第2話 激突 (あと 12秒!)
ビービー
ビービー
ビービー
静かな船内に警報音が響いた。
「また警報なの?」
「目が覚めちゃったよ。」
「リセ。現状報告を!」
ロルが慌ただしい中で目を覚ましたのは、長期睡眠装置に入ってから1.65年ほど経った時でした。
それは修理の場としてとりあえず目指した惑星に到着した時でもありました。
「おはようございます。 ロル」
「現在とても頻拍した状況となっています。」
寝ぼけながらも今一つ状況がわからないロル。
「そうみたいだね。リセ」
「大丈夫そう?」
その時、ガタガタと船体が大きく揺れた。
いつもとは違う異常にロルは長期睡眠装置から飛び起きた。
「オワァーー!!」
「うそだろ・・・。」
「ロル。お目覚めしたばかりで申し訳ありませんが、状況把握できましたか?」
「そうです。本船は惑星に激突しようとしています。」
それはちょうどロルが乗っている船が惑星の大気圏突入時に発生した。
メンテナンスが必要とは理解していたが、この状況にロルは心底驚いた。
「攻撃以外でこの船がこんなに酷い状況に陥ることがあるのか・・・・?」
「リセ。」
「なぜこれくらいの惑星の重力に対応できていないんだ!!」
「はいロル。エネルギー発生装置の出力が、惑星突入準備とともに急低下しました。」
「その後も回復に至るどころかさらなる低下が続いています。」
「そのために、船体の反重力発生装置の出力不足となり、惑星の重力に船体が大きく引っ張られています。」
驚くロル。
「エネルギー発生装置が壊れたりするのか?」
「完璧な装置の一つではないのか?」
「しかもこのタイミングで?」
どうしても信じられないロル。
「衝突までの時間は?」
「はいロル。 あと12,2秒後です。」
「あと 12秒!?」
慌ててロルが船の外を見ると、大きな大地が目前に迫っていた。
「リセ。耐衝撃装置は?」
「ロル、安心してください。 耐衝撃装置は可動しています。」
「何とか不時着出来そうです!」
(不時着? 本当に大丈夫なのか・・・)
そんな雰囲気ではなさそうだが、もう考える時間もない。
「リセ! あとは任せたぞ!」
「了解です。 ロル」
一瞬,
空気が止まっってしまったような静寂が不思議なほど船内に広がった。
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ドゴーーン
ドドドド
ガガガガ
ズコーーーーン
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