第40話 『警官達』
怪盗イタッチ大作戦!!
著者:ピラフドリア
第40話
『警官達』
三人の警官をイタッチは見送る。
「あいつらが騒ぎを起こせば、俺の仕事も楽になるからな」
イタッチはお宝のある社長室を目指す。
警官の後ろを気付かれないように付けていく。
途中でゴリラの警官は更なる証拠となる書類を探すために別行動を取る。
そしてしばらく進み、社長にたどり着いた。
警官達が勢いよく社長室の扉を開けると、ヤモリは椅子に座り葉巻を吸っている。
「また君達か……。しつこい警官だな」
「ヤモリ社長。そこにある書類を全て提出してください。そうすればあなたの罪は……」
ヤモリは警官達の言葉にため息を吐いた。
「君たちは何か勘違いしているようだね。君たちの上司をコントロールしているのは誰か。もしもここで君達がいなくなっても、私の権力を使えば、全て揉み消せる」
ヤモリが両手を伸ばすと、部屋の左右の壁が動き、壁から鎧のようなものが出てくる。
「知っているか、米国のヒーロージャスティスを……。彼の使うパワードスーツを流用し、製作したのがこのアイアンアーマー」
左右から飛んできた鎧が、ヤモリの身体を包み込む。
「この試作実験も兼ねて、邪魔者を始末するとしよう」
ヤモリは右手を前に出すと、腕からガトリングガンを撃ち出した。
サソリとフクロウは左右に飛んで弾丸を避ける。
「逃げられると思うか、これには自動追撃機能が……」
ヤモリが追撃しようとした時、目の前に赤いマントが靡く。
そしてヤモリの鎧を真っ二つに切断した。
「ば、バカな……」
自慢の鎧を真っ二つにされたヤモリは驚く。しかも鎧を切られただけで、ヤモリ自身は傷一つ負っていない。
「お前は……イタッチ!?」
「予告状は出したんだがなぁ、見てないのか?」
「ふん、コソ泥の手紙など読むか」
「そうかい……」
イタッチはテーブルに飾られているお宝を手にする。
「読まなかったのはお前の責任だよな。お宝はもらってくぜ」
イタッチはお宝を手に入れて立ち去ろうとする。しかし、
「待てや、コソ泥……」
「俺に構ってる暇はないだろ。お前の悪事はそこの警官達が……」
ヤモリは引き出しから爆弾を取り出した。
「お前、まさか……」
「そのお宝を渡すわけにはいかない。それはあの方から預かってるものだ。それを失えば、私は消される」
「だからって自爆を」
「ふん、書類と邪魔者を消すだけだ。自爆などするか」
社長室のテーブルの下にあるボタンを押すと、奥にある巨大な窓が開く。そしてヤモリはテーブルの下からリュックを取り出してそれを背負った。
「爆発に巻き込まれるのはお前達だけだ!!!!」