第43話 『鋼の装備』
怪盗イタッチ大作戦!!
著者:ピラフドリア
第43話
『鋼の装備』
現れた鋼の鎧は飛んでくると、寝そべるヤモリを立ち上がらせて、鎧はヤモリを包んだ。
「またそのヘンテコ装備か?」
イタッチは折り紙で剣を作りながらヤモリに聞く。
「当時よりもさらにグレードアップしたぞ。ジャスティスの鎧に、アッシュマンの特殊能力に、オーディンの武器。我が社が手に入れたヒーロー達の情報を再現した最強の装備、その威力を見るがいい」
ヤモリは背中からジェットを噴射して高速でイタッチに向かってタックルしてくる。
イタッチは焦ることなく、冷静に剣を構えると、
すれ違い様に剣を振った。
イタッチの剣が鋼の鎧を真っ二つにする。
「どれだけ優秀な装備だろうと。使う人次第でガラクタになるな……」
鎧の切られたヤモリは鎧だけ切られたが、勢いが止まらず、壁にぶつかり気を失った。
サソリはヒョウと共に背を向ける。
「……そいつは警察にでもくれてやれ。またいつか会おうじゃないか」
サソリは手のひらサイズのボールを取り出すと、それを地面に叩きつけた。
そうすると、煙が出てきてサソリ達の姿は消えていた。
イタッチはダッチと共にビルから脱出して、アンと合流するためにある場所を目指していた。
「アンはこの辺りで待ってるって言ってたが……」
そこは爆破された喫茶店から徒歩五分ほどの場所にあるレストラン。
「お、いたな」
一番奥の席で新しいパソコンを持って操作しているアンを発見した。二人は席に座り合流する。
「ん、ガキ。前はそのパソコンだったか?」
「ネットカフェのパソコンを使って、一時間で百万稼いで新しいパソコンを買ったんです。喫茶店と一緒に前のパソコンは無くなっちゃいましたから」
「そ、そうか……」
少し引き気味のダッチ。そんなダッチは差し置いてイタッチはアンに確認する。
「それでイーギーの情報を手に入れた奴は分かったか?」
「ええ、あの程度のセキュリティで偉そうだったのでついでに嫌がらせ用のウイルスをばら撒いときましたよ」
「それで誰だったんだ?」
「……四神の麒麟を名乗る人物でした」
それを聞いたダッチは驚く。
「四神だと……なんでそこで四神が出てくるんだ」
イタッチは腕を組む。
「おそらくこの前会った四神のウンランってやつが情報を流したのかもな。それでサソリはヒョウを使い、月光に接触した」
「爆発させたのはあのサソリか?」
「いや、月光だろうな。あいつは俺を恨んでた。サソリはヒョウと月光を接触させて依頼をさせたんだろう。俺を呼び込み騒ぎを起こす、そうすれば月光の元に行けるからな」