第76話 『ブラック』
怪盗イタッチ大作戦!!
著者:ピラフドリア
第76話
『ブラック』
イタッチの剣とブラックの斧がぶつかり合う。二人の武器がぶつかると、イタッチの剣はブラックの斧に叩き切られた。
「俺の武器が……勝った!?」
ブラックが驚く中、イタッチはニヤリと笑うと、後ろは大きく飛ぶ。
「やるな。ブラック……」
「……オリジナル」
イタッチは下を鳴らし、指を立てて振る。
「チッチッチッ、違うぜ。俺はイタッチだ」
「イタッチ……」
イタッチは赤いマントを靡かせると、壊れた剣を捨てて、新しい剣を作り出す。
「さてブラック。再戦と行こうか。俺も負けっぱなしだと嫌だしな」
「ふ……そうか。そういうことか……。イタッチ、俺は俺らしくってことだな」
ブラックと折り紙の斧を握りしめて、いつでも戦える体制になる。
「行くぜ、ブラック」
「ああ、イタッチ!」
二人は同時に走りだす。そして二人の距離が近づくと、武器を振り合い、お互いの武器をぶつけ合った。
激しき攻防戦。だが、
「さっきまでよりも早く、そして鋭い……」
フクロウ警部は二人の戦いを見て驚く。
あれが二人の怪盗の本当の力。そしてまだ二人とも底を見せてはいない。
二人が武器をぶつけ合い、火花を散らしているとヘリが近づいてくる音がして、建物内を強い光が照らした。
「怪盗イタッチ、そしてブラック。その建物は完全に包囲されている出て来い!!」
それはネコ刑事の声。
「警部!! 無事ですか!!」
「ネコ刑事か!! 俺は無事だ!!」
「良かった!! 警部、イタッチに続いてブラックの侵入も報告されました、気をつけてください!!」
「いや、すでに二人とも戦闘中だ!!」
「え!?」
ネコ刑事がヘリで建物内を照らすと、イタッチとブラックが戦闘していた。
「こっちは良い、セキュリティールームはどうなってる!!」
「そっちにはすでに応援を向かわせてます」
ネコ刑事達の会話を聞き、イタッチは一度ブラックから距離を取る。
「そろそろ決着をつけないとな」
イタッチは折り紙で丸い玉を作り出した。そしてそれを地面に向けて投げつける。
「煙幕か!?」
建物内を煙が包み込む。
ブラックは斧を持ち、どこからイタッチが現れても良いように待ち構える。
「っ!!」
前方から赤い剣がまっすぐ向かってくる。ブラックは斧を振って剣を振り落とす。
しかし、
「剣だけ……投げたのか!?」
「ダッチが悪魔に使った手と同じだが、あいつと違って俺は聴力が一般人並みだからな」
ブラックの背後にイタッチが現れる。そしてブラックの身体を掴むと、そのまま背負い投げた。
「ぐっはぁ!?」
「アイツよりこういう戦いは神経削る」
ブラックを投げ倒し、イタッチは折り紙で掃除を作って煙を吸う。