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とある異世界の村で、結婚5年目を迎えた夫婦の話

作者: ふーちゃん
掲載日:2023/12/26

「ふっ、今日もいい汗かくべ」

「クリス、準備は良いかしら」

頭に麦わら帽子を被り、かっぽう着姿の妻・リリーは、両手を夫・クリスへ向け、魔法を唱えた。

短い詠唱を幾つか唱え、クリスの身体が眩い光に包まれる。

間もなくして、クリスとリリーの頭の中に、唱えた魔法の効果が言葉として響き渡る。


脚力強化+1,素早さ+1,体力+1,筋肉増量+1,刃物強化+1・・・・・・


「リリーの付与魔法は今日も完璧だべなぁ~」

にっと満点の笑顔で、構えた鍬を振り上げる。

瞬間。

「うぉぉぉぉぉぉぉっっっっっ!!!」

クリスは、振り上げた鍬を地面に突き刺し、振り上げ、また突き刺した。

常人とは比べようもないスピードで、クリス夫婦の畑が耕されていく。

叫び声と共に耕されていく畑と夫の仕事姿を、リリーはうっとりとした表情で見つめた。

「す、素敵だべぇ。さすがおらの旦那様だなぁ」

ほぼほぼ付与した強化魔法のお陰なのだが、リリー曰く。

魔法の恩恵を受けやすい体質の旦那あってこそと、常に夫をよいしょする。

一般的にそんな体質など存在しないのだが、クリスに惚れまくっているリリーの目は曇っていた。

恋は盲目とかいうやつである。

通常3日は掛かる畑の耕起も、クリス夫婦にかかれば半日で終了する。

ふぃ~

近くの大木の根元にゴザを敷き、木陰に流れる風を感じながら、手にした冷たい茶を口に流し込む。

「労働した後の茶は格別じゃ~」

「ですわね~」

茶を飲んで、再びほぅっと間の抜けた言葉を口にする。

「クリス、ちょっと早いけどお昼にするべぇ。今日は、おいなりさんを作ってきたんじゃぁ~」

「わしの大好物だなぁ。これを食べたらまた色々頑張れそうな気がするべ」

決して一般のご家庭には見せてはならない表現を、右手を使って表現したクリスは「今晩どう?」と妻・リリー向かってウインクする。

ポッと顔を赤らめ、両手で頬を抑えるリリー。

すっと片手を上げ、クリスに向かってグッドポーズ。

つまりOKである。

クリス家のベッドと、リリーが歓喜の悲鳴を上げるのである。

「そうと決まれば夜に備えて食うもの食っとかんとの~」

おいなりさんを摘まんでひょいと持ち上げ、クリスはリリーの口元へ持っていく。

「リリーも沢山食べて体力つけとかんと、今夜は寝かせんぞ~」

にひひと笑うクリス。

ポッと頬を赤らめるリリー。

結婚5年目。夫婦の仲は、まだまだお熱い様である。

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― 新着の感想 ―
[一言] こうやって冷静に考えると魔法って便利ですね……。 もちろん魔法を使いこなすまでの努力などは必要でしょうけど、身体能力やもしかしたら思考力とかも強化してもらえれば無双できるかも!(`・ω・´)…
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