第49話 日本赤軍の最後
2042.6.5
日本連邦国 首都東京特別区
総理官邸 会議室
09:44 JST
「ではNSC国家安全保障会議を始める。まず初めに魔法省から松本魔石貯蔵庫襲撃事件について話してくれ。」
「分かりました。皆さんも知っての通り、魔石はC、D、Eクラスしか民間に出されていません。そしてS、A、Bクラスの魔石は国内4ヶ所にある魔石貯蔵庫に保管されています。そしてその内の1つである長野県松本市にある松本魔石貯蔵庫が襲撃されました。この襲撃で警備に当たっていた警察官3名が殉職され、8名が重軽傷を負いました。では時系列を持って説明させて頂きます。
02:15に貯蔵庫の扉や警備所に向け対戦車ミサイル、後にRPG-7と判明されましたが、それが撃ち込まれ、その後AKで武装した戦闘員が貯蔵庫を襲撃、Cクラスの魔石12個、Bクラスの魔石4個を奪われました。
02:40に通報を受けた松本駐屯地の連邦陸軍のOH-2多目的ヘリが4機貯蔵庫上空に展開し、03:20に連邦陸軍の部隊が現着しました。この時点で襲撃者24名のうち18名を警備の警察や現着した連邦陸軍の部隊が射殺、しかし6名が付近の山地に逃げられました。その後松本駐屯地のOH-2全機の12機や警察のヘリが付近の山地を捜索、軍や警察官2600名を動員しました。結果2名を賭博、4名は反撃してきた為ヘリの機関銃で射殺し、奪われた魔石16個のうち14個を確認、その後の捜索で山中に落ちていた残り2個の魔石を発見し、この事件は犯人24名のうち2名を逮捕、22名を射殺して終了しました。」
「その襲撃してきた人らは何者か分かったのか?」
「ええ、2人が吐きました。犯人は日本赤軍の一員らしいです。」
日本赤軍、学生運動から派生した過激左派である。ダッカ日航機ハイジャック事件やテルアビブでの銃の乱射事件など数々の凶悪なテロを起こしてきた国際テロ組織である。しかし公安の捜索により日本に戻ってきたリーダーの重信房子を大阪府高槻市で逮捕し、日本赤軍の解散声明が出されて解散されたはずであった。
「日本赤軍は解散した筈だろ?」
「リーダーの重信房子を逮捕して解散声明を出しただけです、残党達は韓国、その後朝鮮になりましたが、そこに潜伏し、韓国政府の援助を受け、力を蓄えていたそうです。」
「チッ!韓国政府か、それで日本赤軍の規模は分かったのか?」
韓国政府の中の韓国国家情報院は日本に対する工作で日本赤軍を利用していたのである。しかし朝鮮戦争で韓国は大打撃を受け支援どころではなくなった、その後統一朝鮮で支援を開始するが日本の転移により支援は無くなり、日本赤軍の構成員もかなり失ったのである。それが転移から7年経って表立ってきた理由である。
「ええ、公安の方でも解散声明で無くなったと思っておらず、ゼロを中心に捜査を続けており、大体の規模は。」
ゼロは国家公安委員会の中でもその存在が公にされていない特殊組織である。日本赤軍のリーダー、重信房子を発見し、公安の他の部隊に知らせたのもゼロである、ゼロは徹底した裏仕事の組織なのである。
「情報によると3月12日にエーテルラント経由で日本赤軍のメンバー4人がグローニン帝国に渡ったとの事です。」
「グローニン帝国か、」
「しかしその事を知っていた公安は彼等に発信機を付け、衛星で常に位置を確認しているとのことです。しかし、」
「ん?しかし、なんだ?」
「発信機情報によるとその4名、今はグローニン帝国の監獄にいるらしいのです。」
グローニン帝国は合同艦隊の攻撃により帝都は混乱の極みになり治安も急速に悪化、その為軍はありとあらゆる人を監獄に入れており、それに巻き込まれたのである。自業自得である。
「監獄?はっ!まぁそうなるだろうな。」
「陸軍の特殊部隊に確認させに行かせたので間違い無いかと。」
「それで?どうするんだ?」
「わざわざそんな奴ら助ける必要無いだろ、ほっといていいんじゃないか?」
「まぁ、そうだな。そんな奴ら税金を投入してまで連れて帰る必要は無い。残りの日本赤軍の奴らも軍を投入していいから潰せ。」
「分かりました。しかしアジトを襲撃しますと、民間人への被害が、」
「彼等を野放しにする方の被害の方が多い、なるべく出すな。しかしそれで逃げられるなら仕方がない、公安に根回しを頼め。」
「分かりました、その方向で行きます。」
実は新憲法施行により、国会の承認無しで出せる軍があるのである。日本連邦国陸•海•空軍は国会の承認が必要なのだが、日本連邦国統合多目的軍に関しては内閣の独断で動かせるのである。統合多目的軍はHMFや特殊作戦群、情報保全隊(諜報組織)、衛星運用部隊などがあるのである。その中で今回は特殊作戦群を動かすつもりなのである。
2042.6.24
日本連邦国 某所
日本赤軍アジト付近
23:50 JST
日本の何処にでもありそうな山間部の村に日本赤軍の本部はあった、捜査の結果村丸ごとが日本赤軍のアジトなのである。
村の人口は180名、つまり180名全員が敵なのである。今回の制圧は日本連邦国統合多目的軍の特殊作戦群24名のみである。その他にも陸軍のスナイパー部隊が村を囲む山中に控えていた。今回の目的は殲滅、賭博する必要は無い。
そして24:00になった途端4名ずつに別れた特殊作戦群全6班は各家々に別れていった。そして寝ている日本赤軍構成員を1人、また1人とナイフで刺殺していった。
起きている物は消音器を付けた20式小銃で同時射撃で脳天を1発で仕留めていった。飲み物を買いにいこうと歩いていた構成員は人目につかない所に入った瞬間スナイパーのM24の餌食になっていった。誰一人として襲撃者の存在に気づかないまま、あの世にいった。
普通の家と変わらないが、家の地下室にAKを作ったと思われる場所を発見したり、リンチをしたと思われる場所を発見したり、普通の家とは明らかに違っていたのは特殊作戦群も分かっていた。
そして作戦開始から40分後の00:40、日本赤軍の本部の壊滅に成功した。そして迎えにきたヘリコプターに全員が乗り込むと、本部を後にした、そして隊長と思われる人がある機械のスイッチを入れると、轟音とともに村の背後にあった山が山間崩壊を起こし、村の隅々まで飲み込んでいった。
翌日
日本連邦国 首都東京
総理官邸 食堂
12:00 JST
『ここでニュースをお伝えします。群馬県の山中で土砂崩れが発生し、◯◯村が消滅しました。現場の様子から山間崩壊が起こったのでは?とする専門家もいますが定かではありません。◯◯村には住民124名が住んでいたと思われますが、土砂が村全土を覆い尽くし、警察や消防、陸軍による懸命の救出活動が行われていますが、まだ生存者発見の一報は入っていません。この◯◯村の付近は地盤が弱いと専門家も指摘しており、恐らくなんらかの拍子に一気に土砂が崩れ、山間崩壊が起きたと防災省関係者は推測しています。村は山と山の中腹にあり、片方の山が崩れた衝撃でもう片方の山も崩れ、約40m程土砂が埋まっていると推測されます。』
大型液晶テレビに皆が釘付けになっているところに離れて見ており、2人が話していた。
「まさか山間崩壊を起こさせるとわな。」
「そのくらいしないと死体は腐りませんし、でないと射殺されたのが丸わかりですからね、丁度台風の影響で1週間程雨か降りますから、救出活動は延期されます。」
「武器があったらしいじゃないか?持って来たのか?」
「いいえ、置いて来ましたよ。見つかったら何処か武装組織のアジトだと分かりますからね、天罰とか言い出しますと、都合が良いですから。」
「そうか、まぁ実際は爆弾で引き起こしたものだがな、しかしもう片方の山まで崩れるとは、本当に天罰かもな。」
「そうかもしれませんね。作戦は成功、特殊作戦群に1人の死者も出ておりません。」
「うむ、ご苦労だった。」




