第17話 モンスターのこと調べたいときは冒険者ギルドへ
冒険者ギルドでの調査(検査みたいだったけど)の結果は後日、書類が送られてくるか、冒険者ギルドにまたくるか――になりそうです。
「どうする、ジャック、またくる?」
デイジーお姉さんがそう僕に尋ねる。
街にはいかないで、ダンジョン潜るんだと思っていた僕の気持ちを覆す、サンクレルの街……もう一回ぐらい来てもいいなとは思ってる。
ダンジョンのモンスターや牧場の敷地に群生してる植物とか、あと、この謎アイテムについて、資料とかそういうのあるといいな。
だってぼくのおうちのミニダンジョンに潜るのは、いまのところ僕だから。
そういうのちゃんと知っておきたい。
図書館があれば来たいんだよね。多分、この街ならありそうなんだよね。
本屋さんは絶対ある気がする。
だって、うちに兄さん達が子供の頃読んだと思われる絵本があるんだから。
「としょかんにいきたいの」
意を決して言ってみる。
なんでそういう施設を知ってるとツッコミがきたら、困った時のお爺ちゃんとお婆ちゃん。二人のどっちかにそういうのがあるって聞いたって言おう。
冒険者ギルドのダークエルフのお姉さん――イリーナさんは、僕が話やすいように僕の目線にしゃがみ込んで僕を見てた。
「ぼくのおうちのダンジョンのモンスターとか、あとお水のこととか、そういうの、知りたいの」
「ジャック君は賢いね。モンスターの情報は、ここにあるのよ?」
図書館じゃない!?
でもそうか、冒険者ギルドだもんね。
冒険者が対峙したモンスターの情報や、ダンジョンの事象の情報なんかは冒険者から集まってくるんだ……。
図書館よりもそういった情報はいっぱいあるのかも。
「ジャック君にどんなことができるか今調べてるから、結果を聞きにきてくれるかな? そしたらギルドの中を少し案内してあげる。モンスターの本も見せてあげるよ?」
「うん」
「よかった。それでお願いがあって」
「なあに?」
「集めてる謎パーツ、全部集まったら教えてほしいんだ」
「……」
なるほどなあ……。
ミニダンジョンのこの謎パーツはこのサンクレルの冒険者ギルドでもない情報なんだ。
そりゃそうだよね。ミニダンジョンって、できても一年ぐらいでだいたい魔素がもうないです~ってなって、ただの洞穴になる。
敷地内にできたらそういうのは埋めちゃう。
あと、ミニダンジョンで取得できるアイテムって大したものじゃないんだろう。
となると、やっぱり、僕のうちのミニダンジョン、普通のミニダンジョンとは違うのかも!
でも、謎パーツだけでいいの?
美味しいお水とか畑の肥料とか、牛の餌とか、あれもきっとレアアイテムなのかもよ?
……それは僕が調べればいいか。
「いいよ」
僕がそういうとダークエルフのお姉さんはにっこり笑った。
「じゃ、また遊びにきてくれるかな? また来るときは、わたし、イリーナを呼んでね?」
「うん。わかった。イリーナお姉さん、ばいばい。アーサー兄さん、デイジーお姉さん。終わったからかえろー」
僕はイリーナお姉さんに手を振って、アーサー兄さんとデイジーお姉さんを促す。
僕はひょいとデイジーお姉さんに抱き上げられて、アーサー兄さんはイリーナさんにまた後日ギルドに来る日程とかを聞いていた。
だから、抱っこはしないでって、言ってるのに~。
そんなこんなでサンクレルへのお出かけは終了。
みんなのお土産はおさかなの干物とか、昆布とか、海産物です。
ヴァイデドルフは食肉の街でもあるから、市場での比率はやっぱりお野菜とお肉が多いんだよね。
だからお魚いっぱいのサンクレルの海産珍味をお土産にしてみたよ。
ボスはお魚のにおいもそんなに嫌がらなかった。いい子だな。
だけど、日帰りでこんな大きな街に行けるのはすごい~。
街の中の移動も便利だった。
夕飯はお土産のお魚で、僕が焼き魚をつくるのお手伝いしたよ。
お塩をぱらりってして、じっくり炭火でいい感じに焼いたの。皮もぱりぱり。
みんな美味しいって言ってくれた!
お婆ちゃんもおいしいって!
「いや~お土産をお魚って言ったジャック、正解」
「ほんとそれ。なんか知らない調理器具も買いたいとか駄々こねた時は、どうしようと思ったけど」
アーサー兄さんとデイジーお姉さんがそういう。
デイジーお姉さんのいう「なんか知らない調理器具」はおろし金のことだよ。
焼き魚には大根おろしをつけたかったんだもん。さっぱりして美味しいんだもん。
ついでに醤油も買っちゃった。異世界転生して調味料作るとか定番だけど、さすが貿易港、サンクレル。買えました。サイコー!
大根おろしを作ってるとき、一人でふんふん言ってたら、ユジン兄さんが手伝ってくれたよ。やっぱりカンナかけたりするから得意なのかな?
「なんだっけ、この調味料、謎の調味料」
お醤油です。覚えてね。
「これも多国籍食料品店でジャックが買う買う言ってたのよね」
でも、お豆腐はないだろうなあ~醤油とお豆腐の組み合わせは鉄板の美味しさなんだけどな~残念。
「お婆ちゃん、おいしい?」
「おいしいよ、ジャック」
お婆ちゃんはしわしわの顔をさらにくしゃくしゃにして、笑ってくれた。
よかった!




