確か、それは波だった筈
ウル
『何か壁がドカーンってしたんです』
ジェラ
『アハハ♪訳わかんないよ♪』
目の前に居る子供は、ジェラ・ローグです。これでも灼熱と憑依の堕神なんですよ。
ナバト
『ジェラ、何故(時に拒絶された世界)まで来た』
今私達は(時に拒絶された世界)に居ます。普段は私とナバトしか居ないのですが、何故かジェラが居ました
ジェラ
『何かさ、イヴィルがこの世界に近づいてきてるみたいだからさ♪』
ウル
『イヴィルって何ですか?』
ナバト
『もう忘れたのか・・・、浸食波のイヴィルだ』
ウル
『波ですか?』
何かよくわからません
ナバト
『全てを飲み込み破壊する波だ』
ウル
『凄く恐ろしいじゃないですか!?』
そんなのほっといていいんですか!
ジェラ
『だから俺が追ってるんだろ♪相変わらずの鳥頭♪』
ウル
『私は本来の姿は鳥ですよ?』
人間の姿じゃないと不便なだけで、本来は神鳥ですから
ジェラ
『それもそうだったね♪』
ナバト
『そんな事より、イヴィルをどうするつもりだ』
ジェラ
『本当に困るよねー♪流石に俺じゃあイヴィルを倒せないよ♪せいぜい動きを制限する程度だしさ♪』
ウル
『本当にどうするつもりなんです・・・』
ジェラが足止め程度なら、私はどうにもなりませんよ
ナバト
『ウル!ジェラ!奴だ!』
ガガガ・・・!!
ウル
『地震ですか!?』
ジェラ
『違う!イヴィルがここまで来やがった!イニアの力を察知したか』
地平線の向こうから、奇妙な波が迫ってきています。この世界が崩れていく!?
ウル
『ナバト!この世界を支えますよ!』
ジェラ
『止めろ!お前にイヴィルの力を抑えられる訳が無い。神力』
ジェラは熱風でイヴィルを抑えていますが、世界への浸食を止められてはいません
ウル
『このままでは無理ですよ!神力(絶望の肩代わり)』
世界に手を当てて
世界の苦しみ、イヴィルの苦しみを全て私が受け入れる!
ナバト
『ウル!無理をするな!』
私に流れ込んでくる思念、かけら故に全てが足りず周りを飲み込み、個を理解出来ずに飲み込み、全てを個として完全を取り戻す為に、まだ足りない、タリナイタリナイタリナイタリナイタリナイタリナイ・・・!!!
ウル
『いやああぁぁ!!!』
ナバト
『ウル!しっかりしろ!』
ジェラ
『早くイヴィルの思念から離れるんだ!』
それでも、やらないといけない事があるんです!でも、足りない何もなイなにモないナニモナイナニモナイナニモナイナニモナイ・・・!!
それでも!
ウル
『私は全てを受け入れて、希望を創り出す為に存在しているんです!!神力(希望の代償)』
私はその全てを受け入れる!
・・・
ナバト
『・・・我とウルの楔が外れかかっている』
ジェラ
『結局、あの世界はイヴィルに呑まれちゃったか♪』
????
『今イヴィルを壊す訳にはいかないからさ。とりあえず、ウルの中のイヴィルの狂気は壊しておいたぞ』
ジェラ
『ウルは大丈夫かい♪』
ナバト
『金輪際、イヴィルの近くに寄らなければ大丈夫な筈だ』
????
『ウルの苦痛まで壊す訳にはいかないし、何かすれば代償なんて面倒くさいな。イヴィルの狂気だって、取り除いたんじゃなく壊したんだからな』
ナバト
『正しくも厳しい世の中だ』