第67話 『フクロウ警部が追ってきた』
怪盗イタッチ大作戦!!
著者:ピラフドリア
第67話
『フクロウ警部が追ってきた』
ヘリが上昇してイタッチ達が美術館から離れる。フクロウ警部は全力で走ると、窓から飛んでギリギリでヘリから下ろしているハシゴに手が届いた。
「はぁはぁ、逃さんぞ、イタッチィィィ!!!!」
「フクロウ警部!?」
ハシゴを登ってヘリに乗ろうしていたイタッチは、まさかフクロウ警部がハシゴに捕まるとは思っておらず驚く。
ヘリを操縦していたダッチも事態に気づく。
「フクロウ警部の奴。乗り込んで来やがった。おい、イタッチ、どうにかしろ!!」
「言われなくてもやるさ」
イタッチは折り紙で花を作ると、それを下に向けて振る。
「イタッチ、何のつもりだ?」
フクロウ警部はイタッチの行動を不思議に感じる。花をこちらに向けて振って何の効果があるのか。
しかし、すぐにその意味が分かった。
「イタッチ、早くしろ!!」
ヘリを操縦するダッチが急かす。
「もうそろそろだ」
花から舞ってくる花粉。それがフクロウ警部の鼻に入る。
「く、くしゃみが…………はーくっしょん!」
フクロウ警部が大きくくしゃみをする。くしゃみをしたフクロウ警部は思わず、ハシゴから手を離してしまい、
「しまったァァァ!!!!」
ハシゴから落ちてしまう。
「じゃあな。フクロウ警部!!」
イタッチはハシゴに片手で捕まり、フクロウ警部に手を振る。
フクロウ警部はイタッチに手を伸ばすが届くことはない。
「イタッチィィィ!! 次こそは逮捕してやるぅ!!!!」
イタッチはハシゴを登り切ると、ダッチの隣に座った。
「お宝は盗めたか?」
ダッチが聞くとイタッチはマントの中からミストウォールとライトを取り出した。
「バッチリだ」
「見えないが……。そこにあるんだな」
ヘリは夜空へと姿を消した。
「フクロウ警部ぅぅ!!!!」
ネコ刑事は美術館から出て、イタッチ達を追跡したフクロウ警部を追っていた。
「ネコ刑事、あれを!!」
カエルの警官がヘリから何かが落ちたのを発見する。
「まさか、あれは!?」
ネコ刑事が落ちたものを見ると、それらフクロウ警部だった。
「警部!?」
「落ちるぅぅぅぅ!!!!」
落下してくるフクロウ警部。ネコ刑事は部下達と協力してフクロウ警部を受け止めるため、上着をつなぎ合わせてクッションを作る。
「警部、こっちに落ちてきてください!!」
「うぉぉぉぉっ!!!!」
フクロウ警部は羽を幅立たせて、少しだけ浮く。しかし、すぐに疲れてしまい、羽で落下速度を落としながらクッションに落下した。
「警部!!」
受け止めた警官達がフクロウ警部を心配そうに見る。だが、フクロウ警部は飛び起きるとヘリの飛んでいった方を見て大声を上げた。
「イタぁァァァッチ!!!!」
「警部……元気ですね」