第73話 『夜の刺客』
怪盗イタッチ大作戦!!
著者:ピラフドリア
第73話
『夜の刺客』
イタッチを追いかけて展示ルームに入ったフクロウ警部。彼が先に進んでいると、
『侵入者、発見、発見!!』
二台のセキュリティーロボがいく手を阻む。
セキュリティーロボはフクロウ警部を発見すると、銃弾を発射する。
フクロウ警部は展示品の影に隠れ、弾丸の雨から身を隠す。
「早速か……館長には後で謝らないとな」
そう独り言を呟きながら、ハンドガンに銃弾を込める。そして手鏡を使ってロボットの位置を確認した。
「今だ!!」
ロボットがリロードをする一瞬の隙。その間に顔を出したフクロウ警部は二台のロボットに向けて発砲する。
狙うはロボットの装甲の薄い関節部分。フクロウ警部の弾丸で中のシステムを破壊されたセキュリティーロボは動きを止めた。
「よし。イタッチはこっちか」
フクロウ警部はイタッチが居そうな場所を目指して進む。しばらく走りたどり着いたのは、ムーンエリアの入り口。
ムーンエリアにイタッチの狙うお宝があるため、この扉の前で待っていれば奴が来るはずだ。
フクロウ警部が扉の前で待っていると早速誰かがやってきた。
「来たか……ん、イタッチじゃない。お前は!!」
現れたのは紫色のマントを靡かせるイタチ。
「オリジナルが先にいると思ったが、警部。あんたが一番乗りだったとはな」
「お前はブラック……」
「予告状は出したはずだぜ。俺も」
フクロウ警部はハンドガンをブラックに向ける。
「ああ、確かに受け取った。イタッチと一緒にお前も逮捕する」
銃口を向けられたブラックだが、焦ることはなくゆっくりとフクロウ警部に近づいていく。
一歩、また一歩と歩き、ブラックはフクロウ警部の目の前についた。
ブラックは腰を曲げると、銃口を頭につける。
「撃つなら撃てよ。俺はあんたを認めてるんだぜ、オリジナルを何度も追い詰めた男だ。あんたにやられるなら俺は構わない」
銃口に自分から頭を擦り付けてくるブラック。フクロウ警部はハンドガンの引き金に指をかける。
「さぁ、撃て」
「……撃たん!!」
フクロウ警部はハンドガンを捨てて、ブラックに向けて蹴りを放つ。
しかし、ブラックはフクロウ警部の動きを読んでいた様に、大きく後ろにジャンプして蹴りを躱した。
「なんだよ、撃たないのか」
蹴りを放ったことで帽子が落ち、フクロウ警部を落ちた帽子とハンドガンを拾う。
「何が認めてるだ。そんなこと1ミリも思ってないくせに……」
「嘘ではないさ」
ブラックは紫色の折り紙を取り出すと、それで剣を作り出す。
ブラックは作った剣を握りしめ、フクロウ警部に向けた。
「あんたが消えれば、オリジナルも存在価値を無くすからな」