第69話 『計画を阻むもの』
怪盗イタッチ大作戦!!
著者:ピラフドリア
第69話
『計画を阻むもの』
「計画通りとは行きそうにないな……」
イタッチは目線だけ動かしてレストランの奥を見る。
一番奥の席、そこにある人物が座っていた。
「あれは……フクロウ警部か」
「ですね」
イタッチの目線を追いかけたダッチとアンの先に居たのは、フクロウ警部とネコ刑事だった。
フクロウ警部はホットドッグを、ネコ刑事はイカスミパスタを食べている。
ホークでパスタを巻いているネコ刑事にフクロウ警部は今回の予告状の話をする。
「今回の予告状。少し厄介なことになるな」
「そうですね。まさか偶然、二つの予告状が同時に来るなんて……」
「いや、偶然とは言えないかもしれない」
フクロウ警部はケチャップとマスタードをホットドッグに塗りかける。
「奴はイタッチを追っていた。イタッチの狙うであろう場所に現れて奴を待っていた。しかし、それを呼んでか、イタッチは狙うお宝を絶妙にずらしていた」
「ということは……」
「ああ、イタッチも決着をつける気なのかもしれん」
ネコ刑事がゆっくりとパスタを食べる中、フクロウ警部は三口でホットドッグを食べ切ってしまった。
「まぁ、アイツらが決着を付けようが俺たちは捕まえるだけだ。今回で一網打尽にしてやる!!」
フクロウ警部は食べ終わると、席を立つ。
「警部、どこに?」
「……お手洗い」
フクロウ警部はお尻を押さえながら言った。
「アン、何笑ってるんだ?」
席に座りながらフクロウ警部達を警戒していたイタッチが、クスクスと笑っているアンに訪ねた。
「いえ、なんでもないです」
アンは静かに笑いながらフクロウ警部の視線を追う。イタッチとダッチが不思議に思っていると、レストランの厨房の方から騒ぎ超えが聞こえてきた。
「あれ!? なんでマスタードが下剤になってるんだ?」
「え!? あ、でもまだ誰も使う前で良かった」
「さっき、フクロウの方が使ってなかったか? ……あれ、いなくなってる?」
「気のせいじゃないですか?」
イタッチ達は昼食を終えると、施設内を歩く。
「んで、結構は今夜だったな。なんでこんな早い時間に来たんだ?」
「今回は昼から仕込みをする必要があったからな」
イタッチは折り紙で作った返送道具をダッチとアンに渡す。
折り紙で身体に貼り付けると、折り紙の形が変わり、イタッチ達の姿は施設のスタッフになる。
イタッチは二人を連れて、関係者以外立ち入り禁止の区域に入る。変装をしているため呼び止められることはなく、職員専用の通路に入った。
廊下を進みながらイタッチがあることを呟く。
「この先のセキュリティーが厄介なんだ」