第15話 召使いと初めてのデート? (光学迷彩で回避だ!)
宇宙船の修理中に滞在する場所を心配した凛は、自分のアパートにロルを誘った。
ロルは宇宙船の側に滞在施設を作るつもりだったが、凛の提案を快く受ける事にした。
アパートの場所をリセに説明すると、瞬間移動で自室の玄関先に連れてきてくれた。
「ちょっと散らかっていて狭いですが、皆さんどうぞ入って下さい。」
そう言って凛は3人を中に案内した。
「小さな部屋だなー それにかなりの動物臭だな。」
「おうぇー」
ロルはかなり不愉快そうで、文句タラタラだ。
凛も年頃の男子なので、みんながそう思っていると考えるとだんだんと恥ずかしい気持ちで一杯になった。
「はいロル。そう言わないであげて下さい。」
「リンは哺乳類科の動物ですので、我々の体臭とはかなり違います。」
「少し我慢をしてもらえると助かります。」
「一応、消臭、殺菌、片付けはしますね。」
とエロくて美人なリセが答えると、あっという間に部屋が綺麗になり無臭になった。
そしてロルが座る椅子も配置された。
その辺に散らかしていた物も全て消えてしまったようだったが、凛は何も言えなかった。
「しかし狭いな。それに植物などの自然のものをかなり利用した建物だし・・。」
「大丈夫なのか? ほとんど外で暮らしてるのと同じじゃないか。」
凛はもう黙って聞くしかなかった。
「リセ。この部屋をちゃんと生活できるように変更しよう。」
「了解しました。」
そう言うと部屋が驚くほど広がった。
元々の部屋は8畳ほどだが、どうだろう 縦100m×横100mくらいに広がった。
凛はビックリし慌てて外を確認したが、外周りに関しては特に変わったところはなかった。
「リン。安心して大丈夫です。ここの空間だけを少し引き延ばしただけですから。」
とエロくて美人なリセが教えてくれた。
「ああ、そうなんですね。」
どうなってるのかよく分からなかったが、凛はそう答えるしかなかった。
「リセ。じゃあ、広くなったこの部屋をもっと住みやすいようにしてくれる。」
「面白いから今回は、この惑星仕様でお願いするよ。」
「宇宙船の召使い達もここに呼んどいて。」
「そうそう、召使い達は今回ここの生命体と同じ姿にしといてね。雰囲気を味わいたいから。」
そうロルが言うと、部屋の中がロマネスク様式風になり幾つかの部屋に区切られた。
「なんだ? ここ何処だよ?」
「ヨーロッパのお城の中みたいになっちゃたぞ!」
(・・・・一応ここは日本なんだけど。)
とか思っていたら、これまたメイド服姿の召使たちが揃って美人な姿に変換されて続々と現れた。
「おおっーー」
(なんだ!? なんだ!?)
それを見た凛は思った。
(ここは天国になった。)
そして宮殿のような作りの部屋に、立派な長テーブルが配置された。
その端と端にそれぞれ座ったロルと凛。
ロルの横には秘書のような感じでエロくて美人なリセが立っていて、その後ろにはロルを囲むように10人程のメイド姿の美人な召使い達が並んでいた。
「ロル、なんかスゲーー」
その光景には圧倒されたが、凛にもとっても可愛い召使ユナが側についていてくれた。
凛はユナを確認すると改めてニヤついてしまった。
「ところでリン。これからどうしたらよいかな?」
とパッと見どこかの貴族のようなロルが聞いてきた。
凛は困ってしまった。
食事はご馳走したいと思ってはいたけど、この雰囲気の中で近所の定食屋にはとても連れて行けなくなってしまった。
(どうしよう・・・)
凛はロルに相談してみた。
「近くの定食屋に連れて行こうと思いましたが、悩んでしまっています。」
「高級店にでもお連れしたいところですが、学生の身分でもありお金もありません・・・。」
そう言うとリセが補足してくれた。
「凛は若く経済的に余裕が無いようで、安い店しか案内出来ないそうです。」
「そうか・・・」
「でも折角の機会だから、この惑星の高級店で食を堪能したいな・・・」
「そうだ! この惑星のお金を作ったらどうだろう。少しなら大丈夫じゃないか?」
「ダメです! 少しでもいけません! それはこの惑星でも犯罪です。」
「そうだよね・・・犯罪は絶対駄目だね。」
「それでは・・・我々の持ち物を売るというのはどうだろう。」
「良いとは思いますが、我々の持ち物はこの惑星にしてみればどれもオバーテクノロジー品で良くない影響を与えます。」
「んーー・・・じゃあ、鉱物とか金属とかを売るのはどうだろう?」
「珍しいということで採取したものが結構あったはずだったけど。」
「それは良い考えですね。」
「急ぎ検討致します。」
そういうと直ぐにリセは回答した。
「ロル。あなたの提案で上手くいきそうです。」
「所蔵品の中には、この惑星でも価値になるものが多くありました。」
「希少価値が高すぎて換金が難しい品が大多数でしたが、その中で金が使えそうです。」
「8日間の滞在だと10kg程度の交換で十分だと考えます。」
「たった10kgでいいんだ!」
「それじゃ、早速10kgの金をお金に換えてきてくれる。」
「リン。頼んだよ。」
とロルは軽く凛に頼んだ。
すると凛の前に熊の形をした金塊が出てきた。
「なんだこれ? 熊?」
どうやら商談をスムーズに行うためにリセが配慮してくれたらしい。
家宝を売るという設定のようだ。
凛は以前、大きな質店が愛知県にあると聞いていたので取りあえず熊の金塊を持って、ユナと一緒に名古屋は大須というところに転送してもらった。
「おーー 初めてのユナとの外出だ!」
「かなり感動!!」
一応、強化スーツも着こんでいたので10kg程の金塊は重くもなんともなく、それよりもデート気分でユナと一緒に質屋を探すのがとても楽しかった。
「ユナと一緒にスイーツでも食べようかな・・」
とか考えていたら、ユナのあまりの可愛さにザワめき出した野郎達が次第に集まってきた。
「まずい!」
取りあえず綺麗で大きそうな質屋に飛び込んだ。
店員さんに換金をお願いすると、立派な代物ですね。と言って調べてくれ金額を提示してくれた。
「はっ? 47,780,000円!!?」
桁が多すぎて金額が良くわからなかった。
そして、4778万円の現金が目の前に置かれた。
「ロル。どんだけ食べるつもりなんだ!?」
見たこともない現金を紙袋に詰めて急いで店を後にした。
するとユナが出てくるのをかなり多くの野郎達が待っていた。
ゾゾゾーッ
厭らしい目つきでユナを見る野郎達がキモ過ぎる。
(俺のユナをあんなイヤラシイ目つきで・・・許せん!!)
凛はユナの手を取って逃げるようにその場を早歩きで離れた。
「ユナの手、柔らかくて温かいな・・・」
「本当に作りものなのかな・・・何だろう、ロボットって事になるのかな・・」
何とも言えない不思議なドキドキ感で野郎どもを一生懸命巻こうとした。
しかし、特にしつこい3人組がいた。
「あいつら、何なんだよ!」
「本当にキモすぎる!!」
するとユナが言った。
「凛様。ここは私に任せて下さい。」
今度は逆にユナに手を引かれた。
サササッと人ごみを掻き分けると、スッと路地に入った。
それと同時に、ユナの体が半透明になったかと思うと消えて見えなくなった。
「おおーーっ! 工学迷彩だ!!」
「ユナ、カッコいいー!」
どうやら凛も一緒に消えたようだ。
「転送します・・。」
とユナの声が聞こえたと思ったら、ロマネスク様式風になったアパートの部屋に帰りついていた。
「お帰り、リン」
「換金は上手く行ったみたいだね。」
「よーし! それじゃそのお金を持って、この惑星の街に繰り出そう!!」
相変わらずノリノリのロルだった。
でも先ほどのユナに対する街中の反応から、美男美女のリセ、ユナ、ロルの3人と街に出て、本当に大丈夫かと不安になってしまう凛であった。




