第49話 『怪盗vs警部』
怪盗イタッチ大作戦!!
著者:ピラフドリア
第49話
『怪盗vs警部』
黒いマントを靡かせるイタチ。彼は美術館を襲撃し、お宝を盗み出した。
「フクロウ警部。またブラックです」
刑事部で紅茶を入れるフクロウ警部にネコ刑事が新聞を持って見せてきた。
紅茶をテーブルに置き、フクロウ警部は新聞を拝見する。
「ケイゴム美術館を襲撃。怪我人多数か」
「イタッチとブラック。何か関係があるのでしょうか」
フクロウ警部は新聞を返して紅茶を手に取る。
「確かに容姿は似ているが、犯行の仕方が違う。イタッチは怪我人を出さないようにするが、ブラックはやりすぎだ。俺は別人だと考えてる」
紅茶を飲もうとフクロウ警部が口を近づけると、部屋の扉が開かれた。
「フクロウ警部、イタッチの目撃情報です!!」
目撃情報のあった廃墟のビルにフクロウ警部とネコ刑事は訪れる。
「ここが目撃情報のあった場所ですね」
二匹は慎重に奥に進んでいく。ビルの二階に着くと、奥から何かが落ちる物音がした。
「警部」
「念の為武器を構えろ」
懐にしまってあったハンドガンを手にして、音のした方へと向かう。
「誰か来たと思ったら、お前たちか」
マントを羽織り、金の入ったケースを占めるイタチの姿。
「イタッチ!?」
「いや、違う……」
暗闇の中、殆ど変わらない二人の容姿を見分けるのは難しい。だが、フクロウ警部は見破った。
「ブラックだな」
フクロウ警部が銃口を向けると、遅れてネコ刑事も同じようにブラックを狙う。
「俺のアジトを突き止めてきた……というわけでは無いか。だが、アジトは変えないとな」
ブラックはケースを折り紙で作った風呂敷に包むと、風呂敷が小さくなって手のひらサイズになる。そのケースの入った折り紙をマントに隠し、フクロウ警部たちと向き合った。
「さてそれで俺を捕まえるのか」
「当然だ!!」
フクロウ警部とネコ刑事はブラックに近付いて確保しようとする。しかし、ブラックは折り紙で爆弾を作るとそれを地面に投げつけた。
爆弾が爆発するとビルの中に煙が漂う。
「煙幕か……」
「イタッチに似た逃亡方法ですね」
「いや、違うな」
煙幕の中、ブラックは折り紙の剣を作り、フクロウ警部に振り下ろしてきた。
フクロウ警部は咄嗟に避けて致命傷を避けるが、羽に切り傷ができる。
「警部!!」
「やられた。これじゃしばらく飛べない」
「元々太りすぎで飛べないじゃ無いですか」
「うるさいぞ。俺が背後を守る、撤退するぞ」
ネコ刑事とフクロウ警部は合流して脱出を試みる。
ネコ刑事がフクロウ警部を見つけて駆け寄る。
「合流できましたね。出ましょう」
フクロウ警部が頷き、出口に行こうとするが、
「待て!」
ネコ刑事の視線の先にフクロウ警部がもう一人現れた。
「警部が二人!?」
新たに現れたフクロウ警部は銃口を上げると、ネコ刑事の先にいるフクロウ警部に向けて発砲した。
「警部!!」
最初に合流したフクロウ警部は銃弾が掠り、膝をつく。
「どっちが本物の警部なんだ……」
ネコ刑事が焦る中、銃を撃ったフクロウ警部がネコ刑事に命令をする。
「そいつがブラックだ。撃て!」
ネコ刑事は手に持ったハンドガンを近くにいるフクロウ警部に向ける。
「ブラック……」
そして引き金に手をかけて、銃口を素早く撃った方のフクロウ警部に向けて弾丸を放った。
弾丸はフクロウ警部に当たる前に折り紙の盾が現れて防がれる。
「よく気づいたな。刑事」
「警部がその距離で外すわけがないんだよ」
ネコ刑事はフクロウ警部が撃った時にさ既に気づいていた。だが、気付かないフリをしてブラックを騙そうとしたのだ。
ブラックはフクロウ警部の姿からイタッチの姿に変わる。
「今回はここまでにしよう。さらばだ、刑事」
ブラックはマントに身を包むと、姿を消していた。
ネコ刑事はフクロウ警部を連れてビルを出て、救急車を呼んだ。
無事に回復したフクロウ警部の病室にネコ刑事は訪れる。
「警部、今日で退院ですってね」
「ちょっとした傷だったんだ。こんなんで一日中拘束される方がおかしい」
フクロウ警部は羽の傷程度で入院させられたことが気に入らない様子だ。
「まぁまぁ、ほらお祝いにお菓子買ってきましたから」




