表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
怪盗イタッチ大作戦!!  作者: ピラフドリア
52/208

第52話 『フシギ伯爵の新たな屋敷』

怪盗イタッチ大作戦!!




著者:ピラフドリア




第52話

『フシギ伯爵の新たな屋敷』





 イタッチとダッチに届けられた挑戦状。




「『新たなクイズを開発した。挑戦したまえ』か……」




「どうするんだ、イタッチ」




「行くしかないだろ」








 新たに作られた屋敷。そこに二人はやってきた。建物に入ろうとすると、入り口の扉にモニターがあり、そこに映像が映し出される。




『小ちいさいときはかけたのに、大おおきくなったらかけなくなるものはなぁ〜んだ?』






 クイズが出てきて、モニターに文字が打ち込めるようになる。




「小さい時かけた?」




 ダッチは顎に手を当てて考える。




「文字なら今でも書けるしな。絵は昔から変わってないし……」




 ダッチが困っているとイタッチが閃く。




「そうだ!! かけるってのは文字だけじゃない」




「どういうことだ?」




「漢字で書くと。『かける』は『書ける』『駆ける』『掛ける』のようにいくつかの意味になるだろう。そうやって考えるんだ」




 そしてイタッチはモニターの前に立つとある文字を打ち込んだ。




「答えは『よだれかけ』だ!!」




「そうか! 子供の時はかけていたものが今はかけない。そういうことだったのか!!」




 モニターに正解と表示されると、扉の鍵が開き中に入れるようになった。

 屋敷の中に入ると、三つの階段があり、それぞれに看板が建ててある。




 その看板にはそれぞれ『クマ』『クモ』『カニ』と書かれている。




 看板を見終わると天井が開き、モニターが降りてきて二人の前で止まる。




『この中でお金持ちの動物はなぁ〜んだ?』




 新たな問題が現れた。




「金持ちの動物か」




「ウサギがいれば、俺はそこを選ぶんだがな」




 資金の自信のあるダッチはそんな冗談を言う。




「ダッチ。お前は誰だと思う?」




「俺はクモだと思うぜ」




「なぜだ?」




 イタッチが聞くとダッチは説明を始める。




「クモは言い方を変えれば、空にある雲になる。雲ってのは高いところになって、飛行機がないと手が届かない。つまり金持ちはクモだ」




 ダッチは自信満々にクモの看板の書かれた階段を登る。もう少しで扉に触れそうになった時。

 階段が突然、滑り台に変形してダッチは階段から滑り落ちてしまった。




「痛たぁ……なんだ、間違えだったのか?」




「そうみたいだな。別の答えを考えよう」




 『クマ』『カニ』。この中にいるお金持ちは誰か。




「クマが蜂蜜が好きだろ。んで、カニはハサミでチョキチョキしてくる」




 答えを考えながらダッチが独り言をボソボソ言う。その独り言を聞いて、イタッチはあることに気づく。




「もう一回言ってくれ」




「え、クマが蜂蜜で、カニはハサミでチョキチョキしてくる?」




「そうだ!! チョキン! 貯金だよ!!」




「貯金?」




「カニは貯金してるんだ。だから、お金持ちなんだよ!!」




「そういうことか!!」




 二人はカニの階段を登り、扉を開けて先に進んだ。




 先に進んでいくと、今度はプールのある大きな部屋に辿り着いた。

 プールサイドは通れなくなっており、プールを泳がないと先に進めない。

 しかし、プールの中にはサメが泳いでいた。




 今度はプール中からモニターが飛び出してくる。




『お風呂屋さんとクリーニング屋さんとマッサージ屋さんが駆けっこをしました。1位を走っていたのはだぁ〜れだ?』






 新しい問題が現れた。




「駆けっこだぁ?」




 ダッチは首を傾げる。そして問題をもう一度読み、




「この前の蟻がいればなぁ。引っ越し屋さんが早そうなんだがな」




「この前のは特例だ。忘れろ」




 問題を見て考え、イタッチは答えを思いついた。




「答えはお風呂屋さんだ」




「なに!? そうなのか!」




「お風呂は銭湯とも言うだろ。セントウは先頭にもなる」




「走ったら先頭になる。だから一位なのか」




 モニターに答えを打ち込むと、プールの中から巨大な箸が浮いてきて、プールに橋を作った。




「箸の橋か」




「割れる前に行こうぜ」




 プールを超えて先に進むと、ついにフシギ伯爵の待つお宝の部屋にたどり着いた。




「よく来たな。イタッチ」




 フシギ伯爵はマントを靡かせて杖を振り回す。




「最後の問題を与えよう。答えられれば、君たちの勝ちだ」




 フシギ伯爵は杖からビームを出して映像を映し出す。




『街中にイカがいて邪魔な国はどぉ〜こだ?』




 新たな問題が出される。




「さぁ、答えてみろ」




 問題が出されてイタッチとダッチは考える。




「イカがいて邪魔か。でっかいイカでもいるのか?」




 ダッチは巨大なイカが街にいる姿を想像する。しかし、それは違うとイタッチは否定する。




「そういうことじゃないと思うぞ。もっと別のことだ」




「イカが邪魔か。どんな邪魔なイカなんだか……」




 考えてイタッチが思いつく。




「邪魔なイカ。そうか、ジャマイカだ!!」




「正解だ!! 流石イタッチだ。今回も負けてしまったが、次こそは勝ってみせるぞ!」




 フシギ伯爵もマントに身を隠し消えてしまった。




 イタッチはフシギ伯爵が落としたお宝を手に入れて、屋敷から脱出した。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ