幼なじみはサンタクロース その2
12月24日 クリスマスイブ
またこの季節がやってきた…
去年、俺はとんでもない夢を見た。
幼なじみの彩名がサンタクロースになって、俺の部屋の窓を破壊してやって来たのだ
そして今年も…
ガッシャーン!!!!!
「……………」
「メリークリスマス!!浩太!!」
「メリークリスマスじゃねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」
今年も彩名は窓を破壊した
~~~~~~~~~~~
「さてと…今年もどういうつもりなのかな?」
「ご、ごめんなさい…」
「なんで今年も窓に突っ込んできたの!?」
「めでたいかと思って…」
「俺はまったくめでたくないよ!?むしろ壊されて怒り心頭だわ!!」
「だ、だって…こうでもしないと浩太起きてくれないと思って…」
「いや、今年も来るだろうなと思って寝てなかった」
「本当に?えへへ…じゃあ私を待っててくれたんだ?」
「ま、まぁそういうことだな」
「えへへ…ありがと///」
「それで、今年も手伝うのか?」
「うん!去年は浩太に手伝ってもらってだいぶ助かったから、今年もお願い出来るかな?」
「ま、構わないけど…」
しかし…またやらなきゃいけないのか………爆撃
「ありがとー!!それじゃあご褒美をあげるよ///」
「またか…」
「私とガラス代、どっちg…?」
「ガラス代!!」
……………
……………
「………はい」
~~~~~~~~~~~
「こっちだよ~」
彩名はまた律儀にすぐ近くの駐車場にソリを止めていた
「あ、ちょっと待っててね。精算してくるね」
「………なぁ、別に路駐してもいいんじゃ…」
「ダメだよ!!そんなことしたら、上司に怒られちゃうよ!!」
「……………」
さすがサンタだ。礼儀正しいのな
「戻ったか彩名ちゃんよ」
「うん。待たせてゴメンねトナカイさん」
「え、誰と話してるの?」
「んとね、紹介するねソリを引いてくれるトナカイさんだよ!!」
「おう、よろしくなあんちゃんよ」
「喋ったぁ!?」
「スゴいでしょ?最近、地区課長になってトナカイさんが支給されたんだよ!!」
「それでこのあんちゃんは彩名ちゃんの手伝いをしてくれるのか?」
「うん、今年も手伝ってくれるんだよ」
「そうか。そんじゃあんちゃん、よろしく頼むぜ」
「あ、はい…」
なんかこのトナカイ…そこらのイケメンより、めちゃくちゃカッコいいんだが
「さ、ソリに乗って浩太」
「あぁ」
俺と彩名はソリに乗る
「ていうか、またマッハ3で飛ぶのか?」
「うん、だから必死で掴まらないと身体引きちぎれるからね」
「引きちぎれるって…俺の為にスピード落とすとかはないのか?」
「ないよ♪」
「ですよね~(泣)」
「おっとそれは違うぜ、彩名ちゃん」
するとイケメントナカイさんがそう言ってきた
「どういうこと?トナカイさん」
「実は最近俺もスピードアップ出来てな。俺はマッハ5で飛べるようになったんだぜ」
「!!!??」
「わー、スゴいね!!」
「スゴいねじゃねぇ!!俺の身体がより危険になったじゃねぇか!!」
マッハ5って、マッハ3でも死にかけたのに!
「大丈夫だよ~、マッハ3でも生きてたんだからイケるって」
「いやいやいやいや!!イケるわけがないって、大丈夫じゃないって!!」
「私と」
「俺は」
『大丈夫!!』
「俺はあぁぁぁぁぁ!?」
「おっと、そろそろ出発しないとプレゼント配りに間に合わなくなるぜ」
「そうだね。それじゃあ出発しようか浩太」
「ちょっと待って…せめて心の準備を」
「それじゃ出発!!」
「人の話を聞けえええええぇぇぇぇぇ!!」
ピュイイイイインンンンン……………
ズオオオオオォォォォォ
パンッ!!!!!!!!!!
「………………………………………」
~~~~~~~~~~~
「着いたよ~」
「……………」
「あ…あれ?浩太?」
「…………………………し、死ぬかと思った」
もうほとんど意識がなかった…まさか生きていたとは…
「さぁ着いたよ私の配達先」
「また隣町じゃん!!マッハ5で行く必要ないだろ!」
ゴオオオオオ…
「なぁ、ちょっと気になったんだけど」
「なに?」
「毎年毎年サンタが子ども達に配ってるんだよな?」
「そうだね」
「クリスマス以外はサンタって普段は何してるの?」
「ここだけの話だけど、サンタは私みたいに一般人に紛れて生活してるんだよ」
「え!?マジで?」
「うん、だからクリスマスの時だけ私達は特別な力を得ることが出来るの」
「あぁ…マッハで飛んでも平気でいられるとかか?」
「あとは核攻撃にも耐えられるしね」
「それはほとんど怪物じゃないか…(汗)」
「でもサンタって未知の生き物でしょ?」
「あぁ……………って、それって自分が未知の生き物って認めてないか(汗)」
~~~~~~~~~~~
「さ、ここから始めよ」
「またバ●子並の直球ストレートで投げるのか?」
「ふっふっふっ…今年の私は違うよ。無闇に投げ飛ばす時代はもう終わったんだよ」
「違う?それじゃあどうやって…」
「トナカイさん、これを口に入れて」
なぜかプレゼントをトナカイさんの口に押し込める
「え、何してるの?(汗)」
「トナカイさん準備OK?」
「ほいふーふほ(大丈夫だ)」
「目標確認!装填完了、障害物なし!」
『Are you Ready?』
ガシャコン!!
「え」
「発射ぁ!!」
シュウウウウウゥゥゥゥゥ…
ドゴーーーーーン!!
ォォォォォォォォォォ……………
「…………………………」
「作戦完了♪」
「作戦完了じゃねえええええぇぇぇぇぇ!!」
「……………?」カクッ
「可愛く首をかしげてもダメだ!やっぱり攻撃してるじゃねぇか」
「でも手で投げてないからセーフでしょ?」
「トナカイさんで投げてもダメだろ…って、トナカイさんはなんで発射能力持ってるの!?」
口にくわえられたプレゼントは時速150㎞(推定)で放たれていた
「実は俺、攻撃用として銃にもなるんだぜ」
「リアルなトナカイさんじゃないのかよ!?」
「昔は本物のトナカイさん使ってたんだけど、最近はサイボーグトナカイさんが使われるんだよ。」
「……………」
俺が昔思い描いていたサンタの姿は夢だったのか
目の前にいるのはバ●子さんみたいな幼なじみサンタとサイボーグトナカイ…
子どもには見せられない光景だな…
「さ、どんどん子ども達に届けに行くよ~」
「届けに逝くの?」
「うん♪」
「…………………………」
気安く受けなきゃよかった…と後悔する俺であった。
~~~~~~~~~~~
ドゴーーーーーン!!
「ナイスヒッティング!」
「やったね!!」
「…………………………」
コイツら…本当にサンタかと思うほど、はしゃぎまくってるし…
「………なぁ、彩名」
「ん、なに?」
「去年、彩名の手伝いをしたときさ。朝テレビを見たら俺達の運んだプレゼントの家の窓が全部割れてるニュースをやってたんだけど…」
「え」
「それって…彩名のしわざだよな…?」
「ナ、ナンノコトカナ~?」
「なぜ片言になる」
「ち、違うよ!!窓まで割るとは思って………あ…」
「言ってるじゃねぇか!」
「うぅ…でも壊しても平気なんだよ」
「なんで?」
「壊したら、サンタ会が隠蔽してくれるから平気なんだよ」
「だったら最初から壊すなよ…」
というかサンタ会怖いな…
~~~~~~~~~~~
それから朝までサイボーグトナカイさんを使って、よい子にしてたのに窓を破壊されるという仕打ちを受けつつ、プレゼントを配り続けた。
午前5時
「ふぅ、これで終了だね」
「はぁ…疲れた…」
「お疲れだな2人とも」
「今年も手伝ってくれてありがとね浩太」
「今年は去年よりも過激だったな…」
「でもこれでサンタクロースは大変って分かったでしょ?」
「あぁ…そうね…」
そりゃあんな事したら、大変に決まってるだろ…
「それじゃあ私は帰るね」
「おう、じゃあまた学校で」
「……………浩太もだいぶ慣れてきたよね」
「もう色々吹っ切れてるからな」
「それじゃあまたね~」
シャンシャンシャンシャン………
彩名とサイボーグトナカイさんは空高く昇っていった。
「さて、家に帰るか」
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1年後
ガッシャーン!!!!!
「メリークリスマス!!浩太!!」
「またか」
今年のクリスマスがまた始まった