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第9話 「陥落」


 いわゆる異世界転移ものなのだろう。と、大神は冷静に分析している。

 大神は結構なオタクであるので、その手の知識は比較的豊富である。


 いや、本人いわく、自分はオタクというほどではない言っちゃうタイプなので、どっちかというとオタクの世界の方が居心地は良いが、オタクの世界でも一般人の世界でも中途半端に浮く、という面倒くさいタイプのオタクである。


 「自分がそんな立場になるとはなぁ。もっと異世界無双出来るような事、覚えておけば良かった。」

 「?なんの事です?」

 「いや、なんでもないよ白梅。こっちのも食べるか?」

 「!?食べるのです!」


 どの道、そういう事を覚えていたとしても、開幕奴隷落ちなので意味が無いか。と、思いながら自分の分のアイスクリームも白梅に差し出す。


 当然、これも魔法で出したものだ。

 衣食住、全てが魔法で賄えるので生きていくだけなら苦労はしなさそうなのが救いだ。と大神は考えている。


 とりあえずはこの奴隷の立場から抜け出す方法や元の世界に帰る方法を探すのが妥当なところだろう。でも、元の世界に帰って仕事したくねー。そんな事を考えながら、現状唯一の癒やしである白梅の頭を撫でる大神であった。



▽▽▽▽▽



 大神の女の趣味は大人の女性である。


 身も心も大人の女性というのは、それはもう2次元の世界にしかないのではないだろうか?とも思うのだが、それはそうと、肉体的な趣味も大人の女性が趣味であり、性格として子ども好きではあってもロリコンではない。


 ロリコンは一昔、いや二昔くらい前まではオタクの基本的な素養のように言われていたが、二次元と三次元の間をウロウロするタイプのオタクである大神の趣味は比較的現実寄りであった。


 逆に言うと微妙に二次元と三次元を割り切っておらず混同して失敗するタイプなので、この歳でも大神は独り身である。


 仕事で子どもと接触する機会も多いし、年代的に友人や親戚の子達とも遊ぶこともあることから、子ども自体は好きで可愛いとは思うのだが、性的にどうしたいと思うことは無い。


 事実、先程白梅と一緒に風呂に入っても、性的な興奮はなかった。

 もっとも身体の方は若干反応してしまっていたようだが。


 そんな趣味だったのに


 「これは、流石にヤバい気がする。」


 見るからに発情している白梅の姿に、ロリコンと猫耳好きに目覚めそうになっている大神がそう呟いた。


 「ルー、ルー、白梅身体が変なのですよー、これが本当の発情期みたいなのですよー、ルー、鎮めて欲しいのですよー、ルー。」


 そういって、大神の顔に頬を、身体に僅かに膨らむ胸を少しはだけたバスローブ越しに擦りつけてくる白梅。


 猫耳がピンクにそまり大神の視界内に割り込んで来たかと思えば、そらした視線の先では、ピンと立った尻尾がバスローブを持ち上げ、白梅の白いお尻を見せつけている。


 視線を逆に振ると、今度ははだけたバスローブの中の膨らみと桜色の蕾が目に飛び込んできた。


 幼い身体からとは思えない発情した臭いがこの世界に来てから鋭敏になっている大神の鼻を甘く刺激し、その幼さと妖艶さのアンバランスな感じが大神の脳を焼いていく。


 白梅の細い腕と指が纏わりつくように大神の髪や顔、首元や胸元を弄り、本人もどうしたらいいのかわからない様子で、あぐらをかいた大神の足を白梅の太ももが挟み付け、股間を擦り付けるように微かに腰が前後に動いている。


 迷宮内の部屋では、発情期が来たら相手をしてやる的な事を言ったが、これって倫理的にヤバイのではないか?と、今更ながら大神は焦り始めている。


 自覚はなかったのだが、どうも獣の姿や人狼の姿の時はそういう倫理観が薄くなっていたようだ。


 白梅は立って並んだとしても背が大神の肩の高さまでもなく、食生活が悪いのか痩せているので、こんな風に跨がられたとしても重く感じないくらいに小柄だ。


 40を超えるおっさんが、どうみてもJCか下手するとJSに見える白梅に手を出そうというのだ。

 元の世界なら今の状態でも一発アウトである。


 「ルー、ルー、助けて欲しいのですよルー。」

 辛いのか発情しているのか、その両方なのか潤んだ目で大神を見つめ、頬を舐めてくる白梅。


 荒い吐息を隠そうともせず、そのまま猫が毛づくろいをするかのように、頬から耳、首への下が伸びてくる。


 こ、これが猫の行…。


 親子の愛をなぞる神聖なお勤めとして丁寧に何度も繰り返し覚えたが故のその丁寧な技術と愛情と欲情が込もったその行為は大神の理性を舐め溶かすには十分な効果だった。



▽▽▽▽▽



 種族特性【超回復】は精力も超回復するんだな。

 と、気絶している白梅を見ながら、大神は、ぼんやりとそんな事を考えている。


 ようやく訪れた賢者タイムの中、ラブホテル内のベッドの上の様子を見ながら白梅たちの居住区で始めなくてよかったと、迷宮内の隠し部屋での後片付けを思い出しつつ、胸を撫で下ろす大神だった。

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