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絶対実現自己中心的超絶少年少女達!

作者: 矢光翼
掲載日:2015/01/20

Twitterで募集したお題のなかで一番の難題でした!

お題「超絶筋肉美少女☆プリティゴリ松」

ほしぼし家の人間はどこか狂っていて、結構頭がおかしい。

血族的には末尾の俺が言うのは非常に失礼かもしれないが、失礼だとしても妥当な表現がある。

『馬鹿』だ。

俺が今まで星家の人間として生きてきて一番『馬鹿』が身に沁みた事件は・・・

俺の名前を明星みょうじょうにしたことだ。




『超絶筋肉美少女☆プリティゴリ松』と聞いて連想するのはなんだろう。

多分多くの人は筋骨隆々の顔だけ可愛い魔法少女的なのを思い浮かべるんだろうが・・・

後出しヒントを出すなら、ここに居るのは少女ではないということ。加えて一人ではないということ。

正解は、後でわかる。


一室に集められた俺含める五人の少年少女たち。

その中央には犬の着ぐるみが。

「よくぞ集まってくれたよ選ばれし少年少女たち」

「選ばれてないぞ」←ラガーマンを思わせる巨体

「なんのこと?」←金髪麗しい女子高生

「チラシ見た・・・」←ゴリラみたいな巨体

「わたしは気付いたらここに・・・」←ふわふわを体現したような少女

「俺拉致られた」←俺

「・・・」

見事に犬は項垂れている。

「君たちにはァ」

(露骨にやる気なくした!)

「超絶筋肉美少女☆プリティゴリ松になってもらいまァす」

俺含める五人の視線が一気に下ったのがわかった。

なんだそれ、なんだそれ。

「・・・超、なんだって?」

ラガーマン巨体が聞きなおす。やめろ、後悔するぞ。

「超絶筋肉美少女☆プリティゴリ松」

「なんだよそれ・・・」

金髪女子高生も声を上げた。

「意味わかんねぇ、どういうことだ?」

おっと待ってちょっと待ってこんな綺麗な子がこんな言葉を使うとは。世の中も変わったものだ。

俺の脳内は今空想と現実のピントを合わせるのに精一杯だ。

「魔法少女的なあれだよ!」

「魔法少女的なあれを少女ならまだしもこの空間に三人もいる男にやれってか!!?」

思わず考えるより先に大声を張り上げてしまった・・・!

犬(すでに蔑称)は俺の言葉を掻き消すように補足した。

「違う違う!えっと、超筋プリ松は」

「略すなよなんだそのギャグ漫画のキャラみたいな名前」

「五人で一つなんだ!」

「無視か。ん?五人で一つ?」

この時点で犬とコミュニケーションをとっているのは俺だけだった。どうやら丸投げされたらしい。

「そう!君ら、馬鹿じゃないだろうから算数で分配法則はやったよね?」

俺は反応しない。すると四人はうなずくぐらいのアクションはした。

反応しなかったからといって分配法則を知らないわけじゃない。しかしそれと筋プリ(略称)と何の関係があるのだろうか。

「わかりやすく言えば、超絶筋肉美少女☆プリティゴリ松っていうのは超絶なエリート五人衆によって作られる『チーム』なんだよ!!」

「「「は?」」」

俺、ラガーマン、女子高生の声が同時に犬に当たったが女子高生はもう少し控えても怒られない気がする。言葉を綺麗に保とう。

「つまり、超絶筋肉、超絶美少女・・・って感じで」

「じゃあなにか!?筋プリって超絶(筋肉+美少女+プリティ+ゴリ松)ってことか!?分配法則ってそういうことか!?ってかゴリ松ってなんだ!!?」

「いや筋プリってなによ。筋肉プリンス?」

無視。まぁとりあえずよくわからないが理解はした気がする・・・

あれ?待てよ?

筋肉、はラガーマン。美少女は女子高生。プリティはふわふわ少女。ゴリ松はゴリラ・・・じゃあ俺は?

「俺は、なんだ?」

犬は飛び跳ねながら俺の目の前にやってきた。

「物分りが早いね!!君は違う役割があるんだ!」

俺と犬は他の四人を差し置いて話を進めているようだったので、四人の役割を話した。ゴリラが激怒していたがそれは俺じゃなく犬に言え!!俺は知らない!!!

説明している間に犬がホワイトボードを持ってきて、ペンで『超絶筋肉美少女☆プリティゴリ松』と書いた。

・・・☆?嫌な予感がしてきた。

「星明星くん、君はこの中心の☆の役割を授ける!!」

「はぁ!!?」

「☆!??」

安心してくれ、全員ちゃんと「ほし」と発音している。

「☆って、意味あるのか!?見る限り字面の分断ぐらいにしか役に立ってないんだけど!?」

「意味ある意味ある」

無さげな言い方をするな!!

マジか・・・両親の良心の欠片もないネーミングの所為でこんな変なことに巻き込まれることに・・・?


俺は生まれてこの方まともなあだ名を付けられたことが無い。

人生初のあだ名は「天体」。初にして人間じゃない壮大なあだ名だった。

学年が上がると「天体」から「宇宙」になった。もっと壮大になってどうすんだ。てか宇宙だと星自体は飾りだぞ。

そして小学校最上級生になった頃、俺のあだ名は「星座早見人」になっていた。何がどうなったらそんな必殺仕事人みたいなあだ名がつくのか。方法は一つ。星明星という名前に生まれることだ。

辛うじて最終的に人という字がついてギリギリ人として呼ばれることが出来たが、誰が継続して「星座早見人」と呼ぶだろうか。結果そのあだ名は五日で滅び、「宇宙」に戻って、再び俺は壮大な無限の世界に旅立った。

そんな波乱万丈なあだ名人生を送ってきた俺だって、☆と訳されたことは無い。正直屈辱以外の何物でも無い。


あれから数時間話し通して幾分理解は進んだ。と同時に遅ればせて自己紹介を済ませた。

俺ら五人は現代の社会に潜む悪を人知れず退治するヒーローにならなければいけないらしい。

超絶筋肉枠の大絹おおきぬ動耶どうや。彼は肉体的な仕事が多く任せられるらしい。

超絶美少女枠の五月雨さみだれ詩意しい。彼女は敵にハニートラップを仕掛ける役割らしいが汚い言葉で犬に応戦していた。

超絶☆枠は後に回すとして(っていうか超絶☆ってなんだよ教えてくれよ)。

超絶プリティ枠の萌沢もえさわ愛那あいな。彼女は敵にハニートラップを仕掛ける役割らしい。

超絶ゴリ松(☆に次ぐか同等の謎)枠のごうあらし。彼は肉体的な仕事が多く任せられるらしい。

最後に後回しにした超絶☆(これが夢ならこれ以前を説明してる間に覚めてほしかった)枠の俺、ほしぼし明星みょうじょう。俺は星が飛ばせるらしい。

さぁて、あのクソ犬、どう料理してくれようか。


「いいいいいいやぁ・・・考えたんだよ!?考え尽くしたんだよ!!?」

「五人も居るのに役割被りまくりじゃねぇか!!!それはいいよ!!それはいいが俺はなんだ!!?星が飛ばせるって、なんだ!!?呪いか!?大掛かりでちっぽけな呪いか!?」

四人の先頭に俺を置き、犬に向かう。

犬はすっかり地面に腰を落としてしまって、どうにか右手(前足?)で俺らを遠ざけようとしているが、俺の怒りの前ではこんなもの通用しなビィィィィィィィィィィィィ!!!!!!!びぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!ビィィィィ!!!!!ビィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ!!

「うるせぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!今俺が喋ってるだろうが!!!!もっと静かに出来ねぇのか!!!!??あとサイレンの長さぐらい一定しろ!!!」

「こ、これは敵だよ!!!」

敵?そんなもの知るか俺にとってはこの犬が一番の敵だ!!!!!!!!


しかしそんな俺の気持ちも知らずに部屋の屋根が消し飛んだ。

いや、比喩とかじゃなく。比喩しようもないほどに消し飛んだ。

「・・・!?」

途端、犬が大声を出した。

「敵だ!!!逃げるぞ!!!」

俺ら五人は犬の後ろにつき部屋から出た・・・はいいが。

ちらりと敵の姿を俺は捉えてしまった。

触れただけで傷を負いそうな鱗に、蹂躙するために生えたとでも言えそうな爪。終いには人を蟻とも思わないほどの巨躯。

俺らは逃げ出して正解だった。俺が姿を捉えた以外は。

俺は生まれてこの方名前以外は普通に過ごしてきた。そんな普通な俺が今まで見たことも無い以上を見てしまったらどうなるか。腰が抜ける。

俺の前を犬含める五人が走り去る。

おい、置いてくな。置いてくなよ!!!

だが声が出ない。あまりの恐怖で喉に蓋がかかったようだ。

というか、敵ってこんな凶悪なのか!!?社会に潜む悪ってこんな邪悪なのか!!?そもそも潜めるスケールじゃないぞ!!?

「明星くん!!」

犬が俺に気付いた。しかし近寄ってこない。なんでこないんだ。

「すまない・・・僕は敵に近づけない!!諸々の事情だ!!だからかくかくしかじかで君ら五人を集めた!!!僕に代わって敵を屠るヒーローを!!!」

「諸々ってなんだよ!!!かくかくしかじかって、俺拉致られただけだぞ!!!そもそも筋プリになるとも言ってねぇ!!!」

犬は距離を縮めず、かといってそれ以上離れず叫んだ。

「もうあの部屋に君らを呼んだ時点で、君らに能力は備わっている!!!!!」

能力・・・?あの星を飛ばす能力か・・・!?あの意味わからない能力か!?

「説明が足りなかった!!!君らに授けた能力は、説明したよりもっと凄まじい能力だ!!!!」

知るかよ・・・!!!星を飛ばすなんてちっぽけな能力・・・!

「使い方を教える!!!簡単だ!!!強く念じるんだ!!!!!星よ、飛べ!!!と!!!!!!」

「あぁぁぁぁぁうるっせぇなぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!俺は訳もわからず拉致られてムカついてんだよ!!!それだけでも悪いのに知らぬ間に死にそうだと!!!?!?!最悪の境地じゃねぇか!!!!!なぁ!!!!!」

俺は腰を抜かしたまま犬に叫ぶ。

「他の四人はどうした!!!!!早く出せよ!!!!俺を助けろよ!!!!!!!!ヒーローにさせるために集めたんじゃねぇのかよ!!!!!!!!」

犬は、叫び返す。

「集めたさ!!!!!でもどこにも居ない!!!!彼らは素直に、逃げ道を走っていった!!!!!!!もう帰ってこない!!!!!君だけで頑張るんだ!!!!!!」

「ふざけんな!!!!!五人揃って筋プリじゃねぇのかよ!!!!!!!!」

ここで犬は一番の激情を見せた。

「筋プリじゃない!!!!!!!超絶筋肉美少女☆プリティゴリ松だ!!!!!!」

なんだよそれ、今聞いてもおかしすぎるじゃねぇか。何がおかしいって?

「テメェも、略してたじゃねぇかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

俺は怒りを隠せず、叫んだ。

「さっきからガタガタガタガタうるせぇんだよ怪物がぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!滅びろ!!!!!!!!!!!」

瞬間。視界が真っ白に染まって。




目を覚ますと、そこには犬と四人がいた。

「よかったぁ~!」

超絶プリティの愛那が抱きついてきた。

「オグォグェッ!?」

内臓をミックスされたほどの勢いで抱きつかれた。何だこの少女は。弾丸か。

「君はあの後、倒れたんだ。能力発現の反動だね」

「・・・へぇ」

てことは、助けてくれたのか。

「お前が寝ている間、俺らはこのチームで世界を救うことを決めたぞ」

「え?」

超絶筋肉の動耶が無愛想に俺に告げた。

「なんで」

「色々な事情があったが、結局自分のためだ」

「自分のためになるようなメリットがあるのか?」

すると犬が口を開く。

「世界中の敵を撲滅したら、僕がみんなの願いを一つずつ叶える約束をしたんだ」

「願いを?」

「そう。どんな願いも。彼らが何を願ったのかは自分で聞いてくれ。プライバシーに関わる」

そんな細かいことを気にする犬なのかこいつは。

いやそれよりも。願い、か・・・

「それって、本当に何でもか?」

「?あぁ・・・」

「じゃあ、俺も活動するわ。筋プリで」

「へ?」

「ちょうど、名前を変えたいと思ってたしなにより、俺の能力が結構凄いことに気がついた」

「君も、今日から仲間なんだね」

と、超絶ゴリ松の嵐が手を差し出しながら言ったので、

「あぁ、絶対に実現する」

そういって、俺はその手を握った。


自己中心的な目的を絶対実現するために。

いかがでしたか?

最後急ぎ足になってしまったのでそこが心残りです......

明日も一筆!頑張ります!!!!

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