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プロローグ
幼い頃から、この世のモノではないモノが見えていた。
驚いたのは最初だけ。
小学生に進級する頃には見て見ぬフリをすることが当然になっていた。
そう……その正体は“幽霊”。
バカげている。
常人ならそう思うだろう。
だが、私はこの現実に慣れてしまった。
元々、東条家は幽霊を専門的に扱う家だ。
それと同時に結構有名な財閥でもある。
だから私は一応お嬢様となる。
しかしそんな目で見られるのを嫌う私は幽霊とは何も鑑賞することなく、ここまでの生活を送ってきたのだ。
今日から私も帝陽高等学校の生徒となる。
偏差値も結構高く、同じ中学の奴はほとんどいなかったはずだ。
ここからまた新しい日々を始めよう。
そう誓い、玄関を飛び出した。