドドーーー


「わーー 何だ何だ???」

「いきなりすごい地響きがしたぞ。」


良く晴れたとても清々しいい山の中。

何かが飛んできたわけでもなく、突然の衝撃がこの青年の足元を襲った。


「もしかしたら温泉でも噴き出したのか?」

「すげーよ」

「第一発見者かも!!」


ロルが乗った宇宙船が不干渉モード(ステルス機能といえばわかりやすいだろうか)でこの山に激突した衝撃だった。


「ロル・・。ロル・・。大丈夫ですか?」


ロルは衝撃で気を失っていた。

心配する人工意識のリセ。


「身体スキャンを開始します。」


リセはロルの身体をスキャンして損傷を確認。

幸い、重篤な損傷は全くない。

衝撃による身体組織の一時的な機能低下のようだ。


「1時間前のデータをもとに自己修復モードレベル1を作動します。」

(シューーゥ)

作業は一瞬で終わり、ロルの体をリフレッシュさせた。


「ロル。ロル。 起きて下さい。」


「ああリセ」

「大丈夫だよ。 問題ない。」


ロルはすっかり回復した。


「しかし、かなり激しく衝突したな。」

「船体の損傷はどれくらいだ」


「はいロル。外部損傷は免れましたが、内部システムの71.2%が機能停止しています。」


「そんなに・・・」

「この船がこんなにひどい状態になるとは・・・」


「しかし、今回の原因な何だったんだ?」


ロルは自分の星の科学技術に絶対の自信を持っていた。

だから、今回の事がどうしても信じられないでいた。


「はいロル。今回はエネルギー無限供給装置の亜空間キューブを支えている12本の支柱中、6本が同時に破損しました。」

「その結果エネルギー供給が不安定となってしまったために、システム全体が正常に働かなくなりました。」


「同時に6本? しかもエネルギー供給装置にそんな機械的な箇所があったの?」


「はいロル。度々起こっていた警報の一つに船体のひずみによる微振動発生がありました。」

「その微振動が知らず知らずに支柱に集中し、疲労破壊にまで発展したことが原因です。」


ロルは軽く絶句してしまった。


「やはり完璧というのはありえないということか・・。」

「技術の過信は禁物というこだね・・・リセ。」


「はいロル。」


「今回の改造では、その辺の対策もしっかり頼んだぞ。リセ」


「了解しました。 ロル。」


― でも改造にあたり一つ大きな問題がありました。


「問題がある?なんなの?」


「はいロル。破損した支柱を作製するためのエネルギーが足りません。」

大量のエネルギーを使う原子構築製造装置が稼働出来ない状況であった。


「えーーっ」


不安定となったエネルギー発生装置からの供給は、現在さらに少なくなっており最低限の機能を働かせるだけで一杯一杯であった。


「どうしたらいい?リセ」


「はいロル。支柱はこの惑星の知的生命体に頼んで現地調達するしかありません。」

「強度低下が確認される3本を合わせ、9本必要となります。」


「えーーっ」

「この惑星の生命体と接触するってこと!!」

「あの毛が生えた生き物だろ!この惑星の知的生命体は。」

「しかも、他惑星生命体との接触は法律違反だし・・・ブツブツ」


そんなことになるとは思わなかったロルは焦って動揺してしまった。


「ロル仕方ありません。もうすでに我々は罪を幾つか犯しています。」

「ロル。早急なご決断とご指示をお願いします。」


気乗りは全くしなかったが、こういう状況なので渋々ながら了承したロルであった。


「しかし、どうやって現地知的生命体と接触し支柱9本を手にいれようか?」


良い案が思いつかないロルは困ってしまったが、リセがロルに提案した。


「ロル。ちょうど今、こちらに向かってくる知的生命体と思われる一匹の生き物がいます。」

「この生き物を利用しましょう。」


「えっ 本当に?」

「スクリーンに映してみてくれ」


ブーン(映像が起動)


そこには先ほどの呑気な青年がこちらに向かってくる姿が映しだされた。





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