恋人達の時限爆弾♪
「またね!」って、あなたに手を振って別れたのは、つい5分前なのに、
交差点で立ち止まったことを幸いに、バッグから携帯を取り出し、あなたをコールする。
「もしもし、どうした?」
デジタルが伝えるあなたの男っぽい声に体がキュンとなる。
「うん、眠る前にもう一度声が聞きたかったんだ」
「なんだ、そうだったのか。可愛いこと言うじゃない」
歩行者信号が青に変わった。
でも、私は携帯を耳に押しあてたままで立ち尽くす。
ほんのりと笑顔を浮かべて・・・。
あなたの息遣いを感じているうちに、少しずつ少しずつ、切なさが、恋しさが、淋しさが私の中でめざめて増殖していく。
「もう少し一緒に居てやろうか?」
「ええ!いいの?明日早いんでしょう?」
言いながら、もう踵をかえしている私。
「嫌なら無理にとは言わないけどさ」
「う~ん、どうしようかなぁ・・・」
小走りに道を引き返す私。
「今どこ?俺がそっちへ行くから」
あなたの声は、とっても弾んでる。
「うん・・・」
体いっぱいに言葉が溢れているのに声に出せない。
携帯を握りしめたまま、走る、走る、走る。
車のヘッドライトが次から次へと私を照らし出しては遠ざかる。
あの、コンビニの角を曲がれば、あなたがいる。
あと少し、もう少し。
あなたの胸に飛び込んで頬を寄せる2分後の私を想像しながら、私は夜更けの街を走り続ける。