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悪業淫女《バッドカルマ・ビッチ》  作者: 稲村某(@inamurabow)
第二章 実戦編・強敵(とも)……なんて言う訳ねぇだろブッ殺す。
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②集合しろってさ。

早朝ですが投稿致します。



 ……とりあえず、あの後……どうなって助かったんだろう?


 「セルリィよぅ……ワタシったらどーやってローレライに戻ったんだ?」

 (セルリィさん、私……どうやってローレライに戻ったんですか?)

 「……ん? うん……まず、ホーリィが【羽根付き】に反撃されて倒されてから……直ぐにクリシュナさんが駆け付けて、相手を追い払ったらしいわ」


 ……あれ? 喋ったらホーリィの口調に変換されてるわ……まぁ、いいけど……


 「ふーん……それから?」

 「……それから、バマツさんが【回収支援】の発煙筒でローレライに知らせて、それを見たアジさんも途中で切り上げて戻ってきて……」

 「うぉっ!? アイツが戻ったって? ……そりゃ、悪ぃことしたなぁ……」


 うわ……何にも気にしなさそうなホーリィさんが、露骨に済まなそうにしてるよ……そんなにホブゴブリンと対決するのが大事だったのかなぁ……


 「まぁ、クリシュナさんも随分頑張ったみたいだし、バマツもアジさんと一緒にアンタの回収やら部隊の撤収やらで活躍したらしいわよ?」

 「ふぅ~ん、そうかい……じゃ、今度い、い、い……」

 「……何よ急に……どうかしたの?」


 ……ふーっ! ふーっ! ……もぅ!! ホーリィったら何でそんな事で簡単に(今度一回ヤラせてやろうか?)なんて言うつもりなのよっ!! 気合いで抑え込まなきゃポロりしちゃうとかおかしいからッ!!

 (おいおい恵利サンよぉ~、ワタシの身体使ってるんだから、その位の度量の良さを見せてやってもいーんじゃねぇか?)


 じ、冗談じゃないわよ!! あなたの身体は今は私の身体でもあるのよ!! 私の合意無しで変な事するの禁止よ禁止っ!!

 (んだよ、頭堅ぇなぁ……ヤルなんてよ、剣研ぐのと同じじゃねーの?)

 ……どこが同じなのよ?

 (ん? ()()()()()()()()()()()()()じゃ、同じじゃねーか?)


 ……お、同じじゃないわよ!! もぅ、知らないわよ……


 ……私が不貞腐れてシーツを被ると、セルリィさんが「起きたら御飯食べに行こ?」と誘うので、少しだけ寝かせて欲しいって言うと……彼女は頭を撫でてから部屋を出ていきました……ありがとう、セルリィさん……。



✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳



 「ホーリィ、そこの台拭き取って!」

 「……ん? ……ほれ……」


 ぎこちない会話をしながら、私とセルリィさんは二人で御飯を食べてます。


 ここは強襲戦艦ローレライの船員用喫食室。私達以外にもチラホラ居るけど、みんな私達と同じもの食べてる。


 ……それを私達はひたすら、スプーンで掬っては口の中に押し込み、もしゃもしゃと噛み砕き、飲み込んでる。


 (……かりこり……もしゃもしゃ……)

 (……もりこり……もしゅこしゅ……)


 ……うん、シリアルっぽい。小麦粉みたいなのを焼き固めてバラバラにしたのかなぁ……ほんのり甘くて芳ばしい。ただ……牛乳とかはないのかなぁ……。


 (……もっくらもっくり……もくりき……)

 「……ホーリィッ!! 何か言いなさいよッ!!」

 「ふぅえぃっ!?」


 ……突然セルリィさんが怒鳴ったからビクッ、てなっちゃったよ……。うん、こんなときは……【空気読まない】大作戦!!



 「……んと、お肉とか、お野菜とかは無いんかな? なんて……」

 「……何を言い出すのかと思ったら……今日は水曜日でしょう? 残念ながらメニューは【カクリキ粉のシリアル】だけよ……アゴの鍛練だと思って諦めなさい……」


 よ、曜日でメニュー変わるんだ! ……いや、カクリキ粉って何なのよ!? ……でもまぁ、食べられない物じゃないからいいけど……ん?


 口の中のシャクシャクと格闘してると、喫食室の外から扉を開けてダダダッと駆け込んできたのは……バマツさん!


 「おっ!! 本当に起きられたんだ……ってそうじゃない!!」

 「んだよ……ワタシら飯の最中だっての……何なんだよ一体よぉ……」


 随分と勢い良く飛び込んできたみたいだけど、そんなに慌ててどうしたんだろう……?


 「……ホーリィさん、セルリィさん……艦長が、二人を探してましたよ!? ……【作戦指示書】の開封に立ち会って欲しいって……」


 それを聞いたセルリィさん、いきなり立ち上がってホーリィさん……いや、私の腕を掴み、


 「ホーリィッ!! あんた班長なんでしょ!! 【作戦指示書】が開封される時は……みんなで見て、みんなで一緒にどうするか考えるのよ?」


 あ、そうなんだ。それじゃ、行かないと駄目か……。



✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳



 バマツさんを従えて、セルリィさんと並んで歩いて艦橋(ブリッジ)にむかう。


 それにしても足取り軽いなぁ……確かにホーリィさんの身体は現実の私よりも一回り小さいけど、それより何よりアスリート体型なのかな?


 その気になってちょっとだけ走ってみる。後ろになったセルリィさんが何か言ったかもしれないけど……



 ……うっわぁ!! 速い速い速い速いぃ~っ! あっという間に隔壁の扉まで来ちゃったよって、あっ……


 がぃん、と重苦しい音を出しながら……その扉に激突……いたたたたた……おでこぶつけたぁ……


 「ちょっと、アンタ何やってるのよ……病み上がりなのに……お腹切ったらそこから脳みそ漏れたんじゃないの?」

 「……漏れてないっての……いちち……?」


 隔壁の上には……読めない字で【艦橋】って書いてあるのが判るわ……便利だなぁ、読めないのに……。


 おでこを擦りながら重い扉を開けると、そこにはローレライ乗員の皆様がみんな居て、こっちを見ていたわ……うわ、恥ずかしい登場だな、私。


 【……ホーリィ、怪我の具合はどう?】

 「んと……平気だっての! こんなのどーって事ねぇって!!」


 ローレライさんの声は静かで落ち着いてて、思わず心配させたくなくてサラッと答えていた。




そろそろ戦闘描写に……ならないとイカンかな?

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