五木大輔side
舟山勇人、五木大輔の絡みsideです。
性格は違う、でも何だか気になる。
何気ない出会いが未来を示してくれたりする。
そんな二人は、学校で更に刺激的な個性の面々に出会う。
子ども同士に遠慮なんていらないんです。
最低限のモラルだけ所持していれば…。
ーーー俺は身長は高いし、ガタイもいいから嫌煙されていた。
だから、関東に行けばだれかしら気にせず話せるだろうってそれだけで進学先を決めたんだ…。
たまたま入ったゲーセンで誰かが叫んでいた。
『…くそ！あと一回あればクリア出来るって時に…！』
ゲーム機を殴りつけてまで悔しがるなんて、いい年して清々しいヤツもいるもんだと思って財布から100円玉を取りだし、入れた。
…チャリン。
金髪の如何にも不良っぽい出で立ちの垢抜けない男がびっくりして振り向いた。
『…え？』
『…あと一回でクリア出来るんだろ？頑張れよ。』
俺はそのままゲーセンをあとにした。
…飲み物でも買おうと財布を出す。
『…あ～、さっきので小銭最後だったな。5000円使えねぇし。』
コンビニに行こうか悩んだ矢先にあの金髪が自販機に1000円札を入れた。
『…ん？おまえ、さっきの…。早いな、言うだけあってもうクリア出来たのか。流石だなぁ。』
『か、借りた金くらい返さねぇとだからな！利子くらいつくぜ？』
『マジ？じゃ、遠慮なく…。』
『ちょっ！それ一番高いや…！』
『なぁんてな。これで。』
選んだのは一番安い缶コーヒー。
ヤツも同じものを押した。
面白いヤツ…。
でかい男が二人でいるのは目立つ。
しかも、ガタイがいいのと金髪。
だが、何だか心地好かった。
親近感を覚え、話しかける。
『…そういえば、おまえ何て言うんだ？俺は五木大輔。』
『ああ、舟山勇人ってんだ。』
『いくつ？』
『15。』
『マジ？一緒じゃん。』
『マジで？お互いわかんねぇな。』
他愛もない会話が弾む。
…しかし、それも束の間だった。
舟山の顔色が変わった。
目の前にはニヤニヤ顔の人相の悪い不良共。
舟山にいちゃもんをつけているようだ。
…イライラした時だった、舟山が突然殴られた。
俺はその瞬間、その男を殴り飛ばした。
『…へ？』
隣でびっくりしている舟山がいたが、構ってはいられない。
『何しとんのや！喧嘩売るなら正々堂々やらんかい！』
（脳内で正しく置き換えください。）
腸が煮え繰り返っていたから。
奴等は捨て台詞を吐きながらみっともなく逃げていった。
『…こっちの奴等は殴れたら理由なんかいらないんだな。おまえは正しい。やり返さなかった。本当に強いヤツは弱いヤツを守るもんだろ？』
俺は舟山の男気を感じていた。
…それから、俺たちが再会したのは入学式の日。
あの出会いは、俺の人生を変えたんだ。
出会いは大切です。
あなたも友達を思い返して見ませんか？
