第56話 『悪の心』
怪盗イタッチ大作戦!!
著者:ピラフドリア
第56話
『悪の心』
「悪魔…………本当にいたのか」
驚くダッチ。今にも切り掛かりそうなダッチをイタッチが冷静に止める。
「待て、手を出すな」
「こいつは悪魔だろ」
「だが、俺達は神父じゃない。下手に敵対する必要もない」
イタッチとダッチは武器を構えながら、カバを囲い、何があってもすぐに動ける状態になる。
戦う気はないが、先手を取られるつもりはない。
イタッチの台詞を聞いてカバは不思議に思ったのか、イタッチに質問をする。
「悪魔と敵対しないか。お前達は何者なんだ?」
「怪盗だ」
「人間社会の悪党か。コイツは面白い、なら、これを受けるとどうなる?」
カバは手のひらを受けにすると、そこに黒いキューブを生み出した。
そしてそれをイタッチに向けて投げ飛ばす。
イタッチは折り紙の剣を振って、キューブを切断しようとするが、キューブは剣をすり抜けて当たる事はなかった。
「なんだ!?」
剣で止めることができず、イタッチの身体にキューブが触れる。
「イタッチ!!」
イタッチを心配したダッチが声を上げるが、イタッチに変わった様子はない。
「今のは……」
不思議な様子のイタッチ。そんな二人にカバは残念そうに説明をした。
「今のは悪意のキューブ。触れたものの悪の心を増幅させて、俺の悪魔の下僕にする技だが。汚いということは、悪の心よりも正義の意志の方が強いということか」
「イタッチ、コイツは敵だ。野放しにすればどうなるか、分からないぞ」
予想外な形で先手を取られ、ダッチはすぐに戦闘を始められるようにする。
そして今度はイタッチも賛同した。
「確かに俺達、仲間に危険が及ぶかもしれないなら、俺達で祓わないとな」
折り紙で作った剣をイタッチはカバに向ける。
イタッチとダッチに挟まれているカバ。不利な状況であるのに関わらず、カバは大口を開けて笑った。
「ガーバババ!! 人間の悪党如きがこの悪魔を祓うと? 面白い、面白いぞ!! 受けてたとう、この俺がな!!」
カバは全身から黒いエネルギーを吹き出す。そのエネルギーで発生した風で防犯カメラのレンズは割れて、照明は点いたり消えたりを繰り返す。
「ダッチ、同時に行くぞ」
「おう、相棒!!」
イタッチとダッチは同時に飛び上がり、悪魔に向かって切り掛かった。
二方向からの同時攻撃。防ぐことは達人であっても困難だ。
だが、カバは両手で刃を受け止めた。
「こいつ、片手で……」
「俺は悪魔だ。人間とは違う」
カバの身体から無数の目玉が浮かび出る。
「俺に死角はない」
カバはイタッチとダッチを投げ飛ばした。




