第12話 召使い降臨 (俺、死んでもいいかも)
心臓が3秒間は止まったと思った。
「ハフハフハフ・・!!ハフ!」
声がどうしても上手く出てこない。
過呼吸なのか、それとも数秒止まったであろう心臓の影響なのかはわからないが、息が上手く吸えずにとても苦しくなった。
でも、それは当然の事だと思った。
だって、そこには見たことがない程の可愛すぎる美少女が目の前にいるのだから・・・・
その美少女が纏っている神々しさにも似た美しさに、ただただ圧倒されていた。
「・・リン」
「リン?」
「どうだ? 気に入ってくれたのか?」
ロルの問いかけに、凛は我に返った。
「はい。凄すぎます・・・。」
ロルからのプレゼントは凛の想像を遥かに超えており、どう返事をしていいのかわからなかった。
「そうか。」
「気に入ってくれたみたいだな。」
「気に入らなかったのかと思って不安になってしまったではないか。」
「リセも製作には苦労したんだぞ。」
「ハハハハハ」
ロルも凛がこのプレゼントに対し、感動を覚える程に気に入ってくれたと理解して、とても喜んだ。
するとリセが凛に話しかけた。
「リン。このメスの容姿について不満等はありませんか?」
「えっ?」
「不満なんて全くありません。 不満なんてありえません!」
「完璧です!想像を超えた完成度です。」
凛は一生懸命に美少女の完成度の高さをリセに伝えた。
「そうですか。」
「それは良かったです。」
リセも淡々とした感じではあるが、とても嬉しく思い喜んでいた。
凛が金属棒を取りに行っている間、余裕の無いシステム状況下でこのためだけに色々と調査・検討し作り上げたメス型召使いであったからだ。
宇宙船を中心に半径50km圏内の人間を全てスキャンし調査した。
その数、延べ人数18,237,320人、うち女性9,200,397人の外見及び遺伝データをスキャンし最高の女性像を導き出し製作したリセの自信作でもあった。
「ではこのメスを起動します。」
「起動?・・・・」
この美しい美少女の身体がまだ何も動いていない状態だと知って、呆気に取られた。
「はい。まだ起動はしていませんので。」
「命を吹き込むと言えば分りやすいでしょうか。」
次の瞬間、この美少女が起動したのが直ぐにわかった。
全身に血液が流れだしたのだろうか。
可憐な花が咲いたような、それはそれは美しい薄ピンク色の肌が瑞々しく光輝いた。
「本当に美しい・・・」
凛は命が芽生えたであろうその神秘的な瞬間、永遠の時の中にいるように感じた。
そしてその美少女の瞳がゆっくりと開いた。
「す、すごい・・・」
身体ごと吸い込まれるような美しい瞳だ。
そして宙に浮いていた美少女が凛の目の前に降り立ちひざまずいた。
「凛様。これから永遠にあなた様の召使いとして尽くさせて頂きます。」
凛はこの夢のような状況に、このまま死んでもいいと思った。




