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雷の戦女神(ヴァルキュリア)(凍結)  作者: yutaso
第一章 入団、魔術師団
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第一話

とりあえず一話投稿します

これからは2日か3日の間を空けて投稿していこうと思ってます。

俺は、目を見開いた。

強制的に覚醒した意識の中、視界をめぐらせ、ここがどこなのかを確認する。

俺がいるのは血と悲鳴。そして「奴ら」に支配されていた地獄の世界―――ではなく、学生寮の自分の班の部屋だった。

先程の光景の面影が全く無いばかりか、自らが仰向けになって、布団の上に寝そべっている事から、俺は先程見ていたモノが、夢なのだと知る。

「夢か……。」

俺はゆっくり上体を起こした。

窓から差し込む光が、俺の上半身を照らす。

いつもは寝起きで浴びせられるうざったくて仕方が無いモノだったそれが、今だけは優しいモノに感じられた。

周りを見回す。

10畳ほどの部屋に、俺を除く3人の班員が規則正しい寝息を立てている。

この3人は、俺が在籍している魔術師養成学校高等部の同級生であり、この学生寮で同じ釜の飯を食う仲間達だ。

「(こいつらはまだ寝ているようだが……今何時だ?)」

俺は枕元に合った目覚まし時計を確認する。

午前5時13分。

それが現在の時刻だった。

「(標準起床時間までまだあるな……先に着替えちまおう。)」

そう考えた俺は布団から這い出すと、伸びをした。眠っていた全身の筋肉が目覚め、起動準備を始める。

伸びを終えてから軽めのストレッチを行い、完全に肉体を覚醒させる。

肉体が万全になった所で、洗面所へと向かい洗顔を行うことで、意識もはっきりさせた。

次に、自分の歯ブラシを取り、市販の歯磨き粉を塗り、歯のブラッシングを行う。

シャカシャカという音が、静寂に包まれた部屋に静かに響く中、俺はふと鏡に映った自分の姿―――特に眉毛、耳、うなじを完全に隠すほど伸びた金色の髪を見て思う。

「(やっぱ切って染め直した方がいいのかな?)」

俺たちは今日から新しい職場に行くことになっている。初勤務早々から悪印象を受けるわけには行かない。

だが、俺はすぐに否定した。

「(何考えてんだ俺は。これから行く所じゃ身だしなみよりまず実力だろ!)」

そう割り切った俺は、洗面所のコップに水を注ぎ、口にふくんで、歯磨きの最終工程を終わらせた後に、口内の水を洗面所に吐き出した。

洗面所を後にし、備え付けのクローゼットを開き、中から学校の制服―――ではなく、2日前に届いた新品の軍服を取り出した。

ダークグリーンの開襟型ジャケットに同色のスラックス、白のワイシャツと黒のネクタイ。そして日本では乗馬の際に使われていた長靴と呼ばれるタイプの軍靴。

これが、俺たちがこれから向かう場所―――第12独立魔術師団の正装である。

軍靴は玄関で穿けばいいので、ひとまずは軍靴以外の服装に身を包んだ。

「おお……」

俺は感動のあまり声を漏らした。

軽く腕を動かすと、心地いい衣擦れの音が耳に響いた。

これからはこの軍服をまとって「奴ら」と戦うんだ。

そう改めて思った俺が武者震いしたのと、3人の仲間達の枕元に置かれた目覚まし時計が一斉に鳴り響くのが同時だった。

午前6時。標準起床時間だ。

小うるさいアラーム音に覚醒を促された3人は、上体を起こすと、欠伸をするなり、伸びをするなり、眼鏡をかけるなり各々の動作をした。

「よう。目覚めはどうだい?」

俺―――北条誠ほうじょうまことは覚醒した仲間達に、そう声をかけた。








―――イスラム共和国某所。

ここでも、彼らと同じく、自室の布団で眠りから覚めた一人の青年がいた。

青い髪を耳が隠れない程度に伸ばしたその青年は、首をゴキゴキ鳴らしながら伸びをすると、枕元にあった腕時計を見た。

時間はちょうど標準起床時刻だった。

「(ちっ、ちょうど時間か。二度寝はやめとくとしよう。)」

と、内心で舌打ちをした時


―――おはよう。いい朝ね。


突然、脳内に直接響いた女の声。

が、今更驚く事じゃない。こんな風に頭に直接声が響くようになったのは大分前からだ。

「あぁ。おはよう。」

青年は布団から起き上がると、洗面台へと向かった。だが、洗面台にたどり着く前に、彼は足を止めた。

カレンダーが視界に入ったからだ。

「(そういえば、今日はまだ予定を確認してなかったな。)」

そして、カレンダーから今日の日付を探し当てて、彼は思い出した。

今日は、自分の職場に新しく部下が入ってくるのだ。

部下は4人。いずれも16歳という若さで軍に志願してきた新兵だ。

これからその4人には、過酷な戦場が待っている。

その事を知らされた時は、なにもその若さでこの世界に飛び入る事も無いだろうに。と、彼は自らの過去を思い出しつつ思った。

だが、彼らには彼らの事情がある。

そうまでしても、戦わなければならない理由があるのだろう。

そう、かつての自分と同じように。

「(そういえば今日は新入生が入ってくるんだったな。)」

軽い自己紹介の次は、模擬戦によるテスト。その後は3ヶ月におよぶ訓練の日々。

その中で職場での決まりやルール。さらには戦いの厳しさ、そして辛さなどを教えなければならない。

それを思うと今から気苦労が絶えない。

だが、それと同時に、新たな人材を育てる楽しみも湧き上がってくる


―――どんな子がくるのかしら。フフッ、今から楽しみね。


だからこそ、その声に彼―――第12独立魔術師団総団長、青山昇あおやまのぼるは同意した。

「あぁ、そうだな。」

次回の投稿予定日は9月の24日です

お楽しみに

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