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怪盗イタッチ大作戦!!  作者: ピラフドリア
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第98話 『ディアー』

怪盗イタッチ大作戦!!




著者:ピラフドリア




第98話

『ディアー』





 ダッチの居合により、機械であるディアーの身体が露になる。その姿を見たキツツキ刑事が目を丸くして、言葉を漏らした。




「あの身体……まさか……」




 キツツキ刑事の漏らした言葉を耳にしたアライグマ警部補は、疑問を持ち問いを投げる。




「知ってるのか?」




「はい……。前に関西の同期が追っていた事件、そこでサイボーグの話を聞きました」




「サイボーグ?」




「身体を改造した機械人間ってところです……。その事件では人行方不明者がサイボーグ化され、記憶も心も全て奪われて犯罪に手を染めていました。サイボーグの逮捕を試みたが、結局捕まえることはできず……」




「じゃあ、あの二人がそのサイボーグ……」




「その可能性もありますし、別のサイボーグの可能性もある。でも、関係者なのは間違いありません……」




 二人がディアーの正体について話し合う中、居合で倒しきれなかったダッチは、刀を抜いて構え直す。




「機械だから音波は効かないってことか……」




 ダッチは刀を両手で持ち、ディアーに斬りかかる。ディアーは斧を振り回して攻撃を仕掛ける。

 しかし、身体を逸らして躱したダッチは、ディアーの懐に潜り込むと、刀を突き立てた。




「硬いな……」




 だが、ダッチの刀はディアーの身体を貫通することなく弾かれてしまった。

 ディアーは斧を振って攻撃を続ける。だが、ダッチのいる位置が近すぎるため、ディアーは力が入り切らず、斧を持つ腕をダッチに掴まれてしまった。




「体に攻撃が効かないなら……」




 ダッチは片手で刀を握りしめると、ディアーの斧を切り、武器を破壊した。




「これで戦えないな……」




 武器を失ったディアーは力が抜けたように崩れ落ちて、地面に手をついた。




「ディー!!」




 スティンクが弟を心配そうに呼ぶ。イタッチは力を失ったディアーの近くに行くと、折り紙で拘束した。




「よくやったな。ダッチ」




「何が俺には厳しい相手だ。俺が負けるとでも思ってたのか?」




「勝つのは分かってた。だが、成長を感じられて良かったよ。効かなければ作戦を変える、イノシシみたいに突っ込んで行かなくて良かった」




「そんなことするかよ」




 イタッチ達がディアー達を拘束すると、橋の両端からパトカーのサイレンが聞こえだす。




「応援が来たみたいだな」




 イタッチとダッチは橋から飛び降りる。橋の下にはボートが停められており、そのボートに乗り込んで現場から姿を消した。




「……行ってしまいましたか。警部……」




「ネコ刑事。お宝はどうなった」




「あの短時間ですよ、盗めるはずは……」




 フクロウ警部に頼まれて、ネコ刑事はトラックにあるお宝を確認に向かう。トラックの中を見ると、そこには……。




「無くなってる……」




「やられたな」








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