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第18話 スライムが仲間になりたそうに僕を見ている?


 いつも通りに、畑にお水を上げたり、牛の餌やお水を上げたりした。

 これは朝の僕のお仕事。

 畑はお姉さん、牛舎はお兄さんで牛の乳しぼりは、半分は機械で、半分はみんなで手絞りする。結構大変なんだ。おばあちゃんが朝ご飯の支度をしてくれてる。

 朝の一仕事が終わったら、あさごはんなんだよ。

 朝ご飯のあと、牛舎の清掃があるから牛達は放牧される。

 二名ほど、今日はアルバイトの人がきてくれるんだって。

 うちみたいに小さいところがアルバイトなんて雇えるようになったのも、うちの牛のミルクがめちゃくちゃ美味しくなったからだよ。

 アルバイトの人はこのヴァイデドルフに住む人。

 なので、牧場のこととか、畑のこととか、よくわかってるんだ。

 もしかしたら、ウィル兄さんやアーサー兄さんよりも詳しい。

 めちゃくちゃ大規模で先進的な農場だったら、かなり機械を導入してるけど、僕のおうちみたいな小さなところは機械化はまだ進まない。

 僕のうちの牛の牛乳を搾る機械が導入されたのも、実は半年前ぐらい。

 あれもメルクーア大迷宮が踏破されて、どこの店も大特価大安売りしてて、お爺ちゃんが購入したのだ。それでも半分の牛の分だけどね!

 でも近代農業に近いんだろうな。

 中世的異世界だったら、ぜーんぶ手作業だもんね。

 それでなんでアルバイトの人がくるかというと……今日はアーサー兄さんとダンジョンに潜るんだ!




「今日はウィルのやつが、自分のパーティーメンバーと次のダンジョンアタックの打合せでメルクーア大迷宮都市に行くからな」


 牧草地の端っこにあるダンジョンにボスと僕が向かっている時、アーサー兄さんがそう教えてくれた。

 おお~ウィル兄さん冒険者活動再開なんだ。


「ケガとかしないといいな……ウィル兄さん」

「そうだな。だから下準備や打ち合わせをするんだよ」

「じゅんび、だいじ」

「そう、武器の手入れや、ポーションなんかのアイテム確保もな」


 そんな話をしながら、僕のおうちのミニダンジョンに入っていくと、スライムがいた。

 アーサー兄さんは剣を手にかけるけど、スライムはぷるぷる丸まって震えてる。

 スライムがこんな球体になってぷるぷるしてるのは珍しいし、もしかして……まさか……。


「アーサー兄さん、ちょっとまって」

「もしかして、ウィルがいってたやつか?」

「かもしれない。だって、スライムこんなまるまって、ぷるぷるするのはないよね?」


 僕の言葉にアーサー兄さんも剣に手をかけたまま頷く。


「ねえ、この間のスライム?」


 僕がそう尋ねると、スライムは「そうそう」って返事をする

 かのように、ポンポンと球体になった状態でゴムまりのようにはねさせる。


「これからダンジョンに潜るけど、じゃましたらダメだよ?」


 わかったよ! とでもいうように、ポンポンと球体を跳ねさせる。

 そしてポンポンとゴムまりのように跳ねながら、ダンジョンの奥へと向かっていく。


「話がわかってるようにも、確かに見える」


 そう、僕の言葉がわかってるように見える。

 一階も二階もモンスターは出てこなかった。

 そして三階。

 でた~しっぽにはさみついてるやつ!

 こいつ体長があって、ハサミのある尻尾ぶんぶん振って、捕まえようとするやつだ!


「はさみの虫だ!」


 げじげじ虫退治をしてて、最近、いろんなタイプがあるんだなっていうのがわかってきてる。

 こういうのを詳しく調べたいんだよ~。


「ぼくが、ダメってなるまで、ぜったい、ぜったい、やっつけないでね! アーサー兄さん!」

「お、おう」


 ハサミが堅いんだよね。

 ヨキを振り回しても、ワンキルできないんだ。

 油断してるとその長い身体をまわして、頭部分がやってくるから……。

 すると、奥の方からスライムがゴムまりのように跳ねてやってくる。


「おーい、スライムー、やられちゃうよー!」


 僕がそう叫ぶけど、スライムはポーンと跳ねて虫の頭部分に乗る。

 そして尻尾がシュンって動いて、ゴムまりスライムをパチン。


 おう……スライム……注意してあげたのに……切られちゃった……。


 なんでこっちにきたのさ……。

 そして下手したら僕がヨキを振ってスライムのコア破壊するとか、思わないのかな。

 スライムは分裂したけど……したけど……二つに分かれたまま。ぷるぷると丸まって、片方は頭、片方は尻尾のハサミを覆い尽くす。

 ん?

 ここはハサミの虫の胴体ど真ん中をヨキ振り下ろせれば、とりあえずハサミの虫はやっつけられるんじゃない?

 僕はとんとんとボスの首を二回軽く叩くと、ボスはそこそこのスピードで走りだす。

 そして僕はハサミの虫のど真ん中にヨキを振り下ろした。


「ジャックよ……容赦ねーな」


 え、チャンスでしょ。

 ここはど真ん中にヨキ振り下ろしてやっつけないと。

 頭と尻尾にとりついてたスライムは

 ぽぽんと跳ねて、二つが一つになった。

 そしてそのままポンポン跳ねてる。


 ハサミの虫からドロップできたのは、ハサミだった。

 トマトとか収穫するときに使うハサミ。

 ま、いっか、ダンジョンのアイテムだし、きっといいハサミ。

 僕はマリアお姉さんから借りてるアイテムバッグにハサミをしまう。


 そして得意そうにポムポムと弾んでいるスライム。


 え……もしかして、スライムが仲間になりたそうに僕を見てる?




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