第72話 『セキュリティーロボ』
怪盗イタッチ大作戦!!
著者:ピラフドリア
第72話
『セキュリティーロボ』
イタッチは大窓から展示ルームへ侵入する。
フクロウ警部も警官を引き連れて、展示ルームへと入った。
「イタッチ、どこだ!! 逮捕する!!」
フクロウ警部が叫ぶが、イタッチが返事をするはずもない。
警部は奥へと入ろうとするが、ネコ刑事がフクロウ警部を止めた。
「待ってください」
「なんだ?」
「忘れたんですか? この先はセキュリティーシステムが起動しています。ガトリングを持った自動走行ロボやセンター式のレーザー光線などが配備されています」
「そうか。館長が言っていたな。夜は警備ロボに任せていると」
施設内は月光社製のロボットが巡回している。フクロウ警部の警官以外に警備員がいないのは、普段はロボットで管理しているためだ。
「我々はこの先には進めません」
ネコ刑事はイタッチを追うのを諦める。
だが、フクロウ警部は帽子を深々と被ると、
「お前達はここで待ってろ!」
フクロウ警部はそう告げて展示ルームの奥へと入っていく。
「警部ぅぅ!?」
「お前達は外で包囲を固めておけ!!」
フクロウ警部は施設の中に消えていった。ネコ刑事も追いたかったが、セキュリティーロボが怖くて先に進めない。
それにフクロウ警部の命令も受けている。
「フクロウ警部の命令に従い、俺たちは外を固めるぞ!!」
ネコ刑事は部下達に指令を出した。
展示ルームへの侵入に成功したイタッチ。イタッチは無線でアン達に連絡を取る。
「そっちの状態はどうだ?」
「こちらは問題ないです。警備はダッチさんが蹴散らしてくれました!」
「ナイスだ。ダッチ! ……セキュリティーロボの電源は落とせたか?」
「いえ、それが……。セキュリティーロボは遠隔操作できない様になってるんです。こちらからは何も」
「そうか。それならそれで良い。これから展示ルームのムーンエリアに向かう、ロックを解除しといてくれ」
「了解です!!」
イタッチは二階の廊下を走り、ムーンエリアを目指す。
『侵入者発見、発見!!』
イタッチが走っていると前方に三台の円柱形のロボットが現れる。
足の代わりにタイヤを回転させ移動し、側面に小さな穴が空いており、そこから銃を撃っていた。
「早速現れたか!!」
イタッチは折り紙で盾を作って弾丸を防ぐ。
弾丸を盾で防いでいる間に、折り紙の手裏剣を作るとスリを見て手裏剣で迎撃をした。
手裏剣でモニターになっているであろう場所を狙い、ロボットの識別能力を奪う。
そして弾丸の発射が止まったところで、盾を捨てて折り紙の剣を持って近づくと、ロボットを真っ二つに切断した。
三台あったロボットがあっという間に全滅する。
「この先がムーンエリアだ」