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「何かさ、変な夢を見たの」

 私は、翌朝の食卓で、昨晩見た事を話し始めた。夢だよね? いや、夢であって欲しいという希望的観測なのだが。

 安倍家では、夢見が悪い時は、お互いに話す事で、厄落としをするのが習わしだった。

「それ夢じゃないでしょ」

 タツヤのトーストにバターを塗っていた母が、私の淡い願いを事も無げに打ち砕く。

「霊が通っていたのだと思うよ。そういう時は、静かにして、気付かないふりをしてね」

 私は、昨夜の自分の行動をつぶさに思い返す。声は上げなかった。多分、気付いた事に、気付かれていないはずだ。

「……やり過ごしたから、大丈夫だよね?」

「うん。タツヤも、もし見ちゃっても、気を付けるのよ」

 母は、タツヤのマグカップに牛乳を注ぐ。

「……」

 タツヤは、私の話が怖かったのか、渡されたマグカップを持ったまま黙って頷いた。

「食べたら、食器は流しに運んでね。私は洗濯干してくるから」

 朝は皆忙しい。

 だから、タツヤの様子が変なのに気付かなかった。


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