表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
カモネギッ!  作者: 袋小路梟
1/31

プロローグ

 目を覚まさせたものは、母親の良く通る声でも目覚まし時計のアラームでもなく、轟々と燃え盛る炎だった。

 まだ夢の中なのかと思ったのだが、フローリングの上に転がっていたゲームのコントローラーがぐにゃりと変形しているのを見て、現実に起きていることなのだと理解した。

 瞬時にベッドから降りて部屋から飛び出そうとしたが、橙色の炎がドアを飲み込み、出口を塞いでいた。

 黒煙は部屋全体を包み、触手のようにうねりを上げて迫る圧倒的な力を前に、本日九歳を迎えたばかりの柔らかい肉体では、為す術も無くベッドの上で固まる他なかった。

 誰か助けて。誰か助けて。声を絞り叫んでみるも、今まで感じた事のない熱量が喉を焦がし、咳き込むばかりで声にならない。

 だんだんと視界もぼやけ、ベッドに倒れこんだ。


「大丈夫かっ!」


 窓ガラスが割れる音がともに、炎を纏いながら大きな黒塊が飛び込んできた。


「……たすけ……て」


 薄まりゆく意識の中、震える手を必死に伸ばした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ