第1話
おはようございます。こんにちは。こんばんは。
はるのきというものです。
初めましてですね!(多分)
ちょくちょく小説書いていきます!
改変履歴は書いていこうと思っています。
皆さんはもちろん、私も書くのが楽しいと思える作品にしたいと思います(´∀`)
桜の芽がチラチラと見れる入学式。
人生で最初で最後の自分が主役の高校入学式。
入学式、皆さんは好きだろうか。
私は好きだし嫌いだ。
即ち自分でもよくわかってない。
あまり関係ないが、持論では自分のことを理解できている人はこの地球上にほんの一握りしかいないと思っている。
単に言い訳をしたいという面もあるが、心から私はそう思っている。恐らく。
好きなものが何か、嫌いなものが何か、そういうことはわかっている、と思う。
だがその根底にある自分の思想を理解できない。自分のことなのに。
幾分か他人の思想を理解する方が楽だとさえ思えてしまう。
「学年総代1年6組、井崎涼華。」
マイクを通しスピーカーを通し私の名が聞こえてくる。
私は総代、さほど勉強などはしてはいないが名門校の総代に選ばれてしまった。
自分では馬鹿だと思っているが、周りから見れば私は天才、らしい。
私は興味のあること以外学習しない。そんな人間が天才なはずがない。
私は馬鹿だ。恐らく。
「馬鹿」というと悪いイメージを持つ人が多いだろう。
私が言うとおかしいかもしれないが、私は馬鹿という存在は天才を軽々と凌駕できる存在だと思う。
なぜなら馬鹿と貶されたり見下される人々の過半数は、ある一点に人生のすべてを捧げている人が多いと思うからだ。
アニメでも、漫画でも、鉄道でも、物作りでも。何かしらに長けていたり、長けようとしている人だ。
ある一点において天才と称される人間を凌駕できる、そう私は思う。
私の場合、観察力、だと思う。と言っても力をもてあましている節は多いが。
「はい。」
はっきりと返事をし、パイプ椅子から離れ、レッドカーペットをゆっくり、そして丁寧に歩いて行く。
体育館の壇上に続く階段を上る。校長に一礼。
「校庭の桜が花をつけ始めた――」
祝辞……人生で3回目だが、本当に面倒くさい。
親、教師、同級生から「すごいすごい。」と言われてきた。
そう言われること自体は悪いものではない。
ただ私が求めているものはそんなものじゃないと思う。親友、愛、もしかしたら絶望かもしれない。
自分で自分が何を求めているかわからないけど、私は確かに「何か」、今の人生を好転させてくれるであろう「何か」を求めている。
これだけは確信が持てる。これまでの人生では「何か」は得られなかった。
だから、高校では「何か」を得られるのではないかという期待。
その反面、得られなかったらまた「何か」をひたすら求め続けることになるのかという不安。
入学式が終わり生徒はそれぞれのホームルーム教室に入っていく。
私は「一年六組」と札のかかっている教室に入っていく。
クラスメイトとの関係の構築は入学して早々に済ませておきたいことの一つだが、総代として壇上に立てば基本自分からクラスメイトに話しかける必要はない。
いつも自然にしていれば誰かしらには話しかけられる。
席に付き、少しすると担任の教師が入ってきた。
まず翌日の諸連絡が行われ、担任の自己紹介、クラスメイト一人一人の自己紹介が済み、今日は解散となった。
すると数名の女子が話しかけてきた。その女子たちとの会話をそつなくこなし、教室を出る。階段を降り、靴箱へ向かう。
「生徒会役員募集中です!興味のある人は是非!」
女子の先輩と思われる人が生徒会の勧誘をしている。恐らく3年生だろう。
黒く長いとても綺麗な髪、桃色の唇、黒い瞳、赤い眼鏡、可愛いと言うより綺麗、彼女を構成するすべてが綺麗と称するに相応しいものだ。
「あなた、今年の1年の総代の子だよね?」
凜とした声、ここまでになると学校中の男子が彼女の虜になっていてもおかしくはない。
ただ、女子の嫉妬の的になってそうでもあるが。
「はい。そうです。」
生徒会。中学の時はほとんど関わりを持たなかったな。
「学校を良くする」それは基本的に生徒会全体の目標だろう。
だがそれにも限度がある。それも早々にその限界にぶち当たる。
生徒の過半数が一丸とならなければ目標に近づけない事案が多い。
たとえ生徒全員が一丸になったとしても経費の問題、社会的問題、その他多数のしがらみが目標の達成を妨げる。
「生徒会役員になってくれないかな?」
察してはいたが勧誘された。どうしたものか。
生徒会役員になりたいという気持ちがないと言えば嘘になる。
何か得られるかもしれないという期待がかすかにあるからだ。
部活に入る気はないから受けてもいいかもしれない。
「一日、考えさせてください。」
別段、決断を急がせる理由はないはずだ。一日くらいは考える時間がほしい。
「わかりました!じゃ、明日の放課後、生徒会室に来てあなたの意向を聞かせてくださいね。」
この人、もしや案外活発な方なのでは。一礼をし、再び靴箱に向かう。
校門を出たときふと気がついた。
彼女の名前、聞いてなかったな。完全に忘れていた。
まぁ、明日聞けばいいだろう。
誤字脱字等ありましたら教えていただければ幸いです。
話数が増えるごとにノリが来ると思うのでそれまでは各話の文量が少ないと思われます。