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悪業淫女《バッドカルマ・ビッチ》  作者: 稲村某(@inamurabow)
第二章 実戦編・強敵(とも)……なんて言う訳ねぇだろブッ殺す。
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③私とワタシ、ホーリィと恵利。

堀井恵利視点で進む回は、そーゆー回です。



 遅れてやって来た私達に、先に来ていた人達の視線が集中する……こ、こんな沢山の人に見られるの……う、うぅ……、


 でも、目の前にズラリと並ぶ乗員の皆さん……うん、凄く凛々しくてカッコいい……。


 軽そうな革鎧を着た男の人や、重そうな鎧を着てるのに涼しい顔の女の人、それに回りの人の二倍は有りそうな肩幅の……あ、周りの人のざわめきを聞いてコッチ向いた……アジさんだっ!! ……凄く大きいなぁ……って、ち……近付いてきたぁ!!


 「ホーリィッ!! お前もう歩き回っていいのかよっ!? 小枝みたいな身体してる癖に……痩せ我慢なんぞしてるんなら、もう一回ベッドに戻れるように手足の一本、捻ってやんからなぁ!?」


 ここここ怖いんですけどーっ!? ああ……ほぼ真上から見下ろされてる……頭の上にアジさんの大きな顔、目の前にはビキバキと音がしそうに血管の浮き出た太い腕……も、戻ろうかなぁ……


 「……ま、歩いてこれたんなら、直ぐにでも戦場に戻れるか!!」


 あ、あれ? 妙に嬉しそうにそう言いながら、私の頭をポンポンと叩いてから、あっさりと解放してくれた……はぁ、どうなるかと思ったわ……。


 「……よし、全員揃ったな。それではこれから強襲戦艦ローレライの行動指示書を読み上げる……だが、この中で【守秘義務を遵守出来ない】と思う者が居たら即座に申し出ていいが……お前ら、果たせるか?」


 真っ黒い軍服みたいなのを着た、一番先頭にいる男の人がそう言ったけど、誰も何も言わないよ……つまり、みんな【守秘義務を守る】って訳か……も、勿論私もだけど。


 「了解だ…………()()()()() それでは今から読み上げる!」


 あ、こうして見ると……ローレライに乗ってる人達って、全員が戦うんじゃないみたいだなぁ……まぁ、そりゃそうか。


 「……《集合地点にて空中補給が終了次第、目的地に急行》……()()()()、これはつまり……」

 【……ええ、アルバ先任士官殿……速やかに集合地点に向かいましょう……皆さん……良く聞いてください……】


 ローレライさんが私達に語り掛けるけど……何となく、声が震えてる気がする?



 【補給完了後……地下要塞に強行着艦し、無力化させる為に……敵高官を確保し、要塞構造を掌握します……】


 そ、それって……地下要塞を……


 「う、うおおおおぉーっ!!」「クソッ!!……やっと、やっとか……!!」

 「長かった……これで……」


 ……戦争を、終わらせるって……事なの!?


 「……ホーリィ、どうしたの? ……傷が痛むの?」

 「ん……あ、ああ……な、何でもない……ぜ……」


 歓喜と歓声の中で……セルリィさんが黙り込む私を気遣ってくれるけど、誤魔化しながら……どうしたらいいのか、考えていた……



✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳



 (どーしたんだよ、急に塞ぎ込みやがってさ……)(どうしたって……その、戦闘に……私も行く訳なんでしょ?)


 頭の中にホーリィの声が響く……ホーリィは納得いかないみたいに、


 (あったり前だろぉ!? お前、ワタシにくっついてんだから、戦場に行くに決まってるだろ!!)(でも!! ……ほ、ホーリィは、その……私が戦うの、不安じゃないの?)(ああぁ!? んなもん平気に決まってるだろ!! 百戦錬磨のホーリィ様に乗っかって行くんだ、楽勝じゃねーか!!)


 うぅ……私の不安はホーリィには全然伝わってないみたい……そりゃそうだよ、彼女にとって私は……たぶん、お荷物だし……それに……


 (……何をグダグダ言ってやがるんだ? お前がどこの馬の骨だろーと関係ねぇんだよ!! ……ワタシの身体って船に乗り合わせた奴なんだからさぁ~面倒見てやるってんだよ! 物見遊山気分で気楽にやりぁいーんだよ気楽によ!!)


 ……は、はい!? ……ホーリィ、さん……?


 (……ちっ、湿っぽい声出してんじゃねーや……だからよ、こーやって一個の身体を半々で使ってんだから、義姉妹みてぇなもんだろ? なぁ?)


 うん……そうだね……


 (だから!! お前は今からワタシの妹分だかんな!? だからッ!! サン付けすんじゃねーぞ!! 判ったな?)


 うん!! 判ったよ、おねーちゃん!!


 (ぅぼおっ!? おおおおおねぇちゃん呼ばわりすんなしっ!?)


 狼狽えるホーリィに照れ隠しに返すと、ハッキリ判る位の慌てっ振り!! 面白いなぁ~、コレ使えるかもしれないね~♪


 「……ねぇ、ねぇ!! ホーリィったら!! 聞いてるの!?」

 「あ、ああ!! せ、セルリィ……どうした?」


 ホーリィと二人でやり合ってたら、いつの間にかセルリィと二人しか居なくなってた……一人で突っ立って呟きながらニヤニヤしてたら……危ない人確定だよね? 気を付けないと……


 「どーしたもこーしたもないわよ!! 艦長代理が用があるって、待ってるわよ?」


 渋い顔しながら、親指で自分の後ろを指すセルリィ……艦長代理……? あ、ローレライさんが?


 【……セルリィ、少しだけ席を外してくれないかしら?】

 「あ……了解しました、艦長代理……失礼します」


 セルリィが扉の前で礼儀正しく会釈してから、扉を閉めて出ていって……私はローレライさんの声を伝えている、水色の水晶球の前に行くと、


 【……包み隠さず仰有って頂きますよ? ……貴女、ホーリィの身体を借りて何をしようとしているのですか?】


 ……言われた瞬間、背中がジワリと汗で冷たくなった気がした……ローレライさん、私の事……判っているの!?



ホーリィ視点で動く回は……そーゆー回になると思います。ではまた!

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