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異世界日本  作者: F-3
8/52

第8話 北海艦隊壊滅、奪還作戦開始





2024.3.19

東シナ海 洋上

07:42 JST




燃え盛る空母『遼寧』の中で寮艦長は部下に指示を飛ばす。


「すぐさま火を消せ!燃料に引火するぞ!!」


「艦長!もう艦が持ちません!3ヶ所も浸水しており、『遼寧』の排水能力を大幅に上回っています。」


「くそ!日本軍め!」


「艦長!機関室で火災が発生し、機関停止します!」



『遼寧』は旧ソ連時代に建造された空母であり、火災発生時の対処はお粗末と言っていいレベルであった。

さらに浸水に対する排水ポンプを中国が取り替えたとはいえ、元の設計時点で水が溜まりやすい構造であった為3ヶ所から浸水してくる海水を排出する事など無理であった。そうこうしているうちにどんどん感が傾いてくる。

嘉手納基地所属のF-22による対空ミサイルの艦への攻撃。大きなダメージを与える事は無理だが、飛行甲板に食らったら、もう航空機のは発着は不可能である。既にその時に空母最大の魅力を『遼寧』はうしなっていたのである。



「くそ!仕方がない、総員退艦せよ。」



寮艦長が悔し紛れに発言する。しかしもう遅かった。



ドーーン!!



「な!なんだ!?」


「燃料に引火しました。もう終わりです。」



艦中部の艦載機用燃料に引火した空母『遼寧』は元から古かった船体に亀裂を生じさせ、そこから艦は真っ二つに割れていった。空母『遼寧』は中国海軍北海艦隊所属になってから、わずが7年で東シナ海の海に消えていったのである。



空母1隻とその護衛である駆逐艦7隻の中国北海艦隊。日本国海上自衛隊第1護衛艦隊群の対艦誘導弾による攻撃により、3隻の護衛の駆逐艦がまだ居たが、まともに戦闘行動をとれる艦は1隻もなかった。





同時刻

東シナ海 洋上

第1護衛艦隊群『あかぎ』CIC

07:57 JST


「敵空母『遼寧』は撃沈、護衛の駆逐艦4隻を撃沈。まだ駆逐艦3隻が残っていますがかなりの損害を被っているのか機関を停止し、動きません。」


「救助に行くべきだと思うか?」


「そうですね、被害を被った3隻の駆逐艦が救助し、手当ができるほど余裕があるとは思えません。ここはDDH『いせ』と護衛艦『しらぬい』『ふゆづき』を向かわせて救助すべきだと思われます。」


「そうか、分かった、『いせ』『しらぬい』『ふゆづき』の3艦は艦隊から一時離脱、敵艦隊の生存者の救助に向かえ。」


『こちら『いせ』了解。』


『こちら『しらぬい』了解。』


『『ふゆづき』了解した、これより敵艦隊の救助に向かう。』


「もし攻撃したらその時は容赦するな。」


そしてDDH『いせ』DD『しらぬい』『ふゆづき』は第1護衛艦隊群から離脱。敵艦隊生存者の救助に向かった。


「辺野古基地に連絡、龍は沈んだ、龍は沈んだ。」


「了解、これで奪還部隊が動き出します。」


「うむ、一刻も早く奪還して台湾の援護に向かわねばな。」




2024.3.19

南シナ海

第7艦隊『ロナルド•レーガン』

13:17 現地時間


「艦長、日本国海上自衛隊第1護衛艦隊群より連絡です。敵北海艦隊を撃滅した、との事です。」


「そうか、我々も負けてはおれんな。いつ合流するんだ?」


「この後与那国や尖閣の奪還が有りますが、それは第2護衛艦隊群に任せるらしいので、明日にはこちらに合流するかと。」


「そうか、」


「あと、防衛省は台湾への援護として第18師団の派遣を決めたようです。」


「第18師団!?あの外征部隊か?日本も本気だな。」



第18師団は海外への派兵を目的に設立された本格的な外征派遣部隊である。10式戦車や16式機動戦闘車などを優先的に配備され、初めて20式小銃が全兵士に配備された師団である。

外征部隊の為戦車や戦闘ヘリの数も多く。更に兵士は自衛隊の中でもトップクラスの実力であり、PKOやPKFなどで実戦経験がある部隊も数多い。



「防衛省の話によるとなんでも、12式地対艦誘導弾も台湾に持ち込む見たいです。」


「ほぅ、そうかなら我々の負担も軽くなるな。」


「空挺部隊は与那国や尖閣奪還の為送らないようですが。」


「別に第1空挺団だけじゃないだろ、空挺レンジャーは。」


「なんでも特戦群を送るみたいですよ。」


「あぁ、特殊部隊は苦手な日本が珍しく実力でも世界トップクラスのやつか、」


「艦長、何年前の話をしているんですか?」


「日本は特殊部隊の密度が高くて有名ですよ。警察系だけでもSATやSIT、更に各都道府県警察が特殊部隊を保有しており。軍隊系だとJSASやJDF、特殊作戦群など折り紙つきですよ。」


日本は5年前の憲法改正により警察系予算なども増やされ人員、装備とも充実してきた。その為特殊部隊などに力を入れているのである。更に権限委譲で地方自治体の権限が強くなり、条例でかなり規制緩和が出来るのである、その為他の国から準連邦制ともいわれている。


「そうなのか、5年くらいで前の常識が常識で無くなるからな。移り変わりが激しいよ、全く。」


「それだけ世界情勢の移り変わりが激しかったという事ですよ。」


艦長が部下と何気ない話をしていると航空管制官から報告が届いた。


「艦長、台湾の中国軍上陸部隊を攻撃した第2次攻撃隊が帰還しました。未帰還機はありません。」


現在F-35C 8機を1個攻撃隊としている。第2次攻撃隊が着艦する前に第3次攻撃隊は既に発艦しており、次の第4次攻撃隊の発艦準備をして艦長は命じたのである。


「分かった。第4次攻撃隊の発艦準備を急げ!」


「了解しました。」


「そういえば日本の空母もF-35Cだったよな。」


「ええ、F-35Cの日本版のF-35JCですがね。」


「CとJCの何が違うんだ?」


「日本版のJC型は電子機器は国産のものですし、日本の対空誘導弾であるAAM-10が使用できるなど見た目は同じですが内容はかなり日本に適した機体になっています。」


「アメリカのF-35も電子機器は日本製だろ?」


「バージョンアップ版らしいですよ。」


「つまりF-35CよりF-35JCの方が性能が良いのか?」


「簡単に言うとそう言う事ですね、」


「日本はアメリカとイギリス以外で唯一F-35の独自改修が認められていますからね。」


「まぁ、日本が強くなってくれたおかげで我々第7艦隊は日本の援護に行かなくて済んだという事か?」


日本にはもう嘉手納基地とその他の小規模な基地しか残っていないのである。


「日本の援護はしなくて良いですけど、朝鮮があれじゃあね、」


「あいつらか、いったいどこまで世話をかければ気が済むんだ!?」


「もう北半分は占領されてるみたいですしね。」


「日本も隠岐諸島と対馬に避難命令を発令し、両島には自衛隊しかいない状態ですからね。」


「竹島の警備隊は?」


「日本があんな島に人を貼り付けると思いますか?」


「いいや、思わない。」


「そうですよ、返還された時に完全解体して、国旗と観測装置しかあの島にはありません。」


そうこう話しているうちにまた部下から報告が届いた。


「艦長、海自の潜水艦『こくりゅう』から通信です。貴艦隊から北西に42km地点で中国軍の攻撃型原子力潜水艦を撃沈した、潜水艦に注意されたし。との事です。」


「そうか、危ないなよーし護衛のイージス艦に連絡、対潜警戒を厳にしろ。」


「了解!連絡します。」


「やはり潜水艦がいたか、この付近海域の僚艦はあるか?」


「アメリカ海軍潜水艦が2隻、海自潜水艦が4隻、オーストラリア海軍潜水艦が1隻、台湾海軍潜水艦が2隻います。」


「なるほど、かなり多いな。」


「グリッド326地点で国籍不明の潜水艦を探知したと報告が、」


「ロシア艦か?」


「いいえ、ロシア艦なら日本の要請により敵味方識別信号を発信します。それにロシア艦はわざわざ誤射する可能性の高い海域には来ないと思いますが。」


「そうだな、台湾の戦局の様子はどうだ?」


「第18師団が援軍に来てくれるとあって士気はとても高いです。既に我が軍空自の戦闘機により制空権を確保、2時間後には第18師団が台湾に上陸します。」


「東南アジアの方は?」


「こちらもインド軍が支援に入り始めてから戦局は膠着状態で、中国海軍によってかなりの被害が出ています。

こちらの方には3隻の空母が展開してますので航空戦力もかなりの物でして、今オーストラリア空軍やインド空軍がフィリピンやマレーシアの飛行場に展開してますのでこれからかと思われます。」


「朝鮮半島は?」


「此方はかなり酷いです。朝鮮共和国軍は各地で敗退を続けており、平壌を占領されソウルが今は戦場になっています。」


「日本は何もしないのか?」


「要請があれば航空支援くらいはすると思われますが、要請すら来ていないので自衛隊は動いていません。対馬や壱岐周辺などの警戒をあげているぐらいですね。

日本に支援を要請したら陸上戦力は無理だろうが航空支援によって中国軍はズタズタになるだろうに。」


「あいつらの事はよう分からん。日本に助けられておいて日本でテロを起こすからな。ロシアがなんとかしてくれるだろう。」


「私としては頼むから壱岐諸島に爆弾を落とさないでほしいですね。今度旅行に行く予定ですから。子供達も楽しみにしている旅行を潰さないでほしいです。」


「もうこの戦争で潰れているような……」


「いえ、今妻と子供達は壱岐諸島にいます。島民や観光客は全員避難したようなので無事だと連絡が来ましたが。」


「一旦アメリカに帰国するの?」


「いいえ、北海道に目的地を変更します。」


「あっそう、じゃあその恨みをあいつら(中国軍)にぶつけておけ。」


「分かりました。」



中国との戦争はまだまだ続く。





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