第97話 『ダッチvsディアー』
怪盗イタッチ大作戦!!
著者:ピラフドリア
第97話
『ダッチvsディアー』
ダッチとディアーが向かい合う。その二人を見て、フクロウ警部が心配そうに言葉を漏らした。
「大丈夫なのか……。流石のダッチでもアイツの相手は……」
一度戦ったフクロウ警部だからこそ分かる。ディアーはかなりの実力者だ。四神のダッチとはいえ、荷が重いのではないか……。
そんなフクロウ警部の独り言に、腕を組んで見守るイタッチは答えるように独り言を呟く。
「今のダッチなら厳しい相手かもな……。だが、近いうち、信四神会を相手にするなら勝てないといけない相手だ」
顔を合わせず、独り言で会話するイタッチとフクロウ警部に、マグロ巡査が困った顔をする中。
ダッチとディアーはお互いの武器を持ち、斧と刀をぶつけ合った。
激しい攻防戦。お互いの武器が火花を散らし、一瞬の油断も許さない状況。
「コイツ、予想以上にやるな!!」
「………………」
二人は一度武器をぶつけ合うと、一旦距離を取り、間合いを測り合う。
「離れた……ダッチはあれをやる気か」
二人の戦いを見ていたフクロウ警部は、ダッチの次の行動を予測する。そしてそれはイタッチも同様だ。
そしてイタッチは衝撃の言葉を口にした。
「そうだな。だが、あの技は通じない」
「なんだと!?」
ダッチは刀を横に持つと、刀を小刻みに揺らし始めた。
刀が揺れ始めると、振動により音が生まれる。その音は橋の全体に響き、橋の下にある波にすら影響を及ぼす。
「なんだこれ!?」
ネコ刑事やマグロ巡査はその音に耳を塞ぎ、歯を食いしばる。
この音による攻撃。その効果はディアーには……。
「………………」
全く効果がなかった。
「効いていない!?」
フクロウ警部はダメージを受けていないディアーの姿に驚く。だが、イタッチは当然のように戦いを見守る。
「ふ、この程度の音で私の弟がやられると……」
さらに効果がないのはディアーだけではない。スティンクも同様だ。
フクロウ警部は手当てを終え、マグロ巡査に支えられながらスティンクに尋ねる。
「どういうことだ、なぜ効かない!!」
「ふ、私は教えんさ……」
スティンクがそう答えると、その続きの言葉をイタッチとスティンクが同時に答えた。
「「この戦いを見ていれば分かる」」
イタッチ達に見守られ、ダッチとディアーの戦いは続く。
音による攻撃に効果はなく、ダッチは刀を鞘に戻した。
「効果なしか……。音が効かない、それとも別の理由か……?」
「………………」
ディアーは何事もなかったかのように斧を手にして、ダッチに襲いかかる。
ダッチは鞘に刀を収めたまま、姿勢を低くして居合の姿勢になる。
「音が効かなくても斬撃は効果あるだろ」
ディアーの間合いにダッチが入る。斧を振り下ろすディアーだが、間合いに入ったのはディアーも同様だ。
瞬きすら許さない一瞬の斬撃。
「……今の居合…………なんでスピードだ……」
見守っていたマグロ巡査はダッチの一撃に見惚れる。
ディアーはダッチの動きが追えておらず、気がつけば背後にいる状態。
「………………」
ダッチの移動に気付き、身体の向きを変え、振り向いたその時。ディアーは強い衝撃を感じ、手を地面についた。
「ディーが地面に手を……」
ディアーが手をついたことにスティンクは驚く。しかし、イタッチはその様子を見てやれやれとため息を吐いた。
「まだまだ修行が足りてないな」
地面に手をついたディアーだったが、すぐに何もなかったように立ち上がった。
今の居合で決着がついたと思っていたのか、ダッチは目を丸くする。
「お前、その身体……」
ディアーの服が破け、その身体の一部が露わになる。
その身体は機械でできており、配線や金属でディアーの形成されていた。




