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異世界日本  作者: F-3
18/52

第18話 2年後



〜2年後〜


 日本が地球から消えて2年後、日本国はノルマーク王国の仲介の元、レアリスタ大陸各国の国と国交を結んだ。大陸の各国は農業国などであった為日本の工業製品が莫大に売れた。それは大陸が転移する前にいた世界の構造が深く関係していた。



 ノルマーク王国を含むレアリスタ大陸各国のいた世界は地球の約半分ほどの小さな星であった。しかし海がとても広く、あるのは2つの大陸のみであった。レアリスタ大陸ともう一つはグローニア大陸である。レアリスタ大陸は肥沃な土地が広がり地下資源にもとても恵まれていた。

 しかし一方のグローニア大陸は山が多く急勾配な為水力発電に向いていたのである。その為その大陸にある各国の政策も自ずと決まっていた。レアリスタ大陸の各国は豊富な食料と資源をグローニア大陸各国に売却し、グローニア大陸各国はレアリスタ大陸から輸入した資源を加工し、レアリスタ大陸に輸出していたのである。

 その為レアリスタ大陸各国は農業国に、グローニア大陸各国は工業国になったのである。その為グローニア大陸には農地は殆ど無く食料自給率は0%に等しかった。一方のレアリスタ大陸は食料自給率は100%を優に超えていたが武器弾薬を除く生活用品はグローニア大陸各国から輸入する大きな経済活動圏が出来上がっていたのである。



 おそらくレアリスタ大陸が転移し、消えた為食料自給率がほぼ0%であるグローニア大陸各国は崩壊したであろう。その崩壊は地球より酷いと考えられた。何故なら資源だけならまだしも食料まで途絶えたのである。おそらく15億人のうち14億人は飢えで命を落とすだろう。

 今まで安く効率のいいレアリスタ大陸に食料を頼っていた罰とも言える。何せ自分達で一切賄おうとしなかったからである。

これが21世紀ならなんとか技術で一部克服できるが、まだ20世紀である、恐らく不可能であろう。



 レアリスタ大陸各国の合計人口は2億程度だが、グローニア大陸各国の合計は15億人を超えていた。レアリスタ大陸とグローニア大陸の面積はほぼ同じなのである。グローニア大陸の主力産業は工業と商業、観光業であり、レアリスタ大陸の主力産業は農業、鉱業、観光業、商業である。

 そしてレアリスタ大陸が転移してきた時、食べるのには全く困らなかったのだが日常生活用品が全く不足していたのである。軍事工場などの限られた工場のみしかない為、日用生活品が不足していたのである。それは日本が転移する時まで続いた。

 しかし日本が転移してきてガラリと変わった日本の食料自給率は60%、つまり40%分何処からか補わなくてはならない。そこで日本はノルマーク王国などのレアリスタ大陸諸国から食料や資源を輸入し、日本は工業品を輸出する関係が出来上がったのである。更に日本が輸出する工業製品はグローニア大陸諸国が輸出してきた製品より少し割高だがとても品質が良いのである。

 日本は転移後特定技術流出防止法を施行した為過度な技術流出は無かったが、レアリスタ大陸各国からすればとても良い品質だったのである。



 日本が国交を結んだレアリスタ大陸の国家は次の5つであるノルマーク王国、リーディスラント皇国、リーベルニア共和国、アルベルト王国、ノースラム共和国である。レアリスタ大陸には7つの国がある。しかし転移2年経っても日本はその残りの2ヶ国と国交が結べなかったのである。その理由は両国がある島を巡って争っているからである。

 その2ヶ国はロシュ共和国とアーカイム王国である。ロシュ共和国もアーカイム王国も議会民主制なのだがロシュ共和国で右翼派が選挙に勝利し、軍備拡張を始め、それに対抗してアーカイム王国も軍備拡張を始めたのである。

 日本としては止める気もないが関わる気もなかったのである。そして残りの5ヶ国も関わりたくなかった為ほったらかしだったのである。



 日本はレアリスタ大陸5ヶ国と経済•軍事同盟を結んだのである。それがNMRANAナムラーナである。各国の頭文字をとったのだが、NMRANAは最初経済連合だったのだが、日本の軍事力(防衛力)を見た各国武官が軍事目的も入れたのである。

 そしてそのNMRANAに今年入ったのがエールスタント連邦である。地球にもレアリスタ大陸の世界でもない別の世界から来たのだが、日本が仲介役になりNMRANAに加盟したのである。エールスタント連邦は島国であり4つの諸島で構成している連邦国家である。技術力は1970年代であるが核兵器などは保有していない。



 ちなみに日本は2035年5月24日に国民に核兵器を保有している事を発表、反対もあったが2025年に非核三原則を撤廃している為問題は無かった。当然国会でも大論争になったが核兵器保有数を公表する事と地上発射と空中発射の発射方法は行わないという条件の元国会で認可され更に『あすりゅう』型原子力潜水艦の5番艦と6番艦の予算も承認された。その為日本は核保有国なのである。

 そしてNMRANA内で核兵器の開発を永久禁止し、核保有国はこの世界の安全の為に日本のみで可決された。他の6ヶ国もこの時核兵器のみ存在を初めて知ったのだが日本はすでに保有しており、日本以外に保有させたくないのと日本が保有していたらその同盟国である我が国も核の傘に入れる為である。



 そして原子力発電所などの核の平和利用も禁止された。更に日本はNMRANA加盟国が違反していないか各国の研究施設を調査する権限を持つ事も決められた。

 日本は2025年に九州電力の川内原子力発電所がスクラム停止し、2018年に56基あった原子力発電所発電機はその後解体などされ現在26基残っている、ちなみに最終処分場は北海道の山奥の地下800mに建設され、そこに核のゴミは入れられる。

 しかし転移前そういうゴミを世界各国に高値で引き取ってもらった為、日本には低レベル放射性廃棄物しか残っていない。つまり新たに核爆弾を製造しようとしても不可能である。



 そして西暦2037年日本は高度経済成長を超える勢いで経済成長をしていた。理由は明白各国日本から莫大な量の工業製品を購入した為である。その為日本のGDP成長率は転移した2035年は海外資産を売却した事で6%、2036年は7%、2037年は8%台を超える勢いであった。

 それに伴い税収も増加していった。そして世界は平和であった、この2年間は。



 エールスタント連邦と同じ時期にもう1つの国が転移してきたのである。それがレムリア共和国である。レムリア共和国は人口6500万人であり、共和制であるがレムリア共和国は他国を植民地にし、その富を吸い取る事を良しとする国家であったのだ。

 更に技術は1960年代であり他のレアリスタ大陸各国に比べ格段に上だったのである。まずレムリア共和国の餌食になったのはアーカイム王国と争っていたロシュ共和国である。

 レムリア共和国はロシュ共和国に宣戦布告も無しにいきなり攻撃を仕掛け占領、ロシュ共和国をあっという間に占領した戦力にアーカイム王国も勝てるはずなかったのである。

 レムリア共和国が転移してきて僅か4ヶ月で両国合わせて120万平方キロメートルもの領地がレムリア共和国の物になったのである。



 しかし流石のレムリア共和国もこれ以上の東進は国力的に無理であった。その為現在は束の間の休息期間である、そして NMRANA各国は日本に軍事的支援を求めたのである。簡単に言うと日本製兵器の売却を希望したのだ。



 日本は転移前に防衛装備をインドなどに売却している為売却にはなんの問題も無い。問題あるのは現在自衛隊が使用している装備をそのまま売却するのは不可能である。旧式装備かダウングレード版のどちらかである。

 しかし生産元のIHIや三菱重工業、川崎重工業もNMRANA各国に兵器を売却したかったので試作はいくつも完成していたのである。

 戦闘機に関しては2035年に航空自衛隊の中途ジェット練習機であるT-8を改装する案が1番効率が良くやすい為戦闘機に関してはT-8をベースに改装する事に防衛装備庁で各企業担当者との会議で決定された。

 戦車は陸上自衛隊の10式戦車の1型も2型も無理である。1型はテロ対策として12.7mm機関銃を遠隔操作にしたりした。2型は砲を44口径120mm滑腔砲を50口径125mm滑腔砲に換装したものだ。しかしどちらも明らかにオーバーキルである。その為74式戦車のダウングレード版に決定した。その代わりエンジンは整備しやすいのに換装されている。



 最後に艦艇だが現在日本に空いているドックなどないのである。海上自衛隊は新たに第5護衛艦隊群を設立し、更に第1護衛艦隊群〜第4護衛艦隊群の編成を2個護衛隊8隻から3個護衛隊12隻に変更したのである。

 つまり5個地方隊を含め護衛艦は47隻あったのが2020年に55隻となり2035年には71隻にまで増えたのである。しかし2019年から 2035年の間の16年間に建造されたのはむつき型護衛艦12隻、ふぶき型5隻、あさぎり型4隻、まや型4隻、あかぎ型2隻、ほうしょう型2隻の計29隻である。

 旧式艦の更新なら1年に2隻は必要なのだつまり海上自衛隊は旧式艦が多くその更新の為ドックを他国の為に割く余裕はないのである。

 その為海軍艦艇に関してはドックの不足により不可能とお断りした。しかし戦闘機や戦車など遥かに強くなるのは確かである、更に自衛隊が派遣されたらそんな事全て解決である、その為NMRANA各国共文句は無かった。

 日本の国内事情に口を挟みたく無いのが1つの理由だが1番は日本に逆らえないと言うのがある。NMRANA内での各国の地位は平等だがこの世界唯一の工業国であり、かつ圧倒的な経済力と技術力を持つ日本に逆らえないのが理由で実情である。






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― 新着の感想 ―
[良い点] ストーリーとかは面白かったです [気になる点] であるを多用しすぎて内容はそこまで入ってこなかったですが…
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