第19話 決断 (お前の判断で乗り越えろ!)
ユナとの関係を親密なものにするために、色々な妄想と葛藤の中で一人悶々と悩んでいた凛であったが、そこにX国からのミサイル攻撃を受け一気に現実に引き戻された。
「ロル。A国が発射した42個の攻撃兵器が間もなくX国に到着します。」
A国のミサイル駆逐艦及び原子力潜水艦から発射されたトマホークミサイル全弾が、X国軍事施設及び重要施設に容赦なく襲い掛かった。
リセは引き続きロルに状況を説明した。
「今、全ての攻撃兵器が命中しました。」
「X国の軍事力は今回の攻撃で一気に12.7%まで低下しました。」
ロルはスクリーンの映像を見ながら黙ってリセの説明を聞いていた。
(すごい・・・、どこも木端微塵になってしまった・・・)
凛も一緒にスクリーンを見ながら唖然としたが、X国はもう反撃出来ないだろうと思うと少しほっとした。
「一体、何のための攻撃だったのでしょうか?」
リセに聞いてみた。
「今回はX国の反政府組織に賛同した軍の犯行です。」
「あなたの国を攻撃し反撃させる事で、現独裁政権の転覆を図ったものです。」
「今、独裁者の元からは重要閣僚を含めほとんどが逃げ出している最中です。現政権は間もなく崩壊するでしょう。」
「その仕上げとしてA国は残りの掃討作戦及び独裁者殺害と臨時政府の設立、日本は囚われていた自国民の救出と治安維持活動に向け次の作戦に入ります。」
リセの説明通りX国の独裁者はA国特殊部隊Team6の電光石火の作戦により殺害された。
そしてA国管理化の元で臨時政府樹立を発表した。
自衛隊は囚われていた人達を無事に救出し、治安維持のための活動を開始した。
俺には正直、何が起こっているのか分からなかったが、取りあえず終わった事に安堵した。気が付けば外はもうすっかり暗くなっていた。
(もう夜か・・・)
(あっという間の一日だったな・・・)
と安堵している凛にリセが言った。
「リン。まだ終わりではありませんよ。」
「この戦いはこれからが本番です。」
(???・・・)
するとY国政府スポークスマンが声明を発表した。
「我々の同盟国XにA国ならびに日本国が行った軍事作戦に対し、厳重に抗議すると共にX国からの即時撤退を要求する。」
Y国はA国による占領行為は絶対に認められないようで、全世界に向けて怒りの反対を恫喝も交えて訴えた。
またリセがロルに説明を始めた。
「ロル。強硬派の軍部は攻撃準備に入りました。」
「Y国政府も軍部を抑えきれないようです。」
「まもなく2000発の攻撃兵器が日本とA国軍事基地に向け発射されます。」
(2000!!・・・・・)
あまりの事に言葉を失った。
今度はロルがあまり見せない真剣な顔で話しかけてきた。
「リン。我々はこれ以上この惑星の重大案件には介入出来ない。」
「申し訳ないがわかってくれ。」
(・・・・・・・)
血の気が引いた。
(じゃぁ どうしたら・・・・)
最大限に絞り出した小さな声で、一縷の願いも込めロルに聞いた。
「お前が何とかするしかないだろう。」
(???)
「前に言わなかったか?」
「ユナにはこの惑星に存在する全ての軍事力を凌駕する力を持たせてあると。」
「この惑星の住人である、お前の判断でこの危機を乗り越えろ!」
「わかったな。私が手を貸せるのはここまでだ。」
するとユナが言った。
「凛。ご命令を!」
(!・・・・・・・・・)
凛はどうしていいのかが全く分からずに、その場に立ち尽くした。




