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木梨蘭華side

生粋のお嬢様で本当に頭のよい女の子です。

親の反復しない人は成長もしないでしょう。

自分は自分だと叫べるか叫べないかでも人生は変わるんじゃないかと思います。

…何て退屈なんでしょう。

作り笑顔ばかりが私の周りを囲っていた。

おうちのランクで変わる態度。

持ち上げられている者が、必ずしも嬉しいだなんて思わないでほしい。

ランクなんて、親のランクじゃないですか。

子どもには関係ないはずなのに…。


仲良くするお友だちまで決められてしまう。

会話内容も粗方決まっている。

お嬢様らしい言葉選び、立ち振舞い。

好きな話もろくに出来ません。

こんな状態では、おうちにいても学校にいても休まるときがないですね。


「あなた方はご両親の言葉を反復するしか能がないのですか?」

…イライラして棘のある言葉を言ってしまいました。

口調はいつもと変わらずに。

一瞬で空気が凍りつきました。

そうでしょうね。

この場所には似つかわしくない言葉です。


けれど、ご機嫌取りの言葉は聞き飽きました。

自分の言葉を発っせないのならば、口などない方がいい。

そんな口、捨ててきてください。

私は立場が上だからと敬われ、畏れられるのが一番嫌いなんです。


おうちに帰れば父が一番上。

母は型通りの大人しく反抗する気力のない人。

私はうんざりです。

人は誰しも同じ立場であるべきですよ。

お金があるから?

地位が高いから?

そんなもの、死んでしまったら無価値です。

死ななければみんな同じになれないなんて、生きていて楽しいなんて思いません。

一方通行の会話ほど詰まらないものはない。

疑問を抱かないでいる人なんていない。

口に出来ないなら、考えていても無意味です。

父のように自分が正しいと思い、反論を受け付けないような人は嫌い。

弱いことを認めたくないだけじゃないですか。

ああいう人は反論されたら、ムキになって支離滅裂なことを口走るんですよね。

その方がよっぽど恥ずかしいと思いませんか?

相手を否定するだけ否定して、自分を棚に上げる。

…最低ですね。


学校での発言は父の耳に入り、糾弾という名の一方通行なお説教を受けました。

私は笑顔を崩しません。

中身のない言葉なんて耳に届くわけありません。

私が何も意図もせず、無鉄砲な発言をするとでも?

…この機会チャンスを待っていたんですよ。


私には行きたい学校がありましたから、この際、父を粉砕してでも行くつもりでした。

「いつまでも親に怯えて生きていく彼女たちを重ん図っただけですよ。

縮こまったままで生きていくなんて、私は真っ平ごめんです。

お父様は一度だって中身のある、為になるお話をなさって下さったことはありませんでしたよ。

ただ頭ごなしに自分の話をするだけでした。

内容なんてありませんでした。

ただただ自分を立てたいだけの方に誰が賛同するものですか。

いい機会です。私、進路は自分で決めさせて頂きます。」

…中身云々を抜きにすれば、私も父と変わりませんね。

反論を受け付けずに、返答も待たずに言うだけ言って実行してしまったのですから。

しかし、後悔はありません。

《お嬢様の我が儘》と言われなくなる為には我を突き通さねば、始まりもしないのですから…。

彼女の気質は父親譲りなのでしょう。

しかしながら、彼女は父親を尊敬もしているのです。

子を思わない親がいないように、親を思わない子もいません。

間違った認識であろうとも…。

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